生体認証せいたいにんしょう
・正式名称:biometrics authentication(バイオメトリクス認証)
概要
生体認証(biometrics authentication)とは、指紋や静脈、顔、手形、声など、身体の一部やそれに準ずる要素を使って本人確認に用いる認証方式のこと。IDとパスワードの組み合わせなど暗証番号の認証方式に比べ、原理的に他人による「なりすまし」が難しいのがメリットである。
特徴
生体認証の最大のメリットは、個人の生体情報を認証手段に採用することにより第三者の「なりすまし」がほぼ不可能になるため、不正アクセスや侵入の防止などセキュリティを強固にできる点である。また、認証情報の管理負担や漏洩リスクを軽減できるというメリットもある。
ただし、生体情報は体調や怪我によって常に変化するため認証精度に個人差が出る場合や、パスワード入力やカード認証リーダーに比べてセンサーを備えた特殊な機器が必要になるため、導入コストが高くなるというデメリットなどがある。
利用されるシーン・解決できる課題
生体認証は、金融機関のATMや重要施設の入退室、キャッシュカード、パスポート(入出国時)、ノートパソコンのユーザー認証など、特に厳重なセキュリティが求められるシーンで採用されている。また近年では、装置の小型化やコンピュータの性能、生体情報を読み取るセンサー技術の進歩により、スマートフォンやノートパソコンなどの携帯情報端末での利用者認証などにも広がっている。
現時点では生体認証には課題も存在するが、各種サービスのオンライン化やデジタル化が進む世の中において、今後ますます普及していくものと思われる。