リモートワーク推進により、IT資産は企業の目の届かないところで利用されることが多くなりました。また、DX(デジタルトランスフォーメーション)化により扱うべきIT機器が増え、セキュリティ対策の重要性が大きくなっています。

そうした遠隔業務や、広範囲なIT機器のセキュリティ対策に有効なのが「ログ管理システム」です。パソコンやスマートデバイス、サーバーなどのログ(操作情報)を管理することにより、さまざまなメリットが得られます。この記事では、ログ管理が持つ5つのメリットについてご紹介します。

メリット1.内部要因によるセキュリティ事件を防げる

「セキュリティ事件の原因といえばサイバー攻撃」と考えている方も多いでしょう。しかし実際はサイバー攻撃ではなく、内部要因こそがセキュリティ事件の大半を占める原因です。

JNSA(日本ネットワークセキュリティ協会)の調べでは、2018年に報告された情報漏洩のうち約80%が内部要因とされています。

参考:2018年 情報セキュリティインシデントに 関する調査結果 ~個人情報漏えい編~ (速報版)|JNSA

つまりサイバー攻撃対策をいくら行なっても、内部要因対策を行わなければセキュリティリスクは一向に減少しないのです。

一方、ログ管理は端末ごとの操作情報を収集・分析し、セキュリティリスクや不正を見抜くことができるため、内部要因によるセキュリティ事件を防げるようになります。

メリット2.普段は気づかないサイバー攻撃を検知できる

ログ管理で防げるのは内部要因によるセキュリティ事件だけではありません。社内システムがサイバー攻撃を受けた場合、端末やシステムが普段とは違った挙動を見せることが多々あります。しかし、その挙動は巧妙に隠されることが多いため、操作画面を見つめるだけではサイバー攻撃を検知できません。

ログ管理ならウイルスなどがバックグラウンドで動作していても、操作画面ではなくログ(操作情報)でその挙動を検知できます。定期的にログ監視を行なっていれば、普段は気づくことのできないサイバー攻撃も検知できるようになるのです。

実際のところ、サイバー攻撃を受けた企業の多くは外部機関の提言によって攻撃の事実を初めて知るケースが多いので注意してください。

メリット3.セキュリティ事件の発生原因を究明できる

セキュリティ事件が発生した場合は、実害が出たか否かに関わらず発生原因を細かく究明しなければいけません。これには、同じパターンによる攻撃を防ぐため、異なるパターンの攻撃を予測するため、顧客への説明責任を果たすためという3つの理由があります。

ログ管理を活用すれば、セキュリティ事件が発覚した時点からログを遡ることで、根本的な発生原因を突き止めることができます。将来的に発生するセキュリティ事件を防ぎ、実害が発生した場合は顧客に対して誠実な態度で接することができるようになります。

メリット4.内部統制の強化で社会的信用をアップする

ログ管理は内部統制の強化にも有効的です。ログを定期的に監視していることを組織全体が知っていれば、従業員は就業規則やセキュリティポリシーをしっかりと守り、セキュリティリスクが低減します。

これはセキュリティ事件の発生を防ぐだけでなく、社会的信用のアップにも効果的です。昨今ではセキュリティ対策が不足している中小企業のシステムを踏み台にし、大手企業のシステムに侵入するサイバー攻撃も起きています。

取引先企業のセキュリティ対策に敏感な時代なので、ログ管理によって社会的信用をアップすれば案件獲得の後押しにもなるでしょう。

メリット5.リモートワーク実施時の勤怠管理に使える

リモートワークでは、多くの社員がIT管理者の目の届かないところで仕事をしています。こうしたリモートワーク実施時に懸念されるのはセキュリティ対策だけではありません。

「社員がやるべき業務を遂行しているか」を確認できないことも大きな課題の1つです。業務に関係のない端末操作は生産性を下げるだけでなく、セキュリティにも影響します。こうした状況下で社員1人ひとりの勤怠管理を行うには、ログ管理の導入しかありません。

リモートワークに特化したログ管理なら、各社員が何をしているのかダッシュボードのようにわかりやすく情報を表示してくれます。勤怠管理にも活用できるため、リモートワークにおいても仕事に対する気持ちを引き締める効果があります。

ログ管理なら幅広いセキュリティ対策をカバー

セキュリティ対策には、決して安くはないコストがかかります。社内システム全体を完璧にカバーしようとすれば、それこそいくらかかるかわかりません。

一方、まずはログ管理だけでも導入すれば幅広いセキュリティ対策をカバーし、内部要因からサイバー攻撃までさまざまなセキュリティリスクを低減することができます。

もちろんリモートワーク実施時の勤怠管理にも活用できるので、今や多くの企業にとってログ管理は必須機能です。セキュリティやリモートワークにさまざまな課題を抱えている方は、この機会にログ管理機能を搭載したシステム導入をご検討しましょう。

この記事の執筆

CASITOMO

ライター

夫婦Webライター。2013年に夫婦で独立し、10,000本以上のSEOコンテンツを企業オウンドメディアに提供。夫は元通訳・翻訳家、妻は元アパレルマネージャー。映画鑑賞とバスケ、週末ベイキングが共通趣味。

この記事の監修

ITreview Labo編集部

ITreviewの記事編集チーム。ITreviewの運用経験を活かし、SaaSやIT製品に関するコンテンツをお届けします。

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