ビジネス環境が目まぐるしく変化する昨今、ビジネスパーソンの情報収集手段もまた大きな転換点を迎えています。

令和7年にITreviewが実施した『ビジネス情報収集活動における意識調査アンケート』の報告によると、AIツールの利用率は3年前と比較して33ポイント増加したことが明らかになりました。

一方で、Google検索は依然として最も利用される情報収集手段として君臨し、X(旧Twitter)やInstagramをはじめとする各種SNS、YouTubeなどの動画メディアも着実に存在感を増しています。

本レポートでは、現代の主要な情報収集手段である「Google検索・AI検索・SNS」の利用状況を詳しく分析し、ビジネスシーンでの効果的な活用方法を模索していきます。

▶ 次回の記事:【年代・職種・役職別】ビジネス情報収集の最新トレンドを徹底分析!

利用率トップは依然としてGoogle検索が首位

情報収集手段 利用率 回答者数
Google検索 88.0% 854人
AI検索 47.3% 459人
ニュースメディア 46.7% 453人
SNS 27.0% 262人
現在(2025年)の情報収集手段の利用状況

Google検索は約9割のビジネスパーソンが利用する圧倒的な主要手段として君臨しています。これは、長年培われた検索精度の高さと情報の網羅性が評価されているためと考えられます。

一方で、ChatGPTなどのAI検索が約半数の47.3%まで急成長しており、情報収集手段の新たなスタンダードとして定着しつつあることがわかります。

SNS媒体は利用率27.0%と全体の4位にランクインしており、YouTubeなどの動画メディアも24.5%(238人)と約4人に1人が活用しているような状況です。

3年前と比較してAI利用の増加が最大の変化要因

情報収集手段 変化幅 2025年の利用率 2022年の利用率
AI検索 +33.0ポイント 47.3% 14.3%
Google検索 +14.2ポイント 88.0% 73.8%
動画メディア +10.4ポイント 24.5% 14.1%
SNS +8.1ポイント 27.0% 18.9%
現在と過去を比較した情報収集手段の変化

最も劇的な変化はAI検索の利用率で3年前の14.3%から47.3%へと33ポイントもの増加を記録しました。ChatGPTの登場により、生成AIの認知度が高まったことが背景と考えられます。

加えて、Google検索の利用率についても14.2ポイントの増加を見せており、情報収集の基盤としての地位を強固なものにしていることがわかります。

GoogleとAIを併用するユーザーは全体の42.7%に達しており、両サービスを使い分けながら効率的な情報収集を行うスタイルが主流になりつつあるようです。

実際に利用されているサービス・メディアの詳細分析

  • AIサービスの利用実態について
  • SNSプラットフォームの利用実態について
  • 各種ニュースメディアの利用実態について

AIサービスの利用実態:ChatGPTが圧倒的シェアを誇る

サービス名 回答数 主な利用シーン
ChatGPT 123件 圧倒的な利用者数と汎用性の高さが評価
Gemini 45件 Google製AIとして検索との連携性が評価
Copilot 41件 Microsoft製品との親和性で業務利用が進む
Perplexity 14件 情報源を明示する検索特化型AIとして注目
Claude 3件 高度な文章作成能力で一部のユーザーが活用
サービス・メディア名は自由記述(完全一致)

AIサービスの利用実態としては、ChatGPTが123件と他社のAIツールを大きく引き離してトップとなっており、生成AIの代名詞的存在として定着していることがわかります。以降はGeminiとCopilotが40件台で続き、大手IT企業のAIサービスが上位を占める結果となりました。

SNSプラットフォームの利用実態:X(旧Twitter)が業界標準

サービス名 回答数 主な利用シーン
X(旧Twitter) 130件 業界キーパーソンのフォローでトレンド把握
Instagram 48件 ビジュアルコンテンツからトレンド把握
Facebook 22件 ビジネスコミュニティでの情報交換
LinkedIn 4件 海外ビジネス情報や人材関連情報の収集
サービス・メディア名は自由記述(完全一致)

SNSプラットフォームの利用実態としては、X(旧Twitter)が130件とSNSのなかでも圧倒的なシェアを誇っており、SNSを活用したビジネス情報収集活動の中心的存在となっていることがわかります。業界キーパーソンのフォローやトレンド機能を活用した情報収集が多く見られました。

各種ニュースメディアの利用実態:日経とYahoo!ニュースが2強

ニュースメディア名 回答数 主な利用シーン
日経関連メディア 139件 経済やビジネス情報の基本ソース
Yahoo!ニュース 85件 幅広いジャンルの速報性重視
ITmedia 72件 IT業界の専門情報収集
NewsPicks 17件 有識者のコメント付き記事で深い理解
サービス・メディア名は自由記述(完全一致)

各種ニュースメディアの利用実態としては、日経関連メディアが139件と堂々の利用率トップに君臨しており、日経ビジネスや日経クロストレンドなど、複数の日経メディアを使い分けている実態が明らかとなりました。Yahoo!ニュースは85件で速報性と網羅性が評価されているようです。

ただし、実際の回答からは、複数のサービスを組み合わせて利用しているという回答が多く見られたため、単一のサービスに依存しているというわけではなく、目的に応じて複数のメディアを使い分けるマルチチャネルでの情報収集スタイルが主流であることがわかります。

AIを活用するようになった具体的な理由と効果

本調査では、AIツールを使い始めた理由と具体的な効果や活用シーンについても聞き取り調査を行いました。多くの意見が寄せられたなか、ここからは実際の回答を一部抜粋して紹介していきます。

AI検索を使い始めた理由(実際の回答例)

周りから使いやすいと聞いたのが利用のキッカケです。特にChatGPTは、どんどん精度が上がっているので頻繁に利用しています。

AIによる文章校正は以前から利用していましたが、いろいろな検索もできることを知り、最近では情報収集にも使うようになりました。

AI検索は既存の検索エンジンよりも検索条件の指定を詳細に行えるので、知りたいことに対してピンポイントな回答を得ることができます。

AI検索が役に立った理由(実際の回答例)

何か情報を知りたいときは、Google検索よりもChatGPTに聞けば一瞬で回答してくれるので、とても重宝しています。

A案とB案の比較について、両方のメリット・デメリットも含めて教えてくれるので、検討のスピードが圧倒的に速くなりました。

文章生成機能のおかげで仕事の負担が大幅に軽減できたと感じます。質問の仕方によって色々な回答が出てくるので、本当に便利です。

調査を通してわかったAI時代に必要な情報収集スキル

  • ①:総合的なAIリテラシーを身に付ける
  • ②:情報信頼性を評価できるスキルが必要
  • ③:ハイブリッド型の情報収集姿勢が主流

①:総合的なAIリテラシーを身に付ける

わずか3年でAI利用率が3倍以上に増加した事実からもわかる通り、AIリテラシーは今後のビジネスパーソンにとっての必須スキルです。AIとの対話を通じて新たな視点を得るなど、AIを「検索の代替」としてだけでなく「思考のパートナー」として活用することが重要です。

②:情報信頼性を評価できるスキルが必要

多様な情報源を活用する現代において、今後は情報の信頼性を見極める能力がますます重要になります。特にAIが生成する情報については、ディープフェイクなどのリスクもあるため、必ず複数の情報源からその情報の真偽を検証する習慣を身に付けることが重要です。

③:ハイブリッド型の情報収集姿勢が主流

調査で明らかになった「Google検索とAIの併用者が42.7%」という数字は、今後さらに増加することが予想されます。それぞれのツールの強みと弱みを理解して目的に応じて使い分ける、ハイブリッド型の情報収集スタイルがビジネスパーソンの基本姿勢となるでしょう。

まとめ:変化を恐れず新しいツールは積極活用することが大切

本レポートでは、現代の主要な情報収集手段である「Google検索・AI検索・SNS」の利用状況を詳しく分析し、ビジネスシーンでの効果的な活用方法を模索していきました。

いま、ビジネスにおける情報収集手段は大きな転換期を迎えています。今回の調査からもわかる通り、Google検索は依然として確固たる基盤を維持しながら、AIという新たな選択肢が急速に広がり、SNSやYouTubeなども着実に存在感を増しています。

最後に、情報収集を効果的に進めるための3つのポイントをお伝えします。

  1. 用途や目的に応じて複数の検索ツールを使い分ける
  2. 複数の情報源を組み合わせて情報の信頼性を担保する
  3. 新しいツールを恐れず小さく始めて徐々に活用の幅を広げる

次回の記事では、本レポートをさらに深堀し、Google検索・AI検索・SNSの利用状況を、それぞれの年代別・職種別・役職別に詳しく分析していきます。ぜひ次回の記事もご覧ください。

▶ 次回の記事:【年代・職種・役職別】ビジネス情報収集の最新トレンドを徹底分析!

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