近年、アプリケーションの脆弱性を狙ったサイバー攻撃やセキュリティ攻撃が増加しています。また、攻撃の種類も多様化しており、多くの企業が対策としてファイアウォールシステムやWAFツールの導入を進めています。

そんなファイアウォールとWAFですが、2つの違いについて理解しているでしょうか。違いが分からない方や2つの違いについて理解が曖昧な方も多いでしょう。そこで、本記事では、ファイアウォールとWAFの違いについて解説するとともに、専用ツールを導入する3つのメリットについてもご紹介します。

ファイアウォールとWAFの違い

ファイアウォールとWAFは、どちらもセキュリティを向上させる機能であることは同じです。2つの機能の大きな違いは、「防御する対象」と「防御できる攻撃の種類」です。

防御する対象はネットワークか、アプリケーションか

ファイアウォールの防御対象は、ネットワーク層です。ネットワーク層は、インターネット層と呼ばれることもあり、第3層に位置します。IPアドレスの割り当てや外部とのネットワーク通信を担う役割があります。ファイアウォールとは、日本語で「防火壁」と呼ばれており、その名が表すように外部と内部の間に入り、外部ネットワークの攻撃から内部ネットワークを守る役割を果たします。

一方、WAFの防御対象は、アプリケーション層です。アプリケーション層は、第7層に位置しており、ユーザーが利用するアプリケーションの通信に関することが設定されています。具体的に、アプリケーション層は、ユーザーとコンピュータをつなぐ役割を担っており、「HTTP」や「SMPS」といったプロトコルを提供しています。アプリケーション層のおかげで私たちは普段、Webサイトの閲覧やメールの送受信が可能です。WAFの正式名称は、「Web Application Firewall」であり、その名の通りWebアプリケーションを外部の脅威から守るための機能です。

対策できる攻撃の違いをチェック

ファイアウォールは、外部ネットワークからの不正アクセスや攻撃を防御可能です。通常ファイアウォールは、外部ネットワークと内部ネットワークの間に設置されます。そのため、外部からの不審なアクセスを検知した際には、その通信をブロックし、ユーザーに不信なアクセスを受信したことを伝えます。

一方、WAFは、Webアプリケーションを攻撃する外部脅威を防御可能です。具体的にWAFで防御できる攻撃には、「クロスサイトスプリング攻撃」「SQLインジェクション攻撃」「DDoD攻撃」「辞書攻撃」「バッファオーバーフロー攻撃」などがあります。どの攻撃もアプリケーションの脆弱性を狙った、データの改ざんや不正アクセスを目的とした攻撃です。

このように、ファイアウォールとWAFは、防御対象や防御できる攻撃の種類に違いがあるため、どちらか1機能を導入するだけでは不十分と言えるでしょう。

WAFのメリット1:多様なサイバー攻撃からWebアプリケーションを防御できる

警察庁が発表したデータによると、令和3年に発生したサーバー犯罪は12,209件でした。前年の令和2年の発生率が9,875件であったことから、ここ1年で2,000件以上サイバー犯罪が増加したことが分かります。

参考:令和3年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について|警察庁

サイバー攻撃には、ランサムウェアやマルウェア感染、SQLインジェクションと多種多様な攻撃が存在しますが、WAFツールなどの専用ツールを導入することで、攻撃を防御できます。インターネットが急速に発達している現代において、今後益々サーバー攻撃の種類が多様化し、被害件数も増加していくことが予想されます。そのため、早めの専用ツール導入をオススメします。

WAFのメリット2:不正なアクセスをすぐに検知可能

サイバー攻撃やセキュリティ攻撃の被害を最小限に抑えるためには、不正アクセスや攻撃をいち早く発見することが重要です。ファイアウォールシステムやWAFツールには、24時間365日システムを監視し、不審なアクセスを検知した際のアラート機能があるため、外部からの脅威に迅速な対応を可能にします。

自社のWebサイトやサービスがサイバー攻撃を受け、顧客の個人情報が流出した場合、被害の規模が大きく、大きな損失につながってしまいます。そうならないためにも、事前に専用ツールを導入して、対策しましょう。

WAFのメリット3:自社の課題に合った専用ツールが選べる

専用のツールを導入したいと考えている企業でも、企業によって運営しているサイトの規模感も違えば、専用ツールに求める性能も異なるでしょう。近年、様々な種類の専用ツールが開発されており、実に多種多様です。

具体的にWAFツールには、「クラウド型」「アプライアンス型」「ソフトウェア型」の3種類があり、予算が限られている中小企業でも低コストで専用ツールを導入できます。ツールを導入する理由や条件を明確にして、自社に合ったものを選びましょう。

WAFツールを比較してみよう

ファイアウォールとWAFの違いと専用ツールを導入するメリットについて理解できた方は、複数のツールを比較してみましょう。複数ツールを比較することで、それぞれのツールの特徴やメリットをより詳しく理解でき、自社に最適なツールを探し出すことができるでしょう。

WAFツールを比較する際は、「ITreveiw Grid」がオススメです。「ITreveiw Grid」は、複数のWAFツールをマップで比較可能なため、視覚的にツールの違いを理解できます

この記事の執筆

CASITOMO

ライター

夫婦Webライター。2013年に夫婦で独立し、10,000本以上のSEOコンテンツを企業オウンドメディアに提供。夫は元通訳・翻訳家、妻は元アパレルマネージャー。映画鑑賞とバスケ、週末ベイキングが共通趣味。

この記事の監修

ITreview Labo編集部

ITreviewの記事編集チーム。ITreviewの運用経験を活かし、SaaSやIT製品に関するコンテンツをお届けします。

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