コリジョンこりじょん
・正式名称: collision
概要
コリジョン(collision)とは、激突、衝突、対立の意から、IT分野では、ネットワーク上の同一伝送路にて複数の端末がデータを送信し衝突することをいう。コリジョンが発生すると、通信に遅延が生じる。
特徴
初期のイーサネットの規格である10BASE5/10BASE2では、1本の伝送媒体を複数の機器が利用する半二重通信であり、複数の機器が同時に送信を行なってしまうとコリジョンが発生してしまう。そのため1本の伝送媒体をどのように制御し使うかを決めコリジョンを避ける方式としてCSMA/CD(Carrier Sense Multiple access with Collision Detection)が実装された。CSMA/CDは伝送路の状況を監視し、あらかじめ他の端末の通信があるかを検知する。通信がある場合は、送信を待機し、改めて送信することでコリジョンを回避する。
1990年規格化された10BASE-T(1995年規格化された100BASE-TX)以降は送信受信が同時に行える全二重通信となり、行き先を振り分けてくれるレイヤ2スイッチを介しての伝送となりコリジョンは発生しない。
無線LANの場合は、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)という方式でコリジョンを回避するが、電波の通りにくい障害物があるとコリジョンを起こしてしまう(隠れ端末問題)。そのため、データ送信の許可を求めて、データの送信を許可するRTS/CTS(Request To Send/Clear to Send)という通信制御方式を加えたCSMA/CA with RTS/CTSによってコリジョンを回避している。