「デジタルマーケティングに取り組み始めたものの思ったように結果が出ない」「マーケティングツールを完全に使いこなすよりも前に諦めてしまった」という企業は意外と多いです。

そこで本記事では、デジタルマーケティングが失敗する理由と事例を解説します。これからデジタルマーケティングに取り組む企業や、過去にデジタルマーケティングに失敗して再挑戦を考えている企業の方は、ぜひ参考にしてください。

失敗理由1:ターゲットが明確でない

デジタルマーケティングを実施するとなると、サイトのPV数の増加やSNSのフォロワーの増加などデジタルマーケティングを行うこと自体が目的となってしまっている場合があります。しかし、あくまでもデジタルマーケティングは手段であり、目的は顧客に質の高い価値を提供し、自社の売上を向上させることです。そのためには、自社の商品やコンテンツを提供するターゲットを明確に設定し、ターゲットのニーズの理解に努める必要があります。

しかし、デジタルマーケティングに失敗する企業の多くは、ターゲットが明確に定まっていない場合が多いです。ターゲットが不明確ということは、ゴールが定まっていないことを意味するため、デジタルマーケティングに失敗する可能性は必然的に高まります。

失敗理由2:施行期間が短すぎる

デジタルマーケティングにはSEO強化やSNS運用、WEB広告の活用などさまざまな取り組みがあります。しかし、どの手法を選択したとしても、一定期間は選定した手法に継続して取り組む必要があります。

デジタルマーケティングが上手く行かない企業の多くは、施行期間が短すぎる傾向にあります。そのため、デジタルマーケティングに失敗した企業は、施行期間が適切であるかを今一度確認するのがおすすめです。また、結果が出ないからといって、施策を頻繁に変更するのも失敗の原因となります。

失敗理由3:スキルが不足している

デジタルマーケティングで成果を上げるためには、マーケティングに対するスキルとマーケティングツールに対するスキルが必要です。しかし、デジタルマーケティングで失敗する企業の多くが、この2つのスキルのうちどちらかあるいは両方が大きく不足しています。そのため、社内でスキルが不足していると感じる企業は、スキル保有者を補いましょう。

最近は、サポートの手厚いマーケティングツールを提供している企業も多く存在します。また、プロの専門家によるマーケティングセミナーを開催し、マーケティングツールの使い方だけでなくマーケティングに対する知識を教えてくれる企業もあります。このような企業のマーケティングツールを活用すれば、マーケティング初心者の企業でもスキルを身に付けられます。また、マーケティングツールを使いこなせないといった失敗もなくなります。

失敗理由4:誤った手法を選択している

誤ったマーケティング手法を実行していては、望んだ成果は得られません。また、企業によって適切なマーケティング手法は異なります。たとえば、10代、20代の女性をターゲットとしている企業ではSEOを強化するよりもInstagramやYouTubeなどのSNSを強化したほうが上手く集客できる可能性が高いです。一方で、企業向けの会計サービスを提供している企業は、SNSよりもSEOを強化して検索流入でサイトへ集客したほうが効果的です。

一定期間施策を実行してみて、成果が得られないようであれば、現在実施している施策が自社にとって適しているかを検討しなおすのが良いでしょう。

失敗理由5:運用するための資産が不足している

デジタルマーケティングを運用するためには、運用資金が必要になります。しかし、サイトの開発に費用をかけすぎて運用費用が足りなくなってしまう失敗事例も少なくありません。そのため、これからサイト開発を行う企業は、あらかじめ運用に回す資金を考えたうえで、開発費用を決めましょう。

失敗事例:ZOZOSUIT

デジタルマーケティングの失敗事例としてZOZOSUITの事例を紹介します。

大手アパレルECサイトのZOZOは、2017年にZOZOSUITを発表しました。ZOZOSUITは、専用のスーツを着て、スマートフォンで撮影を行うことで、自分の詳細な体型を正確に計測できるといったサービスでした。

ZOZOは、ZOZOSUITの導入によって、ECサイトで商品を購入する際に一番のデメリットである商品の試着ができない点を解決しようと考えました。自分の体型を計測するためには、水玉のマーカーをデザインした全身タイツを着用して回転する必要がありました。しかし、着用するのが面倒、マーカーを読み取れないなどの使い勝手の悪さもあって、2022年6月にZOZOSUITはサービスが終了となりました。

このように、企業と顧客のニーズがズレていたりサービスの品質が不十分だったりすると、ZOZOSUITのように失敗する可能性が高くなります。

デジタルマーケティングの成功に必要な3つのポイント

では、デジタルマーケティングで成功するためにはどうすれば良いのでしょうか。本項では、デジタルマーケティングの成功に必要な3つのポイントを解説します。

1.目的とターゲットの明確化

デジタルマーケティングを行う目的と、デジタルマーケティングによって影響を与えたいターゲットが明確になっていない企業は高確率で失敗します。デジタルマーケティングを導入して「売上を3倍にする」「10代〜20代の女性をターゲットに施策を行う」など、デジタルマーケティングに取り組む前に一度自社内で目的とターゲットをできる限り明確にしましょう。

2.ターゲットの理解を深める

ターゲットのニーズをいかに理解しているかが、デジタルマーケティングでは重要となります。そのため、商品購入者やサービス利用者へ定期的にアンケートを実施したり、店舗を構えている企業であれば顧客に直接インタビューを行ったりするなどしてターゲットとなる顧客の理解を深めましょう。その結果をもとに、デジタルマーケティングで施策を実行していきます。

3.正しい手法を選択し、ツールに費用をかけすぎない

デジタルマーケティングツールには数多くの種類が存在し、機能や価格帯もさまざまです。しかし、高額すぎるツールは、運用コストがかさむため注意が必要です。

最近は、安価な月額で利用できるマーケティングツールが非常に充実しています。また、無料お試し期間がついているツールもあるため、無料期間で自社に向いているツールか見極めるのも良いでしょう。デジタルマーケティングの手法の選択に困ったときは、一度プロの専門家にアドバイスをもらうのもおすすめです。

焦らず着実にデジタルマーケティングに取り組もう

デジタルマーケティングで成功するためには、一定期間時間がかかります。本記事で紹介した失敗理由の多くが、デジタルマーケティングで成果が出るまでの時間を少なく見積もってしまったことによる失敗です。そのため、デジタルマーケティングを実施する際は、焦らず着実に取り組みましょう。

この記事の執筆

慈雨(ジウ)

ライター

エンジニアの経験やアパレルECサイト運営の経験を活かして、ITやファッション、ECサイト関連の記事をメインで執筆しています。シュークリームとスニーカーを愛しています。

この記事の監修

ITreview Labo編集部

ITreviewの記事編集チーム。ITreviewの運用経験を活かし、SaaSやIT製品に関するコンテンツをお届けします。

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