ソースコードやシステムの変更履歴を管理するソースコード管理・バージョン管理は、開発現場に欠かせない存在です。
いまや多くの開発現場で行われているソースコード管理、バージョン管理ですが、2つの違いについて正確に理解している方は少ない印象です。そこで、本記事では、ソースコード管理とバージョン管理の違いについて解説します。ソースコード管理を行うメリットや開発現場において目的やルールが大切な理由も記載しているため、ぜひ参考にしてください。
ソースコード管理とは
ソースコード管理とは、システム開発において、ソースコードの変更履歴を管理することです。ソースコード管理を行うシステムのことをソースコード管理システムと言い、世界中の開発現場で活用されています。
バージョン管理とは
バージョン管理とは、システムの変更履歴を管理することです。バージョン管理を行うシステムのことをバージョン管理システムと言い、一般的に、ソースコード管理は、バージョン管理システムを用いて行われます。そのため、ソースコード管理とバージョン管理は、全くの別物というわけではありません。
ソースコード管理は、ソースコードの変更履歴を管理することであるのに対して、バージョン管理は、システム全体の変更履歴を管理するといった違いがあります。そのため、バージョン管理の中にソースコード管理が含まれるといった考え方が正しいでしょう。
バージョン管理には、以下の3種類に分類されます。
単独型
自分のローカル端末上でバージョン管理を行います。自分以外の人は、アクセスできないため、自分専用のリポジトリ(ファイルや変更履歴を置く場所)です。複数人で開発を進めるプロジェクト向きではないため、今ではあまり使用されることはありません。
集中型
サーバー上に存在するリポジトリを複数の開発者がリモートから操作して、バージョン管理を行います。サーバーに接続していないとコミットできないのが、集中型の特徴です。
分散型
サーバー上に存在するリポジトリを複数の開発者が自分のローカル端末に複製し、変更結果をそれぞれの開発者がリポジトリにマージすることで、バージョン管理を行います。集中型とは異なり、分散型は、サーバーに接続されていないオフライン状態でもリポジトリを操作できる点が特徴です。
以前は、「CSV」「Subversion」などの集中型がメジャーでしたが、複数人での開発のしやすさや管理のしやすさから「Git」「Mercurial」など分散型が一般的になりつつあります。
ソースコード管理を行うメリット
本項目では、ソースコード管理やソースコード管理ツールのメリットをご紹介します。具体的なメリットは、以下の通りです。
ソースコード履歴の保持
ソースコード管理を行うことで、ソースコードの変更履歴を保持できます。開発現場では、日々ソースコードが更新されていきます。ソースコード管理を行えば、簡単に以前のソースにロールバック可能なため、後からソースを戻したくなった場合でも簡単に戻せます。
開発に専念できる
ソースコード管理ツールを使用すれば、簡単にソースコード管理が可能です。そのため、プログラマーやエンジニアは開発に専念できます。また、GUIで操作可能なソースコード管理ツールも複数あるため、コマンドが分からない初心者の方でも簡単にソースコード管理ができます。
コミュニケーションの円滑化
ソースコード管理を行うことで、プロジェクトメンバー同士でソース情報を共有することができます。また、ソースコードをコミットする際には、コミットコメントを記載するため、ソースにどのような修正を加えたかをチームメンバーが確認できます。このようにソースコード管理ツールの活用には、プロジェクトメンバー同士のコミュニケーションを活性化させる効果があります。
オープンソースのツールも豊富
ソースコード管理ツールの中には、無料で利用できるオープンソースツールも豊富に存在します。そのため、コストをかけることなく、ツールの導入が可能です。
ソースコード管理・バージョン管理でルールが大切な理由
ソースコード管理やバージョン管理は、大抵の場合ツールを用いて、プロジェクトチーム単位で管理します。そのため、管理のルールが定まっていないとソースが頻繁に競合したり、先祖返りしたりしてしまう恐れがあります。競合や先祖返りが発生すると、解決に時間がかかり開発に割く時間が少なくなってしまいます。プロジェクトでルールを決めて管理することで、競合や先祖返りを防ぐように努めましょう。
ソースコード管理ツールを調べてみよう
ソースコード管理とバージョン管理の理解が深まった方は、ソースコード管理ツールを調べてみましょう。ソースコード管理ツールを導入すると、生産性の向上につながります。
ソースコード管理ツールを調べる際は、ITreviewのサイトがおすすめです。ツールの詳細な情報を見られるだけでなく、製品ランキングや無料の製品を知ることができます。ソースコード管理やバージョン管理についてしっかりと知識を身につけて、プロジェクトに適した製品を導入しましょう。