【2025年】NoSQLデータベースのおすすめ10製品(全11製品)を徹底比較!満足度や機能での絞り込みも
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NoSQLデータベースの基礎知識
NoSQLデータベースとは、リレーショナルデータベース以外の構造を持つデータベースの総称のことです。構造が柔軟で、スキーマレスでのデータ管理が可能であり、急速に変化するデータ構造や大規模なデータ処理に強みがあります。
スケーラビリティに優れたデータ構造を備えている点が大きな利点で、ビッグデータ分析、IoT、モバイルアプリ、ゲーム、ECサイトなど、多様な分野での活用が進んでいます。事例としては、NetflixがCassandraを採用してユーザーの視聴履歴をリアルタイムに記録し、AmazonがDynamoDBを用いてショッピングカート情報を高速に処理しています。
NoSQLデータベースの定義
・非定型データの格納に対応可能な、柔軟かつ動的なデータモデルを利用できる
・データスキーマ/戦略の大幅な見直し、あるいはパフォーマンスの低下をともなわずに、データベースのスケーリングが可能
・ビッグデータ運用にも耐えうる大容量データ処理を実現できる
- NoSQLデータベースの機能一覧
- 主なデータモデル
- NoSQLデータベースの比較ポイント
- ①:データモデルの種類で比較する
- ②:スケーラビリティと分散性で比較する
- ③:データの一貫性と整合性で比較する
- ④:クエリ機能と使いやすさで比較する
- ⑤:エコシステムやサポート体制で比較する
- NoSQLデータベースの選び方
- ①:自社の解決したい課題を整理する
- ②:必要な機能や選定基準を定義する
- ③:定義した機能から製品を絞り込む
- ④:レビューや事例を参考に製品を選ぶ
- ⑤:無料トライアルで使用感を確認する
- NoSQLデータベースの価格・料金相場
- クラウド型(マネージドサービス)の価格・料金相場
- オンプレ型(セルフホスト型)の価格・料金相場
- NoSQLデータベースの導入メリット
- 柔軟なデータ構造への対応
- 優れたスケーラビリティと高可用性
- 高速な書き込み性能
- NoSQLデータベースの導入デメリット
- トランザクション制御の制限
- SQL互換性の欠如
- 技術習得コストの高さ
- NoSQLデータベースの導入で注意すべきポイント
- データモデリングの難易度
- モニタリングとバックアップ体制
- オーバースペックな選定リスク
- NoSQLデータベースの最新トレンド
- マルチモデルデータベースの普及
- AI/MLとの連携ニーズの増加
- エッジコンピューティングへの最適化
- サーバーレスアーキテクチャ対応
- グローバル分散クラウドの標準化
- NoSQLデータベースと関連のあるソフトウェア
NoSQLデータベースの機能一覧
主なデータモデル
機能 |
解説 |
---|---|
キー・バリュー型 | キーに関連付けられた「名前」と「値」の一対でデータを単純に蓄積するキー・バリュー型を提供する |
カラムストア型 | カラム(列)ごとにデータを扱う構造で展開する |
グラフ型 | ノード(エンティティ)、エッジ(リレーション)、プロパティ(キー・バリュー形式による属性)の構造でデータのつながりを示す |
ドキュメント型 | JSONやXMLなどの半構造化スキーマにもとづく関連付けられたメタデータを含むドキュメントをそのまま格納する |
NoSQLデータベースの比較ポイント
NoSQLデータベースの比較ポイント
- ①:データモデルの種類で比較する
- ②:スケーラビリティと分散性で比較する
- ③:データの一貫性と整合性で比較する
- ④:クエリ機能と使いやすさで比較する
- ⑤:エコシステムやサポート体制で比較する
①:データモデルの種類で比較する
NoSQLデータベースの比較ポイントの1つ目としては「データモデルの種類で比較する」というものが挙げられます。ドキュメント型、カラム型、グラフ型、キー・バリュー型など、構造が多様であることがNoSQLの特徴です。
適切なモデルを選定しないと、データ構造とのミスマッチが発生し、パフォーマンスの低下や実装コストの増加を招きます。例えば、複雑なリレーションを持つデータにはグラフ型が有効であり、セッション情報など単純なアクセスにはキー・バリュー型が適しています。
②:スケーラビリティと分散性で比較する
NoSQLデータベースの比較ポイントの2つ目としては「スケーラビリティと分散性で比較する」というものが挙げられます。特に分散型アーキテクチャを採用することで、データ量やアクセス数の増加にも柔軟に対応できます。
スケーラビリティが不十分な製品を選ぶと、ピーク時のパフォーマンス不足やダウンタイムにつながる恐れがあります。具体的には、CassandraやDynamoDBは高い分散処理能力を持っており、グローバル展開するサービスにも適しています。
③:データの一貫性と整合性で比較する
NoSQLデータベースの比較ポイントの3つ目としては「データの一貫性と整合性で比較する」というものが挙げられます。CAP定理の制約により、可用性や分散性を高める代わりに、一貫性を緩める設計が一般的です。
一貫性が重要なユースケースで整合性の低いシステムを選んでしまうと、データの信頼性が損なわれるリスクが高まります。MongoDBは強い整合性をオプションで提供し、アプリケーションの要件に応じて柔軟な選択が可能です。
④:クエリ機能と使いやすさで比較する
NoSQLデータベースの比較ポイントの4つ目としては「クエリ機能と使いやすさで比較する」というものが挙げられます。SQLと同様の文法をサポートしているか、GUIが整備されているかは、開発効率や導入スピードに直結します。
クエリ言語が難解なものや、サードパーティツールとの連携が乏しい場合、習得コストが上がり、導入後の運用が非効率になってしまいます。Couchbaseなどは、SQLライクなN1QLクエリを備えており、既存DBスキルの活用が可能です。
⑤:エコシステムやサポート体制で比較する
NoSQLデータベースの比較ポイントの5つ目としては「エコシステムやサポート体制で比較する」というものが挙げられます。ドライバやフレームワークとの連携、公式・コミュニティサポートの充実度は、開発の安心感を左右します。
エコシステムが脆弱な製品を導入すると、問題発生時の対応に時間がかかり、トラブル解決が困難になる可能性があります。MongoDBやFirebaseなどはドキュメントが充実しており、導入企業も多いため安心して利用できます。
NoSQLデータベースの選び方
NoSQLデータベースの選び方
- ①:自社の解決したい課題を整理する
- ②:必要な機能や選定基準を定義する
- ③:定義した機能から製品を絞り込む
- ④:レビューや事例を参考に製品を選ぶ
- ⑤:無料トライアルで使用感を確認する
①:自社の解決したい課題を整理する
NoSQLデータベースの選び方の1つ目のステップとしては「自社の解決したい課題を整理する」というものが挙げられます。可用性重視なのか、リアルタイムな集計が必要なのかなど、利用目的の明確化が鍵です。
方向性が定まらないまま製品を選定すると、導入後に要件を満たせないといったミスマッチに陥るリスクがあります。たとえば、レコメンド機能の強化を目的とするならグラフDBの検討が有効です。
②:必要な機能や選定基準を定義する
NoSQLデータベースの選び方の2つ目のステップとしては「必要な機能や選定基準を定義する」というものが挙げられます。データ更新頻度、書き込み量、可用性要件などを事前に洗い出しておきましょう。
要件定義が不十分だと、性能不足やスケーラビリティの欠如に直面するおそれがあります。API対応やインデックス機能、マルチリージョン対応など、利用シーンに応じた要件をリスト化することが重要です。
③:定義した機能から製品を絞り込む
NoSQLデータベースの選び方の3つ目のステップとしては「定義した機能から製品を絞り込む」というものが挙げられます。要件に優先順位を付けて、候補製品を段階的に削減していきます。
候補が多すぎると情報収集が煩雑になり、判断が曖昧になって選定ミスにつながるリスクがあります。たとえば、分析用途が主目的であれば、ElasticsearchやApache HBaseなどに絞り込むと効率的です。
④:レビューや事例を参考に製品を選ぶ
NoSQLデータベースの選び方の4つ目のステップとしては「レビューや事例を参考に製品を選ぶ」というものが挙げられます。業界やユースケースが近い事例は特に参考になります。
評判が良くても、自社の用途と合致しなければ、運用トラブルやコスト超過の原因となりかねません。導入事例ではスケーリング方法や障害時の対応、運用ノウハウにも注目することがポイントです。
⑤:無料トライアルで使用感を確認する
NoSQLデータベースの選び方の5つ目のステップとしては「無料トライアルで使用感を確認する」というものが挙げられます。テスト環境でパフォーマンスや運用性を実際に確認しましょう。
試用しないまま本番環境に導入すると、操作性や制限事項に気づかず後悔するリスクがあります。MongoDB AtlasやFirebase Realtime Databaseなどは無償枠が用意されており、トライアル導入がしやすい環境が整っています。
NoSQLデータベースの価格・料金相場
NoSQLデータベースの料金体系としては、「クラウド型(マネージドサービス)」と「オンプレ型(セルフホスト型)」の2つに大別されます。
サービス形態 | 初期費用 | 月額料金目安 | 主な提供サービス例 |
---|---|---|---|
クラウド型 | 0円〜数万円 | 0円〜数十万円 | MongoDB Atlas、Amazon DynamoDB、Google Firestore |
オンプレ型 | 無料〜数万円 | サーバー維持費・人件費 | CouchDB、Redis、Cassandra |
クラウド型(マネージドサービス)の価格・料金相場
クラウド型のNoSQLデータベースの料金相場としては月額0円から数十万円となる場合が一般的です。
基本的な利用は無償枠から開始できるサービスも多く、スモールスタートが可能です。MongoDB AtlasやGoogle Firestoreでは、無料枠から始めて、実際のアクセス量やストレージ使用量に応じて課金される従量課金制が採用されています。初期費用を抑えつつスケーラブルな運用が可能な点が最大の魅力です。
オンプレ型(セルフホスト型)の価格・料金相場
オンプレ型のNoSQLデータベースは、初期費用は抑えられるものの、サーバー構築や運用に関するコストが発生します。
CassandraやRedisなどのOSSは無料で利用可能ですが、ハードウェア、保守人員、セキュリティ対策などの運用負担が大きくなる点は考慮すべきポイントです。クラウドと比較して自由度は高いものの、TCO(総所有コスト)は高くなる傾向にあります。
NoSQLデータベースの導入メリット
NoSQLデータベースの導入メリット
- 柔軟なデータ構造への対応
- 優れたスケーラビリティと高可用性
- 高速な書き込み性能
柔軟なデータ構造への対応
NoSQLデータベースのメリットの1つ目としては「柔軟なデータ構造への対応」というものが挙げられます。リレーショナルデータベースと異なり、スキーマレスでのデータ保存が可能です。
構造変更が頻繁に発生するアプリケーションでは、固定スキーマが制約となることが多いですが、NoSQLであればリアルタイムに構造を変えながら開発・運用が可能です。ドキュメント型のMongoDBでは、各レコードが独立したJSON形式で保存され、複雑なオブジェクトの格納に向いています。
優れたスケーラビリティと高可用性
NoSQLデータベースのメリットの2つ目としては「優れたスケーラビリティと高可用性」というものが挙げられます。クラスタ構成により、ノードを追加するだけで容易に拡張できます。
CassandraやDynamoDBなどは水平分割(シャーディング)によって、数百万〜数十億件のデータを高速処理できる能力を持ちます。ミッションクリティカルなシステムや、グローバルに展開するアプリケーションには特に有効です。
高速な書き込み性能
NoSQLデータベースのメリットの3つ目としては「高速な書き込み性能」というものが挙げられます。インデックスやトランザクションの制約が少ない分、高速な挿入・更新が可能です。
リアルタイム分析やログ収集、センサーデータの蓄積など、大量の書き込みを伴うワークロードに最適です。事例としては、ゲーム会社がRedisを活用し、ユーザーのアクションをミリ秒単位で記録するなどの活用が進んでいます。
NoSQLデータベースの導入デメリット
NoSQLデータベースの導入デメリット
- トランザクション制御の制限
- SQL互換性の欠如
- 技術習得コストの高さ
トランザクション制御の制限
NoSQLデータベースのデメリットの1つ目としては「トランザクション制御の制限」というものが挙げられます。ACID特性を持たない設計が多く、整合性の確保に工夫が必要です。
金融や在庫管理など、一貫性が重要な業務には不向きであり、外部ロジックで補う必要があります。MongoDBは近年トランザクションをサポートし始めていますが、RDBと比較すると制約が多い点は否めません。
SQL互換性の欠如
NoSQLデータベースのデメリットの2つ目としては「SQL互換性の欠如」というものが挙げられます。従来のSQLスキルを持つ開発者にとっては、クエリ構文や設計思想にギャップがあります。
これにより学習コストや開発工数が増加する可能性があります。SQLライクなクエリが可能なN1QLやJPQLを備える製品もありますが、すべてのNoSQLでの互換性は期待できません。
技術習得コストの高さ
NoSQLデータベースのデメリットの3つ目としては「技術習得コストの高さ」というものが挙げられます。分散処理や非正規化設計など、特有の知識が求められる場面が多く存在します。
適切な運用設計ができないと、性能低下やシステムトラブルの原因になります。エンジニアの育成や社内ナレッジの蓄積が導入時の重要な要素となるでしょう。
NoSQLデータベースの導入で注意すべきポイント
NoSQLデータベースの導入で注意すべきポイント
- データモデリングの難易度
- モニタリングとバックアップ体制
- オーバースペックな選定リスク
データモデリングの難易度
NoSQLデータベースの導入で注意すべきポイントの1つ目としては「データモデリングの難易度」というものが挙げられます。正規化されていない構造では、設計が属人化しやすくなります。
設計ミスがパフォーマンスの低下やデータ重複の原因となり、後からの修正が困難です。特にドキュメント型では、同一ドキュメントに多くの属性が含まれるため、バージョン管理や拡張性を考慮する必要があります。
モニタリングとバックアップ体制
NoSQLデータベースの導入で注意すべきポイントの2つ目としては「モニタリングとバックアップ体制」というものが挙げられます。フルマネージドサービスでない場合、監視や災害対策は自己責任になります。
適切な体制を構築しないと、障害発生時の復旧が困難になります。監視ツールの導入や定期的なスナップショット取得など、運用体制の整備は導入初期から検討すべき項目です。
オーバースペックな選定リスク
NoSQLデータベースの導入で注意すべきポイントの3つ目としては「オーバースペックな選定リスク」というものが挙げられます。機能が豊富な製品を選んだ結果、コストや運用負担がかえって増加するケースがあります。
軽量なワークロードに対して過剰な性能を持つデータベースを選定すると、費用対効果が悪化するリスクが高まります。用途に応じて必要十分な性能を持つ製品を見極めることが重要です。
NoSQLデータベースの最新トレンド
NoSQLデータベースの最新トレンド
- マルチモデルデータベースの普及
- AI/MLとの連携ニーズの増加
- エッジコンピューティングへの最適化
- サーバーレスアーキテクチャ対応
- グローバル分散クラウドの標準化
マルチモデルデータベースの普及
NoSQLデータベースの最新トレンドの1つ目としては「マルチモデルデータベースの普及」というものが挙げられます。1つのエンジンで複数のデータモデルに対応する動きが加速しています。
開発効率や保守性の向上に寄与し、柔軟なアプリケーション設計が可能となります。ArangoDBやOrientDBは、ドキュメント型とグラフ型を統合的に扱える代表例です。
AI/MLとの連携ニーズの増加
NoSQLデータベースの最新トレンドの2つ目としては「AI/MLとの連携ニーズの増加」というものが挙げられます。リアルタイムな学習データ収集や特徴量の保存に適しているため、AIプロジェクトでの利用が進んでいます。
データの前処理や予測結果の格納などで高速かつスケーラブルなストレージ基盤として重宝されており、MongoDBはAtlas Vector SearchなどのAI向け機能を強化しています。
エッジコンピューティングへの最適化
NoSQLデータベースの最新トレンドの3つ目としては「エッジコンピューティングへの最適化」というものが挙げられます。分散型のアーキテクチャは、地域分散環境との親和性が高いです。
データのローカル処理によって遅延を最小化し、リアルタイム性を確保できます。Cloudflare Workers KVやFirebase Edge DBなど、新しい技術の登場が加速しています。
サーバーレスアーキテクチャ対応
NoSQLデータベースの最新トレンドの4つ目としては「サーバーレスアーキテクチャ対応」というものが挙げられます。開発者はインフラ管理から解放され、ビジネスロジックに集中できます。
課金もリクエストベースの従量制が一般的であり、運用負荷の軽減とコスト最適化が実現できます。Firebase Realtime DatabaseやAmazon Aurora Serverlessなどがその代表例です。
グローバル分散クラウドの標準化
NoSQLデータベースの最新トレンドの5つ目としては「グローバル分散クラウドの標準化」というものが挙げられます。世界中に分散したユーザーに低遅延でデータを提供する仕組みが求められています。
DynamoDB Global TablesやCosmos DBなどは、自動レプリケーションやリージョン間の整合性制御を備えており、多国籍展開する企業にとって不可欠な選択肢となっています。
NoSQLデータベースと関連のあるソフトウェア
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