採用管理とは?採用業務の課題と採用管理システムを導入するべき理由を解説 | ITreview Labo
     

企業にとって人材の獲得は重要なタスクです。一方で、採用活動は手間がかかり、負担が大きいことから、適切な「採用管理」を行い、効率化していく意識が求められます。この記事では、「採用管理とは何か?」といった基本的な情報から、具体的な取り組み内容やそのステップ、効率化につながるおすすめの採用管理システムまで解説します。

今さら聞けない採用管理の基本

まずは採用管理の概要について押さえておきましょう。定義や目的など、採用管理に関する基本的な情報について説明します。

採用管理とは?

採用管理とは、企業が外部から人材を雇用するための施策および計画のことです。また、内定後の人員配置や部署間の異動など、バランス調整も採用管理に含まれます。新しい人材を積極的に採り入れ、企業の力を維持していくためには重要な取り組みです。

採用活動を行う目的

採用活動の代表的な目的として「不足している人材の確保」と「新しい人材の追加による企業の活性化・ステップアップ」の2点が挙げられるでしょう。

事業規模の拡大や新事業の開拓などにより、企業の人材が不足してくるケースがあります。近年は労働人口の減少により、新しい人材の獲得が難しくなってきているのが現状です。ITなど特定の業界ではすでに深刻な人材不足が起きており、人材の確保を急いでいる企業は少なくありません。

加えて、国内外の市場で生き残っていくために、企業の活性化・ステップアップを余儀なくされています。これらを実現するための優秀な人材の獲得は、企業にとって急務になっており、多くの業界で人材獲得の競争が激化しています。

採用管理はこれらの目的を踏まえ、効率的で安定した採用活動を行うための取り組みといえます。

採用活動の具体的なステップ

採用活動を無計画に進めると無駄な時間やコストがかかってしまいます。事業計画から逆算して、順序立てて計画していくことが大切です。以下では、採用活動の具体的なステップをご紹介します。

1.採用計画の立案

まず、採用計画を明確にする必要があります。採用計画において決めるべきポイントは、大きく分けて「採用人数」「雇用形態」「採用のタイミング」の3つです。

採用人数については、予算や業務量から算出するのが一般的です。予定している事業の戦略から、概算で必要な人数を割り出すこともあります。

雇用形態として選ばれることが多いのは自社雇用です。ほかに、派遣社員の雇用やアウトソーシングなどを選択肢として加えておくと、計画の幅が広がります。

採用のタイミングについては特に慎重な判断が必要です。新しい人材は企業に参加した直後から力を発揮できるわけではありません。その人材に活躍してほしい時期から逆算して採用のタイミングを決める必要があります。

2.採用戦略の策定

続いて、自社に必要な人材を獲得するための採用戦略を検討します。

まずは必要な人材をイメージし、その人材に対して自社をどのようにアピールできるのか検討しましょう。単に新しい人材に望む知識やスキルをイメージするだけでは十分でありません。悩みやキャリアプランを仮定するなど、具体的な「ペルソナ」まで定義することが大切です。緻密な採用戦略を策定しておくことで、その後の施策に一貫性が生まれます。

3.採用手法の選定

採用戦略で定義したペルソナに対し、どの媒体でどのようにアプローチしていくのか検討します。以下のような手法が代表的です。

・求人サイト

・エージェント

・スカウト

・リファラル採用

・SNS採用

それぞれに強みがあり、かかるコストも異なります。ペルソナがどんな媒体を利用しているのか検討したうえで、リーチしやすい手法を選びましょう。また、複数の施策を組み合わせることも一般的です。

4.募集活動の開始

採用手法を決めたあとは、募集活動に着手します。各媒体の利用手続きのほか、掲載する募集要項・スカウトのテキスト作成を行います。

募集要項は、「必要事項」と「歓迎事項」を分けて記載するのが一般的です。「求めている人材」の解像度が高いほど、求職者にとっては自分に合った求人案件なのか判断しやすくなります。企業の理念についても、あらかじめ求職者と共有しておくことが重要です。

企業側から能動的に転職を検討している人にアプローチする「スカウト」は、近年ではスタンダードな採用手法になりつつあります。テンプレートを使うと多くの人材にアプローチできるため効率的ですが、本当に欲しい人材に対しては個別に書いたテキストのほうが効果的でしょう。

5.選考

一定の応募が集まった段階で選考・面接を開始します。面接時は、必要条件・歓迎条件を踏まえて、評価基準を明確に設定しておきましょう。担当する面接官によって採用基準が異なるケースが生じるためです。

また、スカウトや紹介の場合は選考をスキップして面談に進んでもらうなど、柔軟に対応することも大切です。

6.内定・入社フォローの実施

内定を出したからといって、その人材を獲得できるとは限りません。入社までは、内定者の不安や疑問の解消に努める必要があります。こうしたフォローが不十分だったために辞退されるケースは少なくありません。入社後のミスマッチを防ぐためにも、内定者が求めている情報は隠さず正確に伝えましょう。

採用管理には、入社した人材がスムーズに活躍できる仕組みづくりも含まれます。社内SNSへの参加案内、マネージャーとの1on1ミーティングの実施といった取り組みで、新入社員が組織になじめるように誘導しましょう。

企業が直面している採用業務の課題

採用は企業にとって欠かせないタスクです。しかし、多くの企業が以下のような採用業務の課題に直面しています。

採用状況の把握が難しい

一度に大人数を採用する新卒採用は、複数人の人事スタッフで取り組むのが一般的です。業務的にも非常に忙しいため、情報共有が困難になります。内定者の数が把握できない、それぞれの応募者がどの採用ステップまで進んでいるのかわからない、といった問題が起こりやすくなります。

対応ミスで信用を落としてしまう

多くの応募者に対応していると、連絡の遅れや情報の取り違いといった対応ミスが頻発します。契約までは、応募者も企業を吟味している段階です。対応ミスによって信用を落とせば、優秀な人材を逃してしまうことがあります。

セミナー・面接の調整に手間がかかる

セミナーや面接のスケジュール調整は採用業務の中でも特に煩雑です。人事スタッフのリソースの多くが消費されてしまいます。

求める人材と採用する人材のミスマッチが起こる

採用戦略が十分に検討されていない場合、求める人材と採用する人材のミスマッチが起こりがちです。採用した人材も企業に不安や違和感を抱くため、離職者が増えてしまいます。

求人ページの情報が不足し求職者に訴求できない

募集要項のテキスト作成スキルや作成経験がないことから、十分な情報を提供できないケースがあります。「お気軽にお問い合わせください」という記載だけでは、企業や仕事のアピールにはなりません

採用管理システムの導入で採用の課題解決

上述した課題を解決するため、多くの企業では「採用管理システム」が導入されています。以下では、採用管理システムの概要や代表的な機能を紹介します。

採用管理システムとは?

採用管理システムとは、採用業務を効率的に処理するためのシステムのことです。求職者への情報発信、採用スケジュールの管理、応募者情報の管理などをシステム上で処理できます。特に大規模求人を出している場合や複数の媒体を利用している場合に力を発揮するツールです。

採用管理システムの機能

採用管理システムの主な機能を紹介します。

応募者情報管理

各媒体から送られる応募者の情報を一元管理できる機能です。履歴書に記載される基本情報のほか、採用の進捗などを管理できます。

採用タスク管理

採用活動において処理すべきタスクを管理する機能です。書類選考、面接、最終選考といったタスクを配置することで、それらの抜け落ちを防ぐことができます。

採用スケジュール管理

面接、セミナー開催などのスケジュールを管理する機能です。空いている日時が可視化されるため、応募者を交えたスケジュール調整が容易になります。

採用状況分析

媒体や施策ごとの採用状況を分析する機能です。採用しやすい媒体やかかるコストに対する予想応募数・採用数などがわかるため、媒体の選定などに役立ちます。

採用ページ作成

自社の採用ページを作成する機能です。多くの採用管理システムではテンプレートが用意されており、簡単に自社のイメージに合ったデザインの採用ページを作成できます。

採用管理システム導入のメリット・デメリット

採用管理システムの導入には以下のようなメリット・デメリットがあります。双方を理解したうえで導入することが肝要です。

採用管理システム導入のメリット

1.採用業務の効率化につながる

情報が1つのシステムにまとめられることにより、採用業務が効率化します。限られた採用担当者のみが情報を管理している場合、フローを進めるたびにその担当者に確認をとらねばならず、非効率です。採用管理システムを使えば、複数人がアクセスできるため情報共有が容易になります。

2.より効果的な採用戦略を策定できる

採用管理システム上で過去に実施した採用活動の内容や結果を記録しておくことができます。施策による応募数の増減、面接以降の辞退率といったデータを分析することが可能です。こうしたデータは、次回の採用戦略の策定に役立ちます。

3.対応ミスを減らせる

多くの採用管理システムに搭載されているタスク管理機能は、細かな業務の抜け落ち防止に役立ちます。応募者への連絡漏れ、連絡ミスなどは自社の信用を大きく落とすことにつながるため、可能な限り防止しなければなりません。採用管理システムによっては、こうしたミスを防止するためのアラート機能が搭載されたものもあります。

4.求人サイトと連携できる

採用管理システムは一般的に求人サイトとの連携が可能です。特に複数の求人サイトを利用している場合は、各サイトからの応募情報管理が煩雑を極めます。採用管理システムには求人サイトからの応募情報が自動で反映されるため、情報把握が大幅に効率化されるでしょう。

採用管理システム導入のデメリット

1.コストがかかる

採用管理システムを導入する場合、初期費用のほかにランニングコストが発生します。月々5万~10万円程度が目安です。Excelなどの管理と比較すると大幅にコストアップしてしまう点がデメリットです。採用の規模が小さい企業では、コストに対して十分な恩恵を感じられないかもしれません。

2.自社と相性のよいシステムを探す必要がある

採用管理システムの操作感や搭載機能は製品によって異なります。自社と相性の悪いシステムを導入すると無駄にコストがかかってしまうため、導入する製品は慎重に選ばなければなりません。

3.社内で定着するまで時間がかかる

採用管理システムは人事スタッフ、面接担当者など多くの社員が利用することになります。導入によって各社員の業務が変わることになるため、事前の準備は不可欠です。情報共有やマニュアルの整備、研修、権限付与といった準備が必要になります。実際に導入したあとも、明確な効果を感じるまでは時間がかかるでしょう。

採用管理システムの活用事例

採用管理システムを導入したことで得られるメリットについて、ITreviewに集まったレビューをもとに活用事例を紹介します。

年間で数百時間の工数削減に繋がっています

「弊社は中途採用が中心の為、導入に際してはかなり迷いがあったのですが、自動化機能による業務工数削減を最優先にてSONARを導入しました。以前はHRMOSを利用していましたが、面接日程の調整メール、確認メール、SPIの受検登録~依頼などが完全自動化し、年間で数百時間の工数削減に繋がっています。工数削減だけではなく、面接官が判定した瞬間から日程調整に進められるため、リードタイムも若干ではありますが縮めることに繋がっています。
▼sonar ATS
▼企業名:BCホールディングス株式会社 ▼従業員規模:300-1000人未満▼業種:経営コンサルティング

https://www.itreview.jp/products/sonar/reviews/70880

管理業務の時間削減に役立っている

「応募者や採用関係者が何年増えていく中で管理業務に時間を割く時間が増えてきていましたが、SONAR ATSでは候補者への連絡・面接予約などの設定や一括連絡が容易になっており、管理業務の時間削減に役立っていると感じています。結果的に、本来時間を割くべき候補者とのコミュニケーションに時間を取ることができていると感じています。
また、近年様々な採用媒体ができていますが、それらとのAPI連携を非常に積極的に実施いただいている(=SONAR ATSで一元管理できる)のも大変助かっています。今後更に連携先が増えることを期待しています」
▼利用サービス:sonar ATS
▼企業名:三井化学株式会社 ▼従業員規模:1,000人以上 ▼業種:その他の化学工業

https://www.itreview.jp/products/sonar/reviews/65528

採用業務が迅速にすすめられました

「人事部から事業部門への求人情報の共有、連絡、進捗把握が明瞭になる素晴らしいツールです。旧来はExcel、メール、チャットを組み合わせて状況把握していたものが一か所に集約され選考過程の状況が明確です。大勢の面接を同時に並行していく際に状況がよく分かるため採用業務が迅速にすすめられました」
▼利用サービス:HRMOS採用
▼企業名:株式会社ハンモック ▼従業員規模:100-300人未満 ▼業種:ソフトウェア・SI

https://www.itreview.jp/products/hrmossaiyoukanri/reviews/87212

採用管理システムの業界マップ

採用管理システムのユーザーからの評価を知るには、ITreview Gridが便利です。ITreview Gridは、ITreviewに集まったユーザーのレビューをもとに生成された4象限の満足度マップです。このマップでは、顧客満足度と市場での認知度を掛け合わせた結果が、4象限上でのポジショニングとして確認できます。

採用管理システムの選び方のポイント

自社に合った採用管理システムを見つけるためには、以下のようなポイントを意識しましょう。

操作性

実際にシステムを操作する社員がスムーズに使えるように、直観的な操作ができる製品を選ぶのがおすすめです。また、画面の遷移スピードなどの細かなレスポンスも業務効率に影響します。ストレスなく利用できるか判断するため、無料のトライアルを活用しましょう。

導入・運用コスト

各システムのコストについても注目してください。大規模で多機能なシステムほどコストが高くなります。無駄にコストを増大させないためにも、自社の規模に合ったシステムを選ぶことが大切です。

分析機能

頻繁に採用活動を行っている場合は、分析機能が充実した採用管理システムがおすすめです。分析機能を利用して採用活動の実施と改善を繰り返すことで、優秀な人材を効率よく獲得できるようになっていきます。

外部システムとの連携

人事関連システムをすでに導入している場合は、外部システムとの連携可否について確認が必要です。連携できない場合は担当者が手作業でデータを入力する必要があり、工数が増えてしまいます。

採用管理システムおすすめ比較5選

実際に、採用管理システムを活用されている企業の方々のレビューが多い製品を中心に、おすすめの採用管理システムを紹介します。

(2021年12月23日時点のレビューが多い順に紹介しています)

i-web

「i-web」は、充実した機能とシンプルな操作性で、多くの企業に評価されている採用管理システムです。基本機能のほか、進行している採用活動の状況を可視化する統計機能が搭載されています。効果検証機能も優秀なため、採用活動を着実に改善していけるシステムです。

i-webの製品情報・レビューを見る

sonar ATS

「sonar ATS」は、選考状況を見える化する機能や、連絡の自動化機能が高く評価されている採用管理システムです。対応している採用手法が豊富なため、年度によって手法を変える場合もシステムを切り替える必要はありません。使った分だけ費用が発生するクラウド型のため、コスト削減効果も期待できます。

sonar ATSの製品情報・レビューを見る

RPM

「RPM」は、年間100人以上の大規模採用を行う企業に向けて開発された採用管理システムです。350以上の求人サイトから、応募者情報を自動取得できます。オンライン面談、LINEによる応募者とのコミュニケーション、応募者自身による面接予約など、大規模採用の負担軽減につながる機能が豊富です。

RPMの製品情報・レビューを見る

HRMOS採用

「HRMOS採用」は応募者情報管理、採用業務の進捗管理、採用活動のデータ分析など基本的な機能を網羅した採用管理システムです。クラウド型のため、複数人での情報共有が容易になります。転職支援サービスを運営している株式会社ビズリーチが提供しており、人材採用関連のサポートを受けられる点も特徴です。

HRMOS採用の製品情報・レビューを見る

HERP Hire

「HERP Hire」は、Slack、Chatworkとの連携により、スピーディーな情報共有を実現するツールです。応募の通知や応募者との連絡は各コミュニケーションツール上に表示されます。「Find Job!」「SCOUTER」「YOUTRUST」など、IT企業に広く利用されている求人サービスとの連携が可能な点も強みです。

HERP Hireの製品情報・レビューを見る

ITreviewではその他の採用管理ツールも紹介しており、紹介ページでは製品ごとで比較をしながら導入ツールを検討することができます。

採用管理システム(ATS)の比較・ランキング・おすすめ製品一覧はこちら

まとめ

採用業務による負担を問題視している企業は少なくありません。将来的には多くの業界が人材不足に陥ることが予想されているため、採用業務を効率化し、競合よりも先に人材を獲得することは重要です。

採用管理システムの導入によって、業務負荷の改善、人材不足問題への対応の双方を実現できます。ぜひ、自社に合った採用管理システムを探してみてください。

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