会社で離職率の高さが問題になっているなら、「モチベーション管理ツール」の導入を検討してみましょう。「離職防止ツール」とも呼ばれており、社員の退職を防いで離職率を下げるのにも効果的です。

仕事へのやりがいや評価されているなどの実感がなければ、モチベーションを維持するのが難しく「この会社でもっと働きたい」という意志が湧きません。逆を言えば、仕事に対するモチベーションが上がれば、今後も同じ会社で働く意欲へとつながります。

本記事では、モチベーションを管理するためのツールについてご紹介します。離職率の高さで悩まれている方は、ぜひ参考にしてみてください。

離職率の平均はどれくらい?

自社の離職率は「退職者数を1月1日の常用労働者数で割る」という単純な計算で知ることができます。多くの企業は、自社の離職率について把握していることでしょう。では、業界の離職率平均についてはご存知でしょうか。厚生労働省が2021年12月に発表した資料によると、産業別の離職率は次のグラフの通りです。 

引用:令和3年上半期雇用動向調査結果の概況|厚生労働省

離職率が最も高いのは宿泊業・飲食サービス業で15.6%でした。宿泊業・飲食サービス業に関しては離職率が毎年高い産業なので、退職者数の多さに悩んでいる企業は多いでしょう。そのほかでは、教育・学習支援業、生活関連サービス業・娯楽業、サービス業(他に分類されないもの)の離職率が10%前後と高めになっています。

自社が属する産業の離職率はいかがでしょうか。自社の離職率が産業ごとの離職率を超えている場合は、改善が必要と考え、行動を起こす必要があるでしょう。

離職率が高いと何がいけないのか?

「退職したらまた雇用すればいい」という考え方の方もいるかもしれませんが、離職率が高いと企業にとっていろいろとデメリットが生じます。

1つ目のデメリットは、「優秀な人材を確保することが難しくなる」点です。厚生労働省は2015年より、大学生・大学院生向けのハローワークの求人票に、離職率を記載するよう求めています。強制ではないものの「離職率の記載がない求人はブラック企業」という考え方が優勢です。また、離職率の高さは業界内で情報が漏れやすいので、引く手の多い優秀な人材が集まりにくくなります。

2つ目のデメリットは、「離職率が高いことで人材コストが上がる」点です。人材にかかるコストは給与を除くと、採用と育成の2点に多くかかります。中途採用の場合、採用コストは平均103.3万円かかるというデータもあります。

出典:就職白書2020 就職みらい研究所|リクルート

中途採用するたびにこれだけ多くのコストがかかれば、企業財政を圧迫しかねません。「OJTだから育成コストはかかってない」と考える方もいるでしょうが、新卒社員・中途社員が一通り仕事を覚えるまで、先輩や上司が指導に掛ける時間や労力は多大なものです。目には見えないコストが必ずかかっているので注意してください。

引用:新規学卒就職者の離職状況を公表します|厚生労働省

なお、新規大卒就職者の3年後離職率が平均を超えるとブラック企業というレッテルを貼られる可能性があります。参考までに、2021年10月に発表された離職率は31.2%でした。

ぜひ3年後離職率を算出し、照らし合わせてみてください。

退職が続く組織に欠かせないモチベーション管理ツールとは?

モチベーション管理ツールとは、アンケート機能などを活用して社員の仕事に対するモチベーションや業務状況などを把握し、フォロー施策や環境整備支援などを個別に行うためのツールです。

モチベーション管理ツールが提供している質問テンプレートを使用すれば、社員が抱えている本音を知ることができ、個別のモチベーションチェックが行えます。さらに、集計結果から組織の課題診断や分析などを行い、離職率低下のための具体的な施策を考えることも可能です。

退職者数が多く離職率に悩んでいる企業にとってはもちろん、離職率は平均より低いが先手を打ちたい企業、社員のモチベーションをアップさせて更なる業績向上を目指したい企業にもおすすめのツールです。

モチベーション管理ツールに期待する効果

離職率の高い企業には、必ず何かしらの問題が潜んでいます。それは業務プロセスであったり福利厚生であったり、人間関係であったりと原因はさまざまです。

社員のモチベーションをアップさせるにはまず、企業が抱えている問題とその原因を深く究明しなければいけません。ただし、経営者や役員の感覚と経験で仮説を立てる、あるいは社員を呼び出して直接ヒアリングするなどの方法で行うのは危険です。定性的な情報だけでは物事の本質を捉えるのは難しいため、問題と原因を誤り、より悪い状況へと突き進んでしまう可能性があります。

モチベーション管理ツールに最も期待できる効果は、離職率が高い原因を定量的なデータとして把握できることです。ツールを使ってアンケート結果を集計・分析すれば、感覚やヒアリングだけでは気づけなかった問題や原因まで把握できるようになります。

つまり、「離職率低減に向けた施策のスタートラインに立てる」のが、モチベーション管理ツールに期待できる大きな効果なのです。

モチベーション管理ツールで離職率を低下させましょう

現在、離職率の高さや人材コストの増加に悩んでいる企業は、ぜひともモチベーション管理ツールの導入を検討してみてください。

離職率低減が難しいのは、いまだ当事者意識を持っていない企業が多いからです。そうした課題をモチベーション管理ツールで乗り越えた上で、離職率低減に向けて歩み始めてみましょう。

この記事の執筆

CASITOMO

ライター

夫婦Webライター。2013年に夫婦で独立し、10,000本以上のSEOコンテンツを企業オウンドメディアに提供。夫は元通訳・翻訳家、妻は元アパレルマネージャー。映画鑑賞とバスケ、週末ベイキングが共通趣味。

この記事の監修

ITreview Labo編集部

ITreviewの記事編集チーム。ITreviewの運用経験を活かし、SaaSやIT製品に関するコンテンツをお届けします。

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