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RPA導入の4ステップ|業務効率化のための計画・導入・運用の手順とは

RPA

 ここ数年のRPAブームにより、日本でもRPAの認知が広まり、ITシステムとしての市民権を得てきた。しかし一方で、現行業務を大幅削減する夢の様なツールと思われることも少なくない。確かに、RPAは現行業務の自動化を行い、業務の効率化に大きく寄与するが、選定や事前準備を怠ると、運用に失敗し、管理するツールが増えて余計な手間が増える、システム環境が煩雑化するという状況に陥ってしまうことも少なくない。

 ここではRPA導入を成功に導くための手順(ステップ)、事前準備、社内で確認・調整しておくべきこと、運用時のロボット開発方法、運用ルールをまとめ、実際に日本の現場で評価されているRPAツールも紹介する。

RPA導入の4つのステップ

 RPAの導入ステップとしては「1 計画」「2 試行導入」「3 本格導入」「4 運用/保守」という4つの段階を踏むことになる。この点は他の多くの業務システムと変わらないといえるだろう。

 4の「運用・保守」のフローでは、スモールスタートとして部分導入した部門から他の業務や部門へとRPAの導入を拡大していく「全社展開」というフェーズも入ってくるケースも多い。そこまで来たとしたら、RPA導入はほぼ成功している状況であることだろう。

 そして計画から本格導入に至るまでの期間だが、一般的にRPAは從來のほとんどの業務システムも短期間で完了する。もちろん導入するRPA製品や現場の対応など各種条件にもよるが、計画の立案から本格導入まで1~2ヶ月で一気に進んでしまうケースも決して少なくはない。

最も重要なのが「計画」

 ここでは最初の「計画」の進め方について説明したい。

 システム導入プロジェクト全般に言えることだが、ここが最も大事だと言えるだろう。ただしそれは必ずしも慎重に時間をかけるべきというわけではなく、時には多少大胆に素早く進めてしまったほうが成果を得られるかもしれない。重要なのは、計画のステップが適切に進めらていたかどうかにより、その後の導入成果に大きく影響が出てくるということだ。

 計画では、現状の業務を振り返り(業務の可視化)非効率的だったり無駄だったりあるいは誰かの大きな負担になっているような業務の洗い出しを行う。そのうえで、RPAを適用して自動化するのに向いた業務を選定していく。

 そのためにも、自社でRPAを導入する目的──煩雑な作業の解消、業務の迅速化、正確さの向上、人手不足の解消、過重労働の是正など──を明確にしておくとどの業務からRPA化すべきかが見えやすいはずだ。さらに、導入に成功すると現場で働く人間が最も大きな恩恵を受けることになるのがRPAの特徴でもあるので、「いま現在手掛けている業務のなかでRPAに代替してほしい、もしくは代替したほうがいいのではないか、といった業務を挙げてほしい」と、現場に対して事前にヒアリングを行うのが効果的だ。

現場からの“誤解”と“不安”を解消する

 そしてこのように現場から率直な提案をしてもらうには、RPAについての誤解を解いておくことも必要となってくるだろう。

 RPAは「ロボット」であり、メディアでもそこが強調されがちなこともあってか、「自分たちの仕事がロボットに奪われてしまう」といった不安感や敵対心を抱いている現場の従業員は多い。実際、これまで数々の企業のRPA導入担当者の話を聞いてきたなかで「現場からの反発」に悩まされたというケースは少なくはなかった。それでも多くの場合、「RPAのロボットは決してあなたたちから仕事を奪う存在でも、競争相手でもない」「ロボットは仕事をサポートしてくれるアシスタントであり、さらには定型業務をロボットに任せることで、これまで時間が足りずに手がけられなかった、より人間ならでは可能な仕事へと業務時間を費やせるようになるのだ」といった趣旨の、自社のRPAに対する見解をしっかりと伝えることで、現場の不安を取り除き、やがて協力的になっていったという。

 こうした現場の不安をあらかじめ取り除いてRPA導入をスムーズに進めるためにも、RPA導入の目的をしっかりと見据えることが求められてくるのだ。そして最初に社内セミナーを開催し、RPAとはどのようなものか、また自社がRPAを導入する目的と、それによって目指しているのはどのようなことか、などをしっかりと現場の従業員に伝えておくと効果は大きいはずだ。

RPA導入は目的ではなく手段

 「計画」が最も重要と前述したのは、このステップの進め方如何がRPA導入の成否に大きく関わってくるからというだけでなはい。計画で適切に判断した結果「RPAを導入しない」という選択肢を選んだ場合でも大きな意味を持ってくるからだ。

 どのような選択をするにせよ、業務の可視化を行うことで、現状の問題点が浮き上がり、改善すべき方向性を見出したということは企業にとって大きな意義があるはずだ。RPA導入か、システム開発か、手順や体制を変えての人手による作業かというのはあくまで結果でしかない。より時間とコストをかけて大規模に自動化したほうが効果の大きいと見込んだとすれば、それはもちろんRPAで部分的に自動化するよりも完全にシステム化するべきだろう。

 そのためRPA導入自体を目的にしてしまうと、本当にRPAを必要とする業務以外であってもRPA化を強行してしまい泥沼な状況となりがちなので注意したい。

業務改善には向いても抜本的な変革までは期待できない?

 異論も多いかもしれないが、RPAというのはあくまで業務改善さらに行って業務改革のためのツールであり、これにより企業の体質がドラスティックに変革するようなものではないと考えている。なぜならば、RPAというのは“ホワイトカラーの人間が行っていた既存の定型業務をロボットによりルールベースで自動化する”ものだからだ。

 基本的に対象となるのは人間が行っている作業であり、自動化というのも人間のやり方を高速かつ正確に何度でも繰り返すというに過ぎない。つまり、自社の仕事のあり方や進め方を、AIなどの機械に適したように根本から変えてしまうというアプローチとは、思想もその効果もかなり異なってくる。例えば、ビジネスの速度をいまの10倍にも100倍にもしたいとなれば、RPAではとても間に合わず、おそらく後者しか選択肢はないのではなかろうか。

 しかしこの点が、世界の中でも特に日本においてRPAが高い人気となっている理由でもあると言われる。つまり、現状の仕事を大きく変えてしまうのではなく、人間がやってきた仕事のやり方のままで自動化するという一般的なRPA化の方法が、日本人の心情や文化と相性が良いと考えられるのだ。

本格的なAI時代到来の準備にも

 とはいえ、今後はRPAとAI(機械学習含む)を融合させて、機械が自己学習しながら判断基準を洗練させていくといった製品が主流になっていくことになる。既にRPAとAIの組み合わせをうたっている製品も多いが、これらのなかにはAIをフローの判断等に用いるのではなく、非構造化データを取り扱うためにAIを活用しているものもある。

 この先、RPAとAIの融合が進んでいくと、現状の非定形業務に限らず非定型業務も機械による自動化が可能となっていく。そうなると、人間が行う業務とは?機械が行う業務とは?といったように自社の業務の抜本的な見直しとドラスティックな改革まで多くの企業が足を踏み出すことになるかもしれない。

 今回はRPA導入で最初に行うべき「計画」のステップについての説明であったため、そもそもRPAは何のために導入すべきものなのかといった基本に立ち返ることとなった。次回からは製品選定の具体的なポイントなどにも触れていきたい。

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