会議の議事録について、書記担当者が現場でタイピングを行い、終了後に内容をまとめて作成している会社も多いのではないでしょうか。社内全体に議事録を展開するのが、会議から1週間後などになっている会社も少なくないでしょう。

しかし、現代の技術を使えば、システムが自動で文字起こしをして担当者が内容をチェックするだけで、その日のうちに全体周知できます。この記事では、文字起こしを劇的に楽にするAI議事録と音声認識ツールの特徴について解説します。

文字起こしを楽にするならAI議事録や音声認識ツール

議事録やインタビューを自動で文字起こししたいなら、AI議事録や音声認識ツールなどが活用できます。まずは、各ツールの特徴について解説します。

AI議事録とは

AI議事録とは、会議や面談などの音声をAIが解析して自動で文字起こしをするツールのことです。

従来の議事録では、書記が会議の内容を手動で記録して内容をまとめる必要がありました。しかし現代では、ディープラーニングやビッグデータの活用により、膨大なデータを認識する精度が高まっており、会議内での音声をAIが解析して自動で文字起こしできる機能が進化しています。議事録の作成をサポートする機能が豊富な点も、AI議事録の特徴です。

音声認識ツールとは

音声認識ツールとは、AI議事録と同じくAIが音声を解析するツールのことです。

ただし、自動文字起こしやアプリケーションの音声操作など音声を認識することに特化しており、議事録のようなドキュメントの作成に強みがあるわけではありません。音声のテキストデータへの変換機能に強みを持っており、自動文字起こしやコンタクトセンターなどに特化したツールです。

音声認識ツールのなかには、開発向けの組み込みアプリとして活用できる製品もあります。安価に利用したいとき、専門的な分野で使用したいときに導入するのが音声認識ツールです。

AI議事録の特徴

AI議事録は、自動文字起こし・音声認識・Zoom連携・自動翻訳機能などの機能を搭載しています。次に、各機能について解説します。

キー入力の必要ない自動書き起こし

自動書き起こしとは、AIが音声を解析して自動でテキストデータへ変換する機能です。社内会議において書記担当者の作業を軽減し、会議中の発言を自動でテキストデータとして記録します。

会議が終わった後すぐに議事録を作成して、関係者全員へスピーディに情報を共有できるのがメリットです。ドキュメントとしての完成度も高まるため、読みやすい議事録の作成につながります。

AIが判断する音声認識機能

AIによる音声認識は、ディープラーニングにより近年では精度を劇的に高めており、90%以上の音声認識精度を誇るツールも多くあります。

また、業界や業種を選択することで専門用語を識別する機能を持つツールも少なくありません。金融業界や製薬会社などの専門業種でも、学習機能やパーソナライズ技術によって音声を正しく認識できます。なかには、個人の話し方のクセさえも反映する機能を持つツールもあります。

自然言語処理の発展も目まぐるしく、今までの音声認識のように不自然な日本語をそのまま放置せず、高い精度で漢字に変換したり専門用語を判別したりできます。

ZOOMやSkypeで使える連携機能

対面会議だけではなく、オンラインミーティングにも対応できるAI議事録も少なくありません。Zoom連携やSkype連携機能によってWeb会議や商談の内容を記録し、さらには多言語翻訳する機能も搭載しています。

ZoomやSkypeの画面上にリアルタイムで会議の音声がテキスト表示されるので、会話の内容を可視化でき、聞き手の理解力を高めて生産性を向上します。聴力に問題を抱えるユーザーが音声を聞き逃すことを防げるため、バリアフリーの観点からも活用できる機能です。

外国語対応の自動翻訳機能

ミーティングの音声は、AI翻訳による外国語対応も実現します。例えば、海外の担当者との会話内容をZoom連携機能により可視化することで、リアルタイムで対話相手の言語を翻訳できるため、外国語が苦手なユーザーにとっても重宝します。

翻訳したテキストデータを発音する機能も備えている製品であれば、そのままリアルタイム翻訳機として活用できるでしょう。翻訳者のスケジュールを確認する必要がなく、会議や商談が必要なタイミングですぐにWeb会議へつなげられます。

音声認識ツールの特徴

音声認識ツールは、自動書き起こし・音声認識機能・自動翻訳機能・組み込みソフトとして利用できるものがあります。それぞれの機能について解説します。

キー入力の必要ない自動書き起こし

AI議事録と同じく、音声認識ツールでも自動書き起こしの機能を利用できます。AI議事録より機能がシンプルな傾向にありますが、音声を変換したテキストデータを即座に自動生成可能です。

外国語対応の自動翻訳機能

AI議事録と同じく、音声認識ツールでも外国語対応の自動翻訳機能を利用できます。発話機能を搭載している製品もあり、翻訳ツールとして利用することも可能です。

生体認証や音声操作のソフトを組み込みできる

音声認識ツールのなかには、ソフトを組み込みして音声操作・音声解析できるシステム開発向けのツールもあります。システム開発において、難しく感じていた音声認識ツールを自社独自のシステムに導入可能です。

例えば、コミュニケーションロボットや文字起こしアプリに高性能な音声認識を導入できます。医療や講師などの専門職の方が、文字起こしソフトや翻訳アプリに生体認証や音声操作を組み込むことも可能です。

AI議事録や音声認識ツールで文字起こしを楽にしよう

AI議事録や音声認識ツールを活用すると、会議の議事録作成やインタビューが劇的に楽になります。自動文字起こしや音声認識、Zoom連携などの機能を備えている製品もあり、ビジネスの効率を高めることができます。システム開発に長けた企業であれば、専門的な機械やソフトウェアに音声認識の機能を導入できるでしょう。

国内でICT産業に関わる情報サービス業者は3,000社以上にのぼり、目的のツールを見つけるだけでも一苦労です。そのため、議事録やインタビューを自動で文字起こしするために、どのツールを選べば良いか迷われる人も多いでしょう。そこで、AI議事録や音声認識ツールの導入を検討している人は、ITreviewに多くのツールと口コミを掲載していますので活用してみてください。ユーザーの体験談を確認しながら、自社の予算や求めている機能に最適な製品を見つけられるでしょう。

この記事の執筆

ITreview Labo編集部

ITreviewの記事編集チーム。ITreviewの運用経験を活かし、SaaSやIT製品に関するコンテンツをお届けします。

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