人材紹介管理システムを選ぶ際にセキュリティ面で特に注意したいのは、求職者の個人情報を「誰が」「どの範囲まで」閲覧・操作できるかを適切に制御できるかという点です。

システム内で扱う個人情報を適切に扱うには、閲覧・捜査範囲の制御機能だけでなく、データ持ち出しリスクへの管理やベンダーの運営体制、バックアップ体制、外部連携時のセキュリティリスクへの対策も含めて総合的に確認することが大切です。

個人情報保護・セキュリティ認証

人材紹介管理システムを選ぶ際は、個人情報保護・セキュリティ認証への対応を確認することが重要です。求職者や企業の機密情報が流出しないよう、システム選定時は以下のポイントを確認しましょう。

  • 個人情報保護法を踏まえた安全管理措置を講じやすい設計・機能が備わっているか
  • 外国の第三者に個人情報を提供する場合は、委託先が個人情報保護のための適切な体制を整備しているか
  • 第三者認証(ISMS・Pマーク)を取得しているか

個人情報保護法では、個人データの取得や利用、保管、提供に関するルールが定められています(※)。個人情報保護法に準拠しているシステムは、アクセス制御やログ管理などの機能により、個人情報が適切に管理されるように設計されています。

また、個人情報を海外の事業者へ提供する場合は、その委託先が個人情報保護のための体制を適切に整えているかどうかも確認しておきましょう(※)。

また、ISMSやPマークなどの第三者認証を取得しているシステムは、国際規格やガイドラインに基づいた管理体制が整備されています。

※参考:個人情報保護法.「中小企業向け はじめての個人情報保護法~シンプルレッスン~」(参照2026-03-29)

アクセス権限管理(内部不正対策)

内部不正を防止するため、システムのアクセス権限機能の有無を確認しましょう。

人材紹介管理システムでは、求職者の氏名や経歴、年収といった機密情報を扱います。全社員が全てのデータにアクセスできる状態だと、従業員や退職者による情報の持ち出しリスクが高くなります。

対策としては、特定のユーザーのみにアクセス権を付与し、内部不正を防止することが重要です。実際の製品のユーザーレビューでも、「セキュリティ対策として権限を付けられて安心できた」といった声が見られ、選定時に意識されているポイントの一つであることが分かります。

スタッフ情報を明確に管理出来る

ログ管理・監査機能

万が一のトラブルに備えて、ログ管理・監査機能があるかどうかをチェックしましょう。

ログ管理・監査機能とは、システム上で行われた操作を記録し、後からその履歴を確認できる機能です。誰が・いつ・何のデータに触れたのかを追跡でき、インシデント対応を効率化できます。

ログの保管期間は、システムの処理能力や扱うデータの性質、社内規定、監査要件、法令に応じて適切に設定することが重要です。インシデント調査に備え、一定期間以上ログを保存できるかを確認しておきましょう。

外部連携のセキュリティ

人材紹介管理システムを既存ツールと連携させる際は、OAuthへの対応やAPIの連携制御の可否を確認しましょう。

OAuthとは、外部サービスに対してIDやパスワードを直接共有せず、必要な範囲のアクセス権限を委譲するための仕組みのことです。

OAuthを利用すると、システムは連携先に対し、特定のデータを閲覧するためのトークンを発行します。トークンは一時的に発行されるアクセス許可であり、外部ツールが閲覧できる情報を限定できるため、不正アクセスや情報漏えいのリスクを抑えられます。

また、APIごとに「閲覧のみ」や「特定の項目のみ」といった権限を細かく設定できれば、外部経由でのデータ改ざんや情報漏えいを防ぐことも可能です。

その他の連携時のセキュリティ対策として、APIキーの権限範囲の管理機能やIPアドレスの制限、外部連携ごとの権限設定などもあります。

多要素認証(MFA)

人材紹介管理システムを選ぶ際は、多要素認証(MFA)に対応しているかを確認しましょう。

多要素認証とは、以下の3つの情報を2つ以上組み合わせてログインする仕組みです。

  • 知識情報:ID/パスワード・秘密の質問・パターンロックなど
  • 所持情報:スマートフォン・SMS認証・トークンなど
  • 生体情報:指紋・顔・静脈など

ID/パスワードに加えて、スマートフォン認証や指紋認証を組み合わせれば、ログイン情報が複雑になり、不正アクセスのリスクを抑えられます。

その他、上記の情報のうち2つを組み合わせる2段階認証や、1つのID・パスワードで複数のシステムにログインできるSSO(シングルサインオン)を活用すれば、セキュリティを高めながらログイン管理の負担を軽減できます。

SSO(シングルサインオン)とは、一度のユーザー認証で連携している複数のシステムやサービスにログインできる仕組みのことです。用途に応じて多要素認証と組み合わせて活用すると、利便性とセキュリティ強化の両立が図れます。

データ削除・持ち出し管理

退職者による情報の持ち出しを防ぐため、退職時のアカウント管理を適切に行いましょう。具体的には、退職者のアカウントは退職時点で速やかに無効化し、必要に応じて一定期間後に削除する体制を整えるのがポイントです。ログ監査機能や関係者以外によるファイルダウンロードを制限できる機能があると、不正な情報持ち出しの抑止や、万が一の際の原因特定に役立ちます。

さらにセキュリティを強化するのであれば、氏名・連絡先・年収などの機微情報を、必要な担当者以外には表示しないマスキングや仮名化に対応しているかを確認しましょう。特にテスト環境や分析用途で個人情報を扱う場合は、氏名や住所などの特定の個人を識別できる情報をマスキングしたり、仮名化したりする対応が求められます。

人材紹介業務では実名情報を扱う場面が多いため、データを一律に隠すのではなく、権限に応じて閲覧範囲を制御する方が運用しやすいでしょう。

ベンダーの運用体制

求職者の機密情報を適切に保護するためにも、セキュリティリスクに備えて適切に対策を行っているベンダーを選びましょう。

セキュリティリスクへの意識が高いベンダーを見極めるには、以下のポイントを確認する必要あります。

  • 定期的なアップデートで脆弱性対策((セキュリティ上の欠陥を改善する作業)を行っているか
  • セキュリティ責任者や問い合わせ窓口が明示されているか
  • システム障害・インシデント発生時の対応が迅速か
  • 第三者認証(ISMS・Pマークなど)を取得しているか

これらの項目を確認することで、ベンダーのセキュリティ対策や運用体制の整備状況を把握できます。特にシステム障害・インシデント発生時の対応窓口があると、問題発生時にすぐ相談でき、業務への影響を抑えやすくなります。実際のITreviewに寄せられたユーザーレビューでも、「電話と遠隔操作によるサポートで困りごとを解決できた」との声が見られました。

操作のしやすさとサポート体制が充実したシステム

バックアップ・障害対策

人材紹介管理システムを選ぶ際は、データのバックアップ機能の有無と、システム障害への対策内容を確認しましょう。

データの自動バックアップ機能があると、システム障害や災害、サイバー攻撃などでデータが消失・破損した場合でも、すぐに必要な情報を復元できます。

システム障害への対策としては、障害時の目標復旧時間(RTO)や目標復旧時点(RPO)が明示されている製品を選ぶと良いでしょう。

復旧時間(RTO)とは、障害発生時からシステムを復旧させるまでに許容できる時間の目標値です。対して目標復旧地点(RPO)とは、障害発生時にどの時点までデータを復旧できれば良いかを示す目標値です。これら2点が明示されている製品なら、復旧までの流れや影響範囲を導入前にイメージできます。

まとめ:人材紹介管理システムはセキュリティ要件を整理して選定を進める必要がある

人材紹介管理システム選定時に特に重要なのは、求職者の個人情報へのアクセスを適切に制御し、その操作を追跡できることです。アクセス権限やログ管理、外部連携時の安全性など、多角的な視点でセキュリティ要件を整理してツール選定を進めましょう。万全な対策こそ、求職者と企業の情報を守る基盤となります。

セキュリティ体制が整った人材紹介管理システムを導入したい法人さまは、ITreviewで製品の口コミをぜひチェックしてみてください。

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