FAQとは「よくある質問とその回答を集めたもの」という意味であり、近年ではFAQを充実させることがカスタマーサポートの業務効率化や、お客様の満足度向上に欠かせない要素となっています。

FAQを作る際はWebサイトに直接掲載する方法もありますが、おすすめは「FAQシステムを使う方法」です。FAQシステムには業務効率化や満足度向上を達成するために、検索結果の分析を行う機能なども揃っているため戦略的なFAQが可能になるのです。この記事では、システムの選び方や機能などについて詳しくご紹介します。

FAQツールの特徴を確認

顧客や従業員が抱えている疑問・問題を素早く解決するFAQ(よくある質問とその回答)を作成するためのツールです。従来のIT運用におけるケースを研究し、特色を持った製品が揃います。大きく分類すると3つに分けることができます。

1.顧客問い合わせ型のFAQツール

顧客からの問い合わせ件数が多く、よくある質問に対する回答を効率化したい場合に使用するFAQツールです。カスタマーサポートの業務効率化だけでなく、顧客が抱えている疑問・問題を素早く解決し、顧客満足度の向上にも貢献できます。

2.社内問い合わせ型のFAQツール

経理や総務などのバックオフィス部門、あるいは社内IT部門で利用されることの多いFAQツールです。従業員からの問い合わせ対応により、業務効率の低下を感じている部門に導入することで生産性向上を目指すことができます。

3.ナレッジ蓄積型のFAQツール

主にコールセンターで利用されるFAQツールです。顧客からの問い合わせに回答する際に、知識が不十分な状態では満足度を損ねる可能性があります。そこで、「ナレッジ蓄積型」に製品やサービスに関するさまざまな知識・情報を蓄積し、オペレーターがいつでも参照できる状態を整えます。また、トークマニュアルや過去の対応事例といった情報も管理できます。

FAQツールの導入メリット

FAQツールを導入することで得られる大きなメリットとは、やはり「業務効率化」です。顧客あるいは従業員からの問い合わせにおいて、同じような質問ばかりに回答することに辟易している部門担当者は少なくありません。さらに、繰り返される同じような質問のせいで、本業のための時間を費やしていることが大問題だと言えます。

そのままでは当該部門の生産性だけでなく、問い合わせをする従業員の生産性も上がりません。また、本当に重要な問い合わせに時間をかけることができなくなるため、対応品質と顧客満足度も一向に上がらないことでしょう。

FAQツールの最たるメリットは「業務効率化」ですが、その副次効果は会社全体のビジネスや顧客満足度向上など、さまざまなところに波及するのです。

FAQツールの選び方

多くの企業に欠かせないFAQツールですが、選び方を間違えてしまうと業務効率化やその他の効果を引き出せなくなる可能性があります。ここではFAQツール選びにおける3つのポイントをご紹介するので、製品選定時の参考にしてみてください。

ポイント1.FAQのスタイルは自社運用に適しているか?

前述のように、FAQツールには大きく分けて3つのタイプがあります。まずは自社にとって必要なFAQツールがいずれか1つのタイプなのか、あるいは2つ以上のタイプなのかを検討しましょう。

さらに検討すべきは、「Webサイト型」と「チャットボット型」のどちらを導入するかです。Webサイト型は質問の検索性が高く、長文回答にも適しています。一方、チャットボット型はLINEやWebサイト上にチャットツールを導入でき、対話形式での回答が得意です。

ビジネスモデルや提供している製品・サービス、顧客の傾向などによってどちらを導入すべきか異なるため、じっくり検討する必要があります。

ポイント2.FAQのメンテナンスは手軽に行えるのか?

FAQは一度作って終わりではありません。顧客や従業員、オペレーターがFAQをどのように利用しているか、回答に対する満足度は高いかなどを知った上で、定期的に改善していく必要があります。

そのため、FAQのメンテナンスが手軽に行えるかどうかも、FAQツールを選ぶポイントの1つです。「インターフェース(操作画面)が分かりやすい」あるいは「サポート体制がしっかりしているか」を重視してみてください。

ポイント3.FAQ以外に効率化したい業務はあるのか?

FAQツールの中には、CRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援システム)など、他のITツールと連携できる製品があります。FAQに加えてそれ以外の業務も効率化したい場合は、連携性の高いFAQツールを選ぶのがポイントです。

既存のITツールと連携したい場合は、そのFAQツールが連携に対応しているかどうかを事前に調査しておきましょう。

おすすめFAQツール3選

最後に、おすすめのFAQツールを3つご紹介します。いずれもユーザー企業が多く、定評のあるFAQツールです。3ツールを比較しながら、FAQツール選びの際の参考にしてみてください。

1. zendesk

zendeskはカスタマーサポートやサービスを管理するための総合的なツールです。FAQ作成機能も高く評価されており、FAQ作成が容易であることに加えてリッチなデザインにカスタマイズできます。また、FAQコンテンツを40以上の言語にローカライズできるため、グローバル企業にも適しています。

2. coorum

coorumは国内の大手クラウドサービスでの導入事例が多い、カスタマーサクセスによる顧客ロイヤルティの最大化を目的とした総合的なツールです。ウィザード形式、テンプレートの利用によってFAQを容易に作成でき、チャットボットの利用も可能です。また、CRMやSFAなどの外部ツールとも連携できます。

3.Intercom

Intercomは海外中心に導入されているカスタマーサポートの総合ツールです。容易にFAQを作成する機能はもちろんのこと、Webサイト上にリアルタイムのチャットサポート機能を実装したり、顧客ごとにパーソナライズされたサポートを提供したりできます。顧客満足度向上に集中したい企業におすすめのFAQツールです。

問い合わせ業務を効率化すれば、対応の質が上がる!

問い合わせ業務の効率化、対応品質と顧客満足度の向上、それらによるビジネスのステップアップはFAQツールによって達成できます。

「繰り返される同じ質問に辟易している部門担当者が多い」、あるいは「対応品質と顧客満足度の向上が急務である」と感じているのならば、FAQツールの導入を前向きに検討しましょう。

この記事の執筆

CASITOMO

ライター

夫婦Webライター。2013年に夫婦で独立し、10,000本以上のSEOコンテンツを企業オウンドメディアに提供。夫は元通訳・翻訳家、妻は元アパレルマネージャー。映画鑑賞とバスケ、週末ベイキングが共通趣味。

この記事の監修

ITreview Labo編集部

ITreviewの記事編集チーム。ITreviewの運用経験を活かし、SaaSやIT製品に関するコンテンツをお届けします。

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