生成AIが検索体験を大きく変える中、SEOツールには新たな変化が求められています。株式会社Faber Companyは、こうした時代のニーズに応えるため、自社のプロダクトに生成AI機能を実装し、検索意図の洞察から記事生成までを一気通貫で支援する体制を整えました。

しかし、生成AIによるコンテンツ制作には、自社独自の知見が反映されにくかったり、インターネット上の情報に偏ってしまったりといった諸々の課題も存在します。また、運用方法を誤ってしまえば、制作効率は上がっても、成果につながらないコンテンツを増やしてしまいます。

本記事では、SEOツールの「ミエルカSEO」を提供する株式会社Faber Company様に、生成AIを活用したコンテンツ制作の実態や工数削減の効果、考えられるリスクへの対処方法や今後の展望などについて、詳しくお話を伺いました。実際の活用事例や運用上の工夫を通して、AI時代に求められるコンテンツマーケティングのあり方を紐解いていきます。

ベンダー情報

株式会社Faber Company 執行役員 月岡 克博 氏

生成AIを使ったSEOライティングでは何ができるようになる?

Q:ミエルカSEOの生成AI機能では何ができるようになるのか?

 

月岡氏

A:コンテンツの設計から執筆までを一気通貫で支援しつつ、独自情報や指定ソースを反映できる点がミエルカSEOの特徴です。

コンテンツ制作におけるペルソナ設定や、タイトル・見出し案の作成、本文の執筆までをまとめて生成することができます。以下が一般的な汎用AI(ChatGPTやGeminiなど)では実現しにくい、弊社サービスならではの強みです。

特徴①:コンテンツ制作で培ったSEOノウハウを学習

ミエルカSEOの生成AI機能では、私たちが長年SEOやコンテンツ制作に携わってきた知見やノウハウをAI学習させたり、プロンプトに反映させることによって、狙いたいキーワードを入力するだけで、精度の高いペルソナが生成される仕組みになっています。

年齢や性別などの基本属性だけでなく、ターゲットの価値観や行動、悩みなどから「どうなりたいか」という理想像までを深く分析してペルソナを出力することが可能です。生成されたペルソナは手動で修正することも、プロンプトを調整して再生成することも可能なため、自社のターゲット像に合わせて柔軟にカスタマイズできます。

特徴②:AIがどの情報ソースを参照したのかを提示

見出し構成を作る段階で、AIが参照した情報ソースの一覧が提示されます。これにより、自社の主張と異なる情報は除外したり、社内資料や独自のマニュアルといったデータを情報源として追加したりといったアレンジが自在に行えます。

さらに、Googleの検索結果で上位表示されているコンテンツを分析し、ユーザーの検索意図に沿った重要なトピックを見つけ出し、それらを構成作成に反映させることもできます。提示されたトピックの中から、自社コンテンツにとって重要なものを取捨選択して、記事の網羅性を高めることができます。

特徴③:網羅性チェックやファクトチェック機能も搭載

AIが作成した記事に対して、狙っているキーワードに関する重要なトピックが網羅されているかを自動でチェックする機能が搭載されています。この機能により、制作した記事の網羅性を定量的に判断できるようになります。

また、記事の「ファクトチェック機能」も搭載しており、記事内の整合性を情報源に照らし合わせて検証することも可能です。これにより、AIによるハルシネーション(誤情報が表出してしまうこと)のリスクを軽減し、人間が手直しをする前の段階で、システム的に誤情報の表記を洗い出すことができます。

Q:どういったニーズから生成AI機能の実装に踏み切ったのか?

 

月岡氏

A:自社の独自情報を活かしながらSEO記事を効率的に作れるツールへのニーズが高まったことが、生成AI機能を実装した主な理由です。

マーケティングチームは少数精鋭であることが多く、1人の担当者がさまざまな施策を兼務しているケースがあります。SEOも数ある重要な施策の1つですが、業務が多岐にわたるため「時間をかけてユーザーの検索意図に寄り添うコンテンツを作るのが難しい」という現状がありました。

そうした背景から、ある程度の作業を自動化し、最適な書き方を教えてくれるような時短ツールが求められていたのです。インターネット上の情報をまとめただけの記事が氾濫する懸念はあったものの、補助ツールとしての活用ニーズは根強く、生成AIによる支援機能の実装に踏み切りました。

生成AIを使ったSEOライティングの具体的な順位効果や成功事例は?

Q:AI記事で本当に検索順位は上がるのか?

 

月岡氏

A:弊社ツールを用いた生成AIライティングで、実際に検索順位が上がった事例はいくつもあります。

たとえば、とあるBtoB向け仕入れサイトでは、生成AI機能を使った記事制作によって狙ったキーワードでの検索1位を獲得しました。また、とある旅行メディアでは、AIと人間のハイブリッド制作によって、複数キーワードで上位表示を獲得することができました。このように、生成AIは用途次第で順位改善と効率化の両方に寄与します。

業種・企業 活用方法 具体的な成果
BtoB向け仕入れサイト 生成AI機能を活用した記事制作 対象キーワードで1位を獲得
旅行メディアを運営する企業 AIと人間のハイブリッド体制での記事制作 複数キーワードで検索上位を獲得
結婚相談所メディアを運営する企業 ライターへの指示書の作成に生成AIを活用 制作フローの効率化と順位向上を両立

Q:コンテンツの品質は担保できるのか?

 

月岡氏

A:可能です。ただし、AIが生成する記事の完成度は、体感で6〜7割程度であり、残りは人の手による補完を推奨しています。

AIはインターネット上で収集できる情報をもとにするため、どうしても一般的な内容に偏りがちです。そのため、自社ならではの一次情報や専門的な知識、知見を追加しないとオリジナリティのあるコンテンツに仕上げることができません。

また、構成作成の段階で特定の情報源を参照させることも可能です。現時点ではベータ版での提供にはなりますが、社内にあるPDF資料や独自のマニュアルといったデータを読み込ませる機能も現在開発を進めています。オンライン上にはない自社独自の情報をあらかじめ反映させることで、最初から品質の高いベース記事を作成することができるでしょう。

生成AIを使ったSEOライティングはどこまで自動で作ってくれる?

Q:記事の制作工数はどれくらい削減できるのか?

 

月岡氏

A:既存の制作体制やAIに任せる工程の範囲によって異なりますが、基本的には大幅な工数削減が可能です。

たとえば、構成案の作成や初稿の生成をAIに任せたBtoB企業では、月4本だった制作本数が10本以上に増加しました。また、別のBtoCメディアの運営企業では、コンテンツを「人間がゼロから作る記事」と「AIに任せる記事」とで明確に分類しました。

その結果、複数の人を介して約1ヶ月かかっていたコンテンツ制作が、わずか1日で完了できるようになったのです。これは極端な事例ではあるものの、使い方や制作体制によっては、工数を10分の1や30分の1にまで圧縮することも可能といえるでしょう。

Q:人間の工程とAIの工程をどう切り分けるべきか?

 

月岡氏

A:リサーチや調査はAIに任せて、最終的な表現の調整は人間が担う、というのが役割分担の理想です。

AIは「狙ったキーワードに関する重要トピックが網羅されているか」や「記事に必要な情報が網羅的に記述されているか」を定量的にチェックすることは得意ですが、その記事を読む読者の気持ちや感情に寄り添えているのかは微妙なところです。

一方で「この書き出しで読者が引き込まれるか」や「この記事テーマなのに、この情報がないのはおかしい」といった違和感を覚えたり、最終的に「この記事を読んで面白いか」と表現を磨いたりするのは、人間が果たすべき重要な役割だと考えています。

生成AIを使ったSEOライティングのデメリットや考えられるリスクは?

Q:Googleのペナルティ対象には当てはまらないのか?

 

月岡氏

A:通常の会社が常識的な範囲内でツールを使う分には、ペナルティの対象になることはないと思います。Googleも「内容がスパム(大量に低品質な記事をアップロードすること)的でない限り、AIで作成したこと自体は問題視しない」という考え方を示しています。

ただし、月に数千本といった人間の力では到底不可能な量の記事をAIで生成し、公開するようなスパム的な手法には注意が必要です。このような施策を展開した場合、一時的にアクセスが伸びたとしても、いずれは順位が落ちてしまう可能性が高いでしょう。

生成AIでSEO記事を作るリスクは、記事の内容を確認せずにそのまま公開してしまうことです。たとえ検索順位が一時的に上がったとしても、内容に独自性や訴求力がなければ、アクセスは集まっても成果が出ない記事を増やしてしまうリスクがあります。

Q:ハルシネーション(誤情報の生成)に対処できるのか?

 

月岡氏

A:インターネット上に情報が多く存在する領域であれば、AIが正しい内容を認識しやすいため、ハルシネーションは起きにくい傾向にあります。逆に、情報発信が少ないニッチな領域や分野では、一般論から外れた内容が出力されてしまう可能性があります。

また、ハルシネーション以外にも、専門家によって解釈が分かれる問題や、異なる派閥が存在するテーマなどについては、人間によるファクトチェックやAIを使ったダブルチェックを構築するなど、何らかの対策を検討する必要があるでしょう。

たとえば「出産内祝いは2ヶ月以内に送るのがマナーだが、世間一般的には1ヶ月と言われている」といった、複数の見解が並存するケースもあります。特に法律や薬事などの解釈については、どこまで断言できるかの判断はAIでは難しいところがあります。

生成AIを使ったSEOライティングでより高品質な記事を作るには?

Q:テンプレ記事の量産っぽくはならないのか?

 

月岡氏

A:事前のコンテンツ設計をしっかりと行うことさえできれば、テンプレート的な記事の量産は避けることができます。逆に、事前の設計を怠ってしまうと、似たような記事が量産されてしまうのも事実です。

たとえば「出産内祝い のし」と「出産内祝い 書き方」は似たような検索意図を持つので、別々のコンテンツを作ったとしてもカニバリが発生し、SEO上で評価されない可能性が高いです。何の目的でその記事を作るのか?を明確にすることが、差別化の大きなポイントになります。

そのうえで、メディア独自の色を出すためには、自社メディアの過去記事をAIに学習させ、言い回しや表現に反映させることが有効です。また、Q&Aサイトの質問などを分析して、競合の上位記事には書かれていないものの、ユーザーが深く悩んでいるニッチなトピックを構成に組み込むことで、独自性のある高品質な記事を作成することができます。

Q:検索意図ごとの最適化にも対応しているのか?

 

月岡氏

A:基本的には対応可能です。ただし、テーマによっては人間のリサーチを組み合わせる必要があります。事前に狙うキーワードを登録しておくことで、AIがそれに沿った構成や記事を生成しやすくなります。

また、地域を絞ったテーマ設定にも柔軟に対応することができます。たとえば、結婚式の費用に関する記事で「名古屋」と設定すれば、その地域特有のルールや風習に基づいた情報ソースを参照することができるため、記事を作成しやすくなるでしょう。

一方で「ラーメン屋 おすすめ」のように、実際に体験しないとわからないようなテーマについては、既存の情報をAIにまとめてもらうよりも、人間が現地でリサーチしたレポートをデータとして入力し、それをAIに記事化させるという方法が効果的です。

生成AIの登場によって今後のWebライティングはどう変化していく?

Q:今後のSEOツールの変化と生き残るライターに必要な能力とは?

 

月岡氏

A:これからのSEOツールは「独自のデータをどれだけ保有しているか」が最大の差別化ポイントになります。今後は独自の価値あるデータを持ち続けるツールだけが生き残るでしょう。

同時に、ライターに求められる能力も大きく変化していくと感じています。特に、パソコンの前でネットサーフィンをしてまとめるだけの記事を書くライターは、今後はAIに代替されるため、市場価値がなくなる可能性が高いです。

反対に、取材対象者から深く話を引き出せるコミュニケーション能力やヒューマンスキルを持つライター、なにより「この人の文章は面白い」と思わせるような表現力を持つライターの価値は、これまで以上に高まっていくことでしょう。

Q:プロダクトとして今後どのような価値をユーザーに提供していくのか?

 

月岡氏

A:SEOやコンテンツ制作の周辺には、まだまだ人間による手作業が多く残っています。それらの業務をどこまで効率化し、担当者の負荷を減らせるかが目下取組みたいことです。

現代のユーザーは、Google検索だけでなく、生成AIプラットフォームを使って情報収集をする機会が増えています。今後は、そうしたプラットフォーム上で自社のブランドが適切に露出しているかをモニタリングし、計測できる機能が必須になるでしょう。

どうすれば生成AIに自社のブランドやサービスをレコメンド(おすすめとして自動で提案)してもらえるのか、その示唆を与えられるような機能を順次実装し、新しい検索体験の時代においても、企業のマーケティングを強力に支援していきたいと思います。

まとめ:生成AIが切り拓く、SEOコンテンツ制作の新しいかたち

ミエルカSEOが提供する生成AI機能の最大の強みは、ペルソナ設定から見出し構成、本文執筆までを一気通貫で支援しながら、自社独自の情報を柔軟に反映できる点にあります。この「AIによるベース生成×人間による手仕上げ」という役割分担により、これまで1か月かかっていたコンテンツ制作が1日で完了するようなケースも生まれており、特にリソースが限られたマーケティング担当者にとっては強力な武器となるでしょう。

生成AIの登場によってSEOコンテンツの制作ハードルは大きく下がり、ライターに求められるスキルのあり方も変わろうとしています。同社はその変化の中で「コンテンツ制作の効率化にとどまらず、AI検索時代においても企業のブランドを正しく届けるプラットフォーム」としての進化を目指しています。生成AIを活用した新しいSEOコンテンツ制作の可能性を、ぜひ「ミエルカSEO」で体験してみてください。

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