【2025年】テープストレージのおすすめ8製品を徹底比較!満足度や機能での絞り込みも

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テープストレージとは?

テープストレージとは、磁気テープを記録媒体として使用したデータを保管するための装置やシステムのことを指します。

データストレージの中でも、ハードディスク(HDD)などのディスクストレージは、短期的なデータの保管に適していますが、テープストレージは、主に企業が保有する大容量のデジタルデータのバックアップデータやアーカイブデータを長期間保存するために利用されるストレージです。

現代ではサイバー攻撃が頻繁に発生しているため、高いデータ保護性能を備えたテープストレージが広く使用されており、障害発生時のデータの復旧に加えて、アーカイブ用途として長期的な記録と保管にもテープストレージが活用されています。

テープストレージの基礎知識

テープストレージとは、磁気テープを記録媒体として使用したデータを保管するための装置やシステムのことを指します。

データストレージの中でも、ハードディスク(HDD)などのディスクストレージは、短期的なデータの保管に適していますが、テープストレージは、主に企業が保有する大容量のデジタルデータのバックアップデータやアーカイブデータを長期間保存するために利用されるストレージです。

現代ではサイバー攻撃が頻繁に発生しているため、高いデータ保護性能を備えたテープストレージが広く使用されており、障害発生時のデータの復旧に加えて、アーカイブ用途として長期的な記録と保管にもテープストレージが活用されています。


テープストレージの機能一覧
基本機能
テープストレージの比較ポイント
①:対応フォーマットの種類
②:最大容量とスループット
③:信頼性とエラーレート
④:保管寿命と保存環境
⑤:導入・運用コスト
テープストレージの選び方
①:自社の解決したい課題を整理する
②:必要な機能や選定基準を定義する
③:定義した機能から製品を絞り込む
④:レビューや事例を参考に製品を選ぶ
⑤:無料トライアルで使用感を確認する
テープストレージの価格・料金相場
オンプレ型テープストレージの価格・料金相場
クラウド連携型の価格・料金相場
テープストレージの導入メリット
長期保管に適した保存寿命の長さ
災害・サイバー攻撃への高い耐性
データ保存単価の安さ
テープストレージの導入デメリット
リアルタイムアクセスの難しさ
初期投資・保管スペースの確保
運用ノウハウや管理手間の必要性
テープストレージの導入で注意すべきポイント
世代互換性と移行戦略の明確化
定期検証とメディア更新の実施
BCP(事業継続計画)との整合性
テープストレージの最新トレンド
LTO-9・LTO-10の普及と高速化
オフラインバックアップ需要の増加
ハイブリッドアーカイブ構成の拡大
カーボンニュートラル対応の促進
テープライブラリの自動化・ロボット化

テープストレージの機能一覧


基本機能

機能 解説
バックアップ ファイル単位・ディスク領域単位など必要な単位で、フルバックアップ・差分バックアップを行うことができる。スケジュールを設定した自動バックアップも可能
リストア 取得したバックアップデータを使って、バックアップ取得時点の状態に復旧することができる
データ圧縮 データを圧縮して保存することで効率的にデータを格納し、データの保管コストを削減することができる
暗号化 ハードウェアを暗号化することで、バックアップデータを保護し、セキュリティを確保することができる


テープストレージの比較ポイント

テープストレージの比較ポイント

  • ①:対応フォーマットの種類
  • ②:最大容量とスループット
  • ③:信頼性とエラーレート
  • ④:保管寿命と保存環境
  • ⑤:導入・運用コスト

①:対応フォーマットの種類

テープストレージの比較ポイントの1つ目としては「対応フォーマットの種類」というものが挙げられます。テープにはさまざまな規格が存在しており、特にLTO(Liner Tape-Open)規格が業界標準として広く採用されています。

対応フォーマットを誤って選定すると、読み出し互換性のないテープドライブを導入してしまうという致命的な失敗につながる可能性があります。LTOであれば下位互換(読み出し2世代前まで)がありますが、それ以外の独自規格ではそうした保証がないこともあるため、将来的な運用性や他社との互換性を考慮して、業界標準規格を選ぶことが重要です。

②:最大容量とスループット

テープストレージの比較ポイントの2つ目としては「最大容量とスループット」というものが挙げられます。現在主流のLTO-9では、1巻あたり非圧縮で18TB、圧縮時で最大45TBまで保存可能であり、大容量ファイルのバックアップにも十分対応できます。

スループット(データ転送速度)も重要な指標で、LTO-9であれば最大400MB/秒(非圧縮)という高速性を誇るため、日次や週次のバックアップ作業でも時間を短縮できます。容量が足りないテープを選定した場合、頻繁なメディア交換が発生し作業効率が大きく低下するため、事前のデータボリュームの見積もりが欠かせません。

③:信頼性とエラーレート

テープストレージの比較ポイントの3つ目としては「信頼性とエラーレート」というものが挙げられます。テープは構造的に衝撃や温度変化に弱いため、記録エラーや読み出し不能となるリスクもあります。

そのため、BER(Bit Error Rate)の低さが非常に重要な評価基準となり、LTOでは10のマイナス19乗という高信頼性を実現しています。信頼性の低いメディアを選んでしまうと、いざというときにデータが復旧できないという致命的なリスクを招く可能性があるため、スペックシートでBERや検証試験の有無を確認することが不可欠です。

④:保管寿命と保存環境

テープストレージの比較ポイントの4つ目としては「保管寿命と保存環境」というものが挙げられます。テープの保管寿命は一般的に30年程度とされており、低温・低湿度・直射日光を避けた適切な環境で保管することで、長期間データの劣化を防げるのが特徴です。

しかしながら、適切な保存環境を確保できない場合、磁気が劣化し読み取りエラーが発生するリスクがあるため、温湿度管理された専用ラックや耐火保管庫などの設備投資も含めて検討する必要があります。

⑤:導入・運用コスト

テープストレージの比較ポイントの5つ目としては「導入・運用コスト」というものが挙げられます。1GBあたりの単価はHDDやSSDと比べても極めて安価ですが、テープドライブやライブラリの初期投資、保管設備、人件費など、周辺環境を含めたトータルコストで比較することが重要です。

特に、データ量が数十TBを超えるような企業にとっては、ランニングコストの安さが決定的な要因になることも多く、クラウドストレージやディスク型バックアップとの比較において、TCO(総保有コスト)で優位性を示せるかが判断の分かれ目となります。

テープストレージの選び方

テープストレージの選び方

  • ①:自社の解決したい課題を整理する
  • ②:必要な機能や選定基準を定義する
  • ③:定義した機能から製品を絞り込む
  • ④:レビューや事例を参考に製品を選ぶ
  • ⑤:無料トライアルで使用感を確認する

①:自社の解決したい課題を整理する

テープストレージの選び方の1つ目のステップとしては「自社の解決したい課題を整理する」というものが挙げられます。たとえば、災害対策としてのオフラインバックアップが目的なのか、法定保存期間への対応が目的なのかによって、求める要件はまったく異なります。

課題の整理を怠ると、オーバースペックな製品を導入してコストが無駄になる、あるいは機能不足で運用に支障が出るといった事態が起こり得ます。目的を明確にすることで、ストレージの導入理由と方向性が定まり、最適な製品選定の土台となります。

②:必要な機能や選定基準を定義する

テープストレージの選び方の2つ目のステップとしては「必要な機能や選定基準を定義する」というものが挙げられます。具体的には、保存容量・転送速度・暗号化対応・マウント自動化など、自社にとって不可欠な要件を事前に整理することが重要です。

選定基準が曖昧なままでは、比較対象の優劣を適切に判断できず、選定の過程が迷走してしまいます。要件を明確にすることで、判断基準が明確となり、比較と絞り込みの精度が格段に向上します。

③:定義した機能から製品を絞り込む

テープストレージの選び方の3つ目のステップとしては「定義した機能から製品を絞り込む」というものが挙げられます。例えば、LTO-9の読み書きが必要であれば、対応していない旧世代製品は候補から除外されます。

最小要件を満たした製品をリストアップし、その中からコストや信頼性、保守性を評価していくというステップが重要です。闇雲に候補を広げるよりも、要件ベースで段階的に選定することで、効率的かつ確実な製品選定が可能になります。

④:レビューや事例を参考に製品を選ぶ

テープストレージの選び方の4つ目のステップとしては「レビューや事例を参考に製品を選ぶ」というものが挙げられます。導入事例や第三者レビューを参照することで、製品の信頼性や運用時の実態が明らかになり、失敗のリスクを低減できます

特に、「メディアの耐久性」「サポート体制」「障害発生時の対応」などは、カタログスペックでは判断しにくいため、実運用に即した情報の収集が非常に有効です。

⑤:無料トライアルで使用感を確認する

テープストレージの選び方の5つ目のステップとしては「無料トライアルで使用感を確認する」というものが挙げられます。一部の企業では、LTOドライブのトライアル貸出や、管理ソフトウェアの試用版を提供している場合があります。

実際にデータを書き出し、読み出すまでの操作感や速度、ソフトウェアのUIなどを体験することで、導入後のミスマッチを防ぐことができます。操作性や運用の手間も含めた確認が、最終的な判断材料として極めて重要です。

テープストレージの価格・料金相場

テープストレージの料金体系としては、初期導入コストが高いものの長期的には低コストな「オンプレ型(買い切り型)」が主流です。また、クラウドと連携したハイブリッド型の登場により、コストと柔軟性のバランスを取る選択肢も増えています。

価格帯 テープ媒体 テープドライブ ライブラリ装置 特徴
低価格 1万円前後/LTO-7 20万円〜50万円 非搭載 中小規模バックアップに最適
中価格 1.5万円〜2万円/LTO-8 50万円〜80万円 小型ライブラリあり 日次バックアップや定期アーカイブに対応
高価格 2万円超/LTO-9 100万円以上 大型オートローダー 大規模データセンター向け

オンプレ型テープストレージの価格・料金相場

オンプレ型のテープストレージの価格相場としては、テープメディア単体では1巻あたり1〜3万円が一般的です。特にLTO-8やLTO-9といった高容量モデルでは価格が高めになります。

ドライブ装置は20万円〜100万円程度、テープライブラリ(オートローダー)は数百万円に上ることもあります。初期導入費は高額になりますが、運用コストが非常に低いため長期的に見るとTCOに優れた選択肢となります。

クラウド連携型の価格・料金相場

最近では、オンプレ型のテープストレージとクラウドサービスを組み合わせたハイブリッド型も登場しています。AWSやGoogle Cloudなどが提供するテープ相当のアーカイブストレージ(例:Glacierなど)は、1GBあたり0.5〜1円以下で利用できるケースもあり、スケーラブルで柔軟な利用が可能です。

ただし、読み出し時に高額なデータ転送費が発生することもあるため、読み取り頻度の少ない長期保管データに限定して利用するのが合理的です。

テープストレージの導入メリット

テープストレージの導入メリット

  • 長期保管に適した保存寿命の長さ
  • 災害・サイバー攻撃への高い耐性
  • データ保存単価の安さ

長期保管に適した保存寿命の長さ

テープストレージのメリットの1つ目としては「長期保管に適した保存寿命の長さ」というものが挙げられます。磁気テープは適切な環境であれば30年以上のデータ保持が可能とされており、法定保存が求められる業種では理想的なメディアです。

具体的には、金融業界の決算書類や医療業界のカルテ、行政文書など、改ざんや消失が許されない情報のアーカイブに多く採用されています。

災害・サイバー攻撃への高い耐性

テープストレージのメリットの2つ目としては「災害・サイバー攻撃への高い耐性」というものが挙げられます。テープは電源を必要とせず、物理的に切り離されたオフライン環境に保管できるため、ランサムウェアなどの攻撃を受けにくいのが特徴です。

事例として、東日本大震災ではサーバやHDDは損傷を受けましたが、別拠点に保管されたテープメディアによって業務復旧が迅速に進んだケースも報告されています。

データ保存単価の安さ

テープストレージのメリットの3つ目としては「データ保存単価の安さ」というものが挙げられます。1GBあたり数銭という圧倒的な低価格で大量データを保管でき、ディスクやクラウドに比べてTCOを大幅に抑えられる点が企業にとって魅力です。

特に、監視カメラ映像やIoTセンサーデータなど、再利用頻度が低いアーカイブデータの保管先として非常にコスト効率が高いといえます。

テープストレージの導入デメリット

テープストレージの導入デメリット

  • リアルタイムアクセスの難しさ
  • 初期投資・保管スペースの確保
  • 運用ノウハウや管理手間の必要性

リアルタイムアクセスの難しさ

テープストレージのデメリットの1つ目としては「リアルタイムアクセスの難しさ」というものが挙げられます。テープは逐次アクセス(シーケンシャルアクセス)が前提であり、必要なデータに即座にアクセスすることは困難です。

そのため、頻繁な読み書きが求められる用途には適さず、保管目的に限った運用が前提となります。動画編集などのリアルタイム性が求められる業務にはディスクやSSDを併用する必要があります。

初期投資・保管スペースの確保

テープストレージのデメリットの2つ目としては「初期投資・保管スペースの確保」というものが挙げられます。テープドライブや専用ライブラリの導入には数十万〜数百万円の初期費用がかかり、メディアの物理保管にも専用ラックや耐火保管庫が必要になるケースがあります。

これらのスペースがオフィス内に確保できない場合には、外部保管サービスの利用が必要になるため、管理コストが増加する要因となります。

運用ノウハウや管理手間の必要性

テープストレージのデメリットの3つ目としては「運用ノウハウや管理手間の必要性」というものが挙げられます。テープはドライブやメディアの取り扱いに注意が必要で、書き込み順序や保存条件を誤るとデータ損失のリスクが高まります

さらに、定期的な検証や再書き込みによるデータの劣化対策も必要となるため、専門的な知識や経験を有するIT担当者の存在が不可欠です。

テープストレージの導入で注意すべきポイント

テープストレージの導入で注意すべきポイント

  • 世代互換性と移行戦略の明確化
  • 定期検証とメディア更新の実施
  • BCP(事業継続計画)との整合性

世代互換性と移行戦略の明確化

テープストレージの導入で注意すべきポイントの1つ目としては「世代互換性と移行戦略の明確化」というものが挙げられます。LTOなどの規格では、読み取りは2世代下まで、書き込みは1世代下までという制限があります。

そのため、長期間にわたる運用では、将来的に新規ドライブで古いテープが読めなくなる可能性があるため、定期的なデータ移行が必須となります。導入段階からロードマップを設計することが極めて重要です。

定期検証とメディア更新の実施

テープストレージの導入で注意すべきポイントの2つ目としては「定期検証とメディア更新の実施」というものが挙げられます。長期保管中にメディアが劣化して読み取り不能になるケースを防ぐには、定期的な読み出し検証や、経年劣化を見越した再書き込み(リフレッシュ)が必要です。

この作業を怠ると、保管データがいざという時に読み出せないというリスクが発生します。スケジュールと責任者を明確にした管理体制の構築が求められます。

BCP(事業継続計画)との整合性

テープストレージの導入で注意すべきポイントの3つ目としては「BCP(事業継続計画)との整合性」というものが挙げられます。災害時のデータ復旧体制の一環としてテープを利用する場合、遠隔地保管や外部委託サービスとの契約状況など、全体の復旧シナリオに沿った設計が重要です。

テープを使っていても、保管場所が本社ビル内であれば災害リスクを分散できません。BCPポリシーと連携したデータ配置戦略の見直しが欠かせません。

テープストレージの最新トレンド

テープストレージの最新トレンド

  • LTO-9・LTO-10の普及と高速化
  • オフラインバックアップ需要の増加
  • ハイブリッドアーカイブ構成の拡大
  • カーボンニュートラル対応の促進
  • テープライブラリの自動化・ロボット化

LTO-9・LTO-10の普及と高速化

テープストレージの最新トレンドの1つ目としては「LTO-9・LTO-10の普及と高速化」というものが挙げられます。LTO-9では最大45TB(圧縮時)の大容量と400MB/sの転送速度を実現しており、大規模なデータアーカイブに対応する性能を確保しています。

LTO-10以降ではさらなる容量増加と転送速度向上が見込まれており、AIやIoT、自動運転などの分野におけるデータ保管ニーズへの対応が加速しています。

オフラインバックアップ需要の増加

サイバー攻撃の高度化により、ネットワークから完全に切り離せるオフラインバックアップの重要性が再認識されています。テープはその特性上、ランサムウェアによる暗号化リスクを回避できる最終防衛線として多くの企業に導入されています。

政府や自治体でも推奨されるようになっており、デジタル庁もオフライン媒体の併用をBCP対策として提示しています。

ハイブリッドアーカイブ構成の拡大

クラウドとテープストレージを組み合わせた「ハイブリッドアーカイブ構成」が注目されています。クラウドでの利便性と、テープの低コスト・耐久性を両立するアーキテクチャとして、大企業や官公庁を中心に導入が進んでいます。

具体的には、アクセス頻度の高いデータはクラウドへ、アーカイブ用データはテープへ保存するといった棲み分けがされています。

カーボンニュートラル対応の促進

電力消費の少ないテープストレージは、データセンターのCO2排出削減に大きく貢献できる手段として、環境配慮の観点でも注目されています。

特に欧米では、カーボンニュートラルを意識したストレージポリシーとしてテープの導入を加速する動きが顕著であり、グローバル企業にとってはESG対応の一環となっています。

テープライブラリの自動化・ロボット化

テープストレージの最新トレンドの5つ目としては「テープライブラリの自動化・ロボット化」というものが挙げられます。ロボットアームによる自動マウント・アンマウントや、AIによるアクセススケジューリングの導入が進み、人的コストを抑えつつ運用効率を最大化できるようになっています。

このような自動化機能により、24時間無人運用が可能となり、大量データの保管運用がよりスムーズに実現できる環境が整いつつあります。

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