法務部担当者の中には、契約書の作成に負担を感じている人も多いでしょう。契約書作成などの法務業務を効率化したいなら、AI技術を活用した「AI契約書レビュー」の導入がおすすめです。
本記事では、AI契約書レビューを使って効率化できる法務業務や費用感をご紹介します。自社に合った製品を選ぶポイントも解説しますので、法務業務の効率化に役立ててください。
目次
AI契約書レビューで効率化できる3つのポイント
AI契約書レビューは、契約書作成の課題改善を通して法務業務をサポートしてくれるのが魅力です。まずは、AI契約書レビューはどんな機能を搭載しており、具体的にどんな課題を解決できるのか見ていきましょう。
1.不足項目・不足条項のチェック
情報化社会になった影響もあり、コンプライアンスや法律を意識した企業活動が必要になっています。そのため、契約書を作成する際には、十分な知識と入念な検討が必要です。しかし、企業によって法務業務に関わる担当者の知識やスキルが異なることから、不足項目・不足条項が出てしまう場合があります。
AI契約書レビューがあれば、不足項目・不足条項を瞬時に判断してくれます。契約書の情報不足によって、トラブルが発生する場合もあります。AI契約書レビューは、トラブルのリスクを可視化するサポートツールとして利用可能です。
2.自社が不利となる条項のチェック
e-GOVに掲載されている「DB登録法令数」によると、2022年12月時点において日本では2,000以上の法律が制定されています。企業は定められた法律を理解したうえで契約書を作成する必要がありますが、自社が不利になる条項を入れてしまう可能性があるでしょう。
AI契約書レビューを導入すれば、自社が不利となる情報を自動でチェックしてくれます。不利になりそうな文面の抜粋や抽出によって、契約後の不利益を回避できるでしょう。
3.修正作業
AI契約書レビューでは、提案機能を利用できます。例えば、作成中の契約書に関連する条項を法律の中から見つけ出して提案してくれるほか、AIが指摘した項目の置き換え案を提示してくれるのが特徴です。
担当者個人で修正対応を行う場合、法律の検索やチェックに大幅な時間を要します。AI契約書レビューがあれば、瞬時に修正例をチェックできることから、急ぎの契約書もスムーズに作成できるでしょう。
AI契約書レビューの費用感
法律関係を取り扱うAI契約書レビューは、細かいリーガルチェックを実施するため、高額なイメージがあります。しかし、実際には無料で利用できるものやお得に利用できるものもあります。
条件を絞れば無料サービスを利用できる
あまり予算をかけられない場合には、無料サービスを利用してみてください。無料のAI契約書レビューは、簡易的なリーガルチェックを実施できることから、性能を確認したいときにもおすすめです。ただし、提案機能といった便利な機能が制限されているので、業務の一部でしか活用できないことに注意が必要です。
有料サービスは機能が異なるため比較検討すべき
AI契約書レビューを最大限に活用したいなら、有料サービスを導入しましょう。サービスによって金額が違うため、公式サイトで費用を公開している2つのサービス費用を以下に整理しました。
▼有料AI契約書レビューの種類と費用感
サービス名称 | 料金 | 特徴 |
LeCHECK | 要お問い合わせ | 無料トライアルあり・Wordアドインオプションあり |
GVA assist | 1ID当たり50,000円/月 |
無料デモあり・オプション費用なし |
それぞれのサービスは、利用できる人数や機能数、サポート体制などが異なります。どのサービスが自社に合っているか、導入前に比較検討しましょう。
AI契約書レビューを選ぶ際に考慮したい点
AI契約書レビューを法務業務に導入する予定があるなら、製品選びの一環として比較検討を行いましょう。AI契約書レビューで比較すべきポイントを3項目に分けて整理しましたので、自社が抱える課題や予算を考慮しつつ製品選びの参考にしてください。
自社が抱える課題を解決できるか
製品を比較する際には、自社の課題を解決できるか確認してください。なぜなら、法務業務に関わる担当者によって、契約書作成の課題が異なるからです。
例えば、契約書作成のコストや難易度といった課題を明確にしましょう。課題は1つだけに絞るのではなく、2、3個ほど抽出しておけば、各製品を点数付けしやすくなります。
利用頻度に対する費用に納得できるか
企業によっては、契約書を取り交わす回数が少ない場合もあるでしょう。AI契約書レビューの費用が現状のコストを上回ってしまうと、さらなる負担が生まれてしまいます。
よって、製品選びを行う際には、利用頻度に伴う現状のコストを明確にして、製品の費用と比較しましょう。法務業務の効率化のためには、費用対効果を生み出すAI契約書レビューが必要です。有料サービスで目的の製品が見つからないなら、無料プランの利用をおすすめします。
自社の契約類型・準拠法に対応しているか
企業によって、取り交わす契約書の内容が異なります。業種や取引先によっても変わるでしょう。AI契約書レビューは、対応する契約類型や準拠法が異なる場合があります。まずは、自社が取り扱う契約書の内容を把握したうえで、製品を選びましょう。また、提供サイトに詳しい情報が記載されていないなら、問い合わせページから事前に確認しておくことをおすすめします。
AI契約書レビューの注意点
AI契約書レビューはリーガルチェックを効率化する便利なサービスです。ただし、活用において注意すべきことが2つあります。
- チェックできる契約内容に限界がある
- 人間による最終チェックが必要
投資契約や事業譲渡契約といった特殊な契約書に対応していないAI契約書レビューも多いので、導入前に確認しておきましょう。また、AI契約書レビューを利用すれば、チェックや提案を効率化できます。しかし、すべてをAIに任せてしまうと、契約の意に沿わない条項を追加してしまう場合があるので注意してください。AI契約書レビューは法務業務のサポートサービスであることから、最終チェックは人間の手で行う必要があると覚えておきましょう。
AI契約書レビューを導入して契約書チェックを楽にしよう
AI契約書レビューを導入すれば、知識や経験を要する法務業務を効率化できます。特に、契約書作成の中で発生するミスに対して、AIが条項のチェックや提案を行ってくれるのが魅力です。ただし、製品によって費用感が異なるため、本記事で紹介した比較ポイントを参考に、自社の課題を解決するサービスを見つけてください。