製品の製図・設計をコンピュータ上で支援するツールとして、幅広い業界で普及されているCADソフト。使用するCADソフトの種類や用途によってPCに求めるスペックも大きく変わってくるため、導入の際はPCのスペック確認が欠かせません。
本記事では、CADの利用に適したPCスペックの目的に合わせた選び方を解説いたします。
CADソフトの起動・操作に必要なスペックを把握し、効率の良いPC選びを進めましょう。
総合的に高いスペックのPCがおすすめ

この項目では、CAD用PC選びをする際のポイントを5つご紹介します。
なお、必要とされるPCスペックはCADソフトによって異なるので、下記でご紹介する内容はあくまで目安として、CAD用PC選びの参考にしてください。
■メモリ
PCのメモリは、なるべく8GB以上のものを選ぶようにしましょう。
CAD起動中はメモリの消費が大きくなります。操作開始時は操作に対する反応が速い状態でも、操作を進めるにつれて反応が遅くなりだんだんとPCが動かなくなってくることがあります。
メモリが不足しているとディスプレイの表示が粗くなり、CADが強制終了してしまうこともあるので、メモリは8GB以上を推奨します。特に3Dモデリングデータを扱う場合は、16GBなどの大きなメモリが必要です。
■CPU
データ処理の中核を担うCPU。メモリ同様、大きなデータを使用するのに適した高性能のものを選ぶのがベストです。
CAD用PCにおすすめのCPUは、Intel(インテル)のCore i5あるいはCore i7です。他にも、XeonはCADデータのバックアップができるため、企業でCADソフトを利用する場合におすすめです。
■グラフィックボード
解析度を上げて画像や映像を鮮やかに表示させるグラフィックボード。選ぶ際は、CADでの使用を前提に最適化されているシリーズの商品を選びましょう。
また、CADソフトにはグラフィックボードが推奨されているものもあります。特に3D CADではグラフィックボードが重要なので、導入予定のソフトが決まっている場合は確認してみてください。
■OS
リリースされているCADソフトの多くはほとんどのOSに対応していますが、現在でも主流はWindowsです。そのためCADソフトには、Windowsに対応していてもMacは非対応というケースがあります。対応していないOSのPCを購入してしまうと起動できないため、対応OSの確認は欠かせません。
Windows10の64bitであれば、多くのCADソフトが利用可能です。
■画面解像度
CADを操作するのに必要とされるPCモニター画面の解像度は、1920×1080のフルHDサイズが一般的とされています。より細かな点まできれいに表示させたい場合は、3840×2160の4Kモデルにすると良いでしょう。
推奨スペックは目的によって変わってくる
■2D CADを使用する場合
2D作図のみの目的でCADソフトを使用する場合は、扱うデータ量が少ないために要求スペックはそれほど高くありません。ソフトや使い方次第では、CAD用の新しいPCを買う必要がない場合もあります。
2D作図のみの作業であればノートPCでも起動が可能です。もちろん、デスクトップPCのほうがより快適に操作できますが、デスクトップPCの導入には高いコストがかかります。
今後3Dモデリングデータを扱う予定がない場合は、高スペックにこだわらず、CADソフト推奨の動作環境と最低限のスペックを満たしているPC選びをしましょう。
■3D CADを使用する場合
3D CADソフトで3Dモデリングデータを扱うときは、高いグラフィックボードのスペックが重要視されます。
CPUにグラフィック処理機能が搭載されている「オンチップ」と呼ばれるPCでは、グラフィックの精度が落ち、動作も遅くなることがあります。3D制作に最適なグラフィックボードが搭載されているPCを選びましょう。
また、作業効率を上げるためにはデスクトップPCがおすすめです。ノートPCでも起動はできますが、動作や操作性に限界があり、高いスペックを持つノートPCは割高です。
総合的に高スペックなデスクトップPCを導入するのが良いでしょう。
まずはCADソフトの推奨スペックを確認
CADソフトによって、推奨されるスペックや動作環境は異なります。
推奨スペックの以上のPCを購入すると良いですが、導入予定のCADソフトの推奨スペックに満たないスペックのため作業効率が悪い、反対にオーバースペックとなるPCを購入してしまったりするトラブルは未然に防ぎたいもの。
PCをはじめ推奨されるハードウェアはCADソフトのWebサイトで確認できることが多いので、予めチェックした上でPC選びを進めましょう。
ユーザーによる顧客満足度をベースに、自社に最適なCAD製品を選ぼう!