MTUえむてぃーゆー

・正式名称: Maximum Transmission Unit

概要

MTU(Maximum Transmission Unit)とは、コンピュータやルータなどのノード(node)が隣接したネットワークに対して1回の通信で送信可能な最大のデータサイズのこと。

MTUのサイズ、MTU値は、ネットワークインターフェイス層の通信メディアによって、その大きさが異なる。

MTU値を超えるデータを送信する場合、ホストやネットワーク機器がデータを送信可能なMTU値以下に分割、変換(フラグメンテーション)し送信する。

特徴

TCP/IPにおいてTCPでは、通信開始時にホスト間で伝送可能なデータの最大サイズを確認し、ホスト側で適切なデータサイズにフラグメンテーションして送信する仕組みがあるが、UDPにはこの仕組みがなく経路途中の各機器が各々のMTUに応じてフラグメンテーションを実行することになる。

送信元と送信先が離れている場合、経路が複数存在しMTUの異なる機器が混在する可能性がある。そのため、中継するネットワーク機器が分割しないで送信できるMTUを探すPath MTU Discovery(経路MTU探索)という技術が導入されている。特にIPv6(IPバージョン6)では送信データの分割をしない仕様となっているためデータ転送の高速化につながる。

利用されるシーン・解決できる課題

MTUは、範囲内であれば任意に設定できる値である。ネットワーク回線が安定している環境ではMTU値を上げることで効率的にデータを転送することができる。逆に品質の悪い回線の場合、MTU値を低くすることでエラーの発生を回避することで通信効率をあげることができる。

一般ユーザの場合、パソコンなどのOSのMTU値をインターネット回線のMTU値に合わせることで安定した通信が可能となる。