マーケティング手法が多様化したことで、昔から慣習的に行われてきたマーケティング施策の中には時代遅れと呼ばれるものもあります。その代表例と言えるのが、ダイレクトメールです。電子メールやSNS、Web広告が主流となった現在は、積極的に用いられることも少なくなってきました。

しかしメールマーケティングの観点から言えば、多様な手段を併用するメリットは大きく、ダイレクトメールも使い方次第で依然として効果が期待できます。本記事ではダイレクトメールの活用方法や、メールマーケティングを実践する上でのポイントについて解説します。

ダイレクトメール(DM)とは

ダイレクトメールは、見込み客に対して手紙や封筒を送付し、商品の案内や新サービスの紹介を行うための手法です。メールなどとは異なり紙を使って情報を発信するため、メールアドレスではなく送り先の住所を知っておく必要があります。

ダイレクトメールは特定の個人に対して手紙を送る施策のため、不特定多数に配るチラシとは少し扱いが異なります。

ダイレクトメールは時代遅れなのか?

紙媒体を使ったマーケティング手法は以前であれば頻繁に行われてきましたが、インターネットが普及した現在は下火になりつつあります。紙媒体は発行コストや郵送コストがかかる上に、そもそもポストを見る習慣がない人にとっては読まれもしないためです。

また、SNSや電子メールでも同じような役割を果たせるため、わざわざDMを紙で送る必要はないと考える企業は増えています。しかし、ダイレクトメールはデジタルが普及した今だからこそ新しい価値を生み出している媒体でもあり、一概に「ダイレクトメールは時代遅れ」と言い切ってしまうのも早計です。

メールマーケティングのメリット

ダイレクトメールを含めた、メールを使用したマーケティング手法をメールマーケティングと呼んでいます。メールマーケティングの良いところは、見込み客のメールアドレスや住所が分かれば案内を送付できるため、営業担当者が直接訪問する必要がなく、コストパフォーマンスに優れている点です。

電子メールであればメールの開封率やリンクのクリック率を測定できるため、どれくらい効果が出ているのか、何を改善すればよいのか分かりやすいのもメリットです。チラシやWeb広告とは異なり、アドレスや住所と他の個人情報を紐づけておけば、誰にどんな案内を送るべきかというパーソナライズされた情報を提供できます。

メールマーケティングの主な方法

メールマーケティングの主な手法としては、以下4つの方法が挙げられます。それぞれの特徴について確認しましょう。

メルマガ

メルマガは、メールマーケティングのスタンダードな施策の1つです。定期的に商品紹介やサービスの紹介情報をまとめ、あらかじめ把握している見込み客のメールアドレスに向けて発信します。キャンペーンや新商品の展開など、大きなイベントがあった際に一斉送信して注目度を高めることもできます。

ステップメール

ステップメールは、以前に資料請求をしてくれた見込み客や、商品を購入してくれた顧客に対して送信するメールです。商品に関する追加情報を提供したり、前回購入した商品の新しいバージョンが新たに登場したことを伝えたりすることで、新規契約やリピーターの確保を促します。

商品購入者に対しての商品レビューの依頼や、サンキューメールの送信もステップメールの一種で、顧客との関係を強化するきっかけづくりに役立ちます。

リターゲティングメール

リターゲティングメールは、特定の条件に当てはまる見込み客に対して、条件ごとに用意したシナリオに基づくメールを送り、新規顧客の獲得や興味関心を集めるための施策です。

例えばオンラインショップに訪問したが、商品をカゴに入れたまま決済していないユーザーに対して「お買い忘れの商品はありませんか?」と購入を促したり「新たにクーポンが付与されました」と来店を促したりする施策が挙げられます。

購入の意図が初めはあったが途中でなくなってしまったユーザーに再度興味を持ってもらう、あるいは購入をうっかり忘れていたユーザーの買い忘れを防止する効果が期待できます。

ダイレクトメール(DM)

DMは上でも紹介した通り、ダイレクトメール施策全般を指します。ダイレクトメールを見込み客個人に送付することで、詳細なサービス情報を提供するのに役立ちます。

通常のチラシとは異なり、立派な封筒に手紙が入っていたり、質の高い紙を使って案内を提供したりすることで、特別な招待状を手渡されたような感覚を与えられる点もDMならではのメリットだと言えます。

成果につながるメールマーケティングのポイント

メールマーケティングを成功に導く上では、その使い方を工夫することも大切です。ここでは、メールマーケティングのポイントを3つ解説します。

効果測定と改善のサイクルを確立する

メールマーケティングはただメールを送って終わりではなく、メールを送ったことでどんな効果が得られたかということを正しく把握する必要があります。

メールの開封率や商品の購入率を測定し、目標の数値は達成できたか、どうすれば更なる改善効果が得られるかということを丁寧に検証しましょう。

デジタルとアナログ手法を併用する

メールマーケティングはデジタル手法が主流ですが、ダイレクトメールのようなアナログ手法も依然として有効です。デジタルだけ、アナログだけではなく、どちらも必要に応じて使い分けることで、高いマーケティング効果を発揮できます。

デジタルを使えていない場合にはデジタル施策に、アナログを使えていない場合はアナログ施策の可能性に注目し、適切な運用方法を検討してみましょう。

中長期的な運用を前提とする

メールマーケティングはいずれも短期で効果が出る施策ではないため、中長期的な運用効果を見込むのが妥当です。短期での成果を求める場合、Web広告などを使って改善効果を期待しましょう。

ツール活用でメールマーケティングの効果を高めよう

メールマーケティングは近年活躍している代表的な施策ですが、ダイレクトメールのようなアナログ手法も併用することで、より高い効果を期待できます。メールマーケティングの効果を最大限高めるためにも、各施策の違いや強みを理解し、適切なタイミングで施策を展開することが大切です。

また、メールマーケティングの効果を高めるためには、各社が提供しているツールを利用するのも1つの方法です。ITreviewでは、各メールマーケティングツールの特徴や口コミを多数掲載しています。メールマーケティングの成果が上がらずに悩んでいる方は、ツールを比較した上で導入を検討してみてください。

この記事の執筆

ITreview Labo編集部

ITreviewの記事編集チーム。ITreviewの運用経験を活かし、SaaSやIT製品に関するコンテンツをお届けします。

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