スクラムすくらむ
・正式名称: Scrum
概要
スクラム(Scrum)とは、経験主義とリーン思考に基づいたアジャイルソフトウェア開発手法で、チームが一丸となって短期間で価値を生み出すための方法論のこと。スクラムチームは、プロダクトオーナー・開発チーム・スクラムマスターで構成され、サブチームや階層は存在しない。チームメンバーは自己組織化されており、機能横断的であることから、システム開発における複雑な問題に対応が可能である。
歴史
スクラムは、1986年の野中郁次郎と竹内弘高による日本企業の製品開発プロセスに関する「The New New Product Development Game」という論文に由来し、ケン・シュウェイバー(Ken Schwaber)とジェフ・サザーランド(Jeff Sutherland)が1995年のOOPSLA(Object-Oriented Programming, Systems, Languages & Applications)カンファレンスにおいて、過去数年間で学んだことを共同発表した。その後30年以上かけて開発、進化したものをスクラムガイドとして文書化している。
〈特長〉
スクラムは、1ヶ月以内の決まった期間を1つのスプリントととらえ、1つのスプリントを終えると次の新しいスプリントに移行する。ロダクトに必要だと把握しているものをすべて順番に並べた一覧であるプロダクトバックログと、スプリントで取り組む個別のタスクに分解したスプリントバックログを活用しながら、スプリント単位で開発ゴールに対する進捗管理を行い、検証をすることで、次に取り組む作業の明確化、優先順位付けにより効率的かつ顧客満足度の高い開発が可能となる。
スプリントの期間が長すぎると、複雑さが増しリスクが高まる可能性があり、短くすることでコストや労力のリスクを短い時間枠に収めることができる。
スプリントは、スプリントプランニング(実行する計画を立てる)、デイリースクラム(計画された作業の調整と進捗の検査)、スプリントレビュー(スプリントの成果の検査)、スプリントレトロスペクティブ(スプリントの品質と効果を高める計画)を含んだプロダクト開発のゴールを達成するための必要な作業である。