新卒者の通年採用がスタートしたことにより、企業の採用活動が少しずつ変化しています。留学生や帰国子女、博士号取得者などへのアプローチが可能になり、より即戦力になる人材確保が可能となりました。

一方で、通年採用には一括採用以上のコストがかかるため、採用のミスマッチを防ぐことが何より重要です。中途採用においても、新卒者よりも採用コストが高いことが基本なので、やはり採用ミスマッチは限りなくゼロにしたいものです。

そこでこの記事では、採用活動に適性検査を導入するメリットについてご紹介します。採用ミスマッチの防止や採用活動効率化など、この機会に適性検査導入の魅力を知りましょう。

2種類の適性検査

適性検査は一般的に「能力検査」と「性格検査」の2種類があります。それぞれの特徴を整理してみましょう。

能力検査

社会的常識、知識、技術を測る検査です。論理的思考能力や判断力などを知ることができ、応募者の「地頭」を判断するのにも利用されます。

性格検査

協調性、思考性、柔軟性、情緒安定性、ストレス耐性など応募者の性格に深く関わる部分の検査です。適性検査サービスによって根拠とする理論が異なるため、サービスごとに違う結果が出ることもあります。

採用活動においては、一次審査において能力検査を用いて応募者をふるいにかけ、審査が終盤に差し掛かると性格検査を用いて採用候補者の性格的要素を判断するというのがベターなやり方です。

適性検査を導入する5つのメリット

それでは、採用活動に適性検査を導入するメリットを紹介していきます。

メリット1.大量募集において採用活動の手間を省ける

大量募集においては1人ひとりにかけられる時間は限られているため、一次審査などで適性検査を行うと採用活動を効率良く進められます。能力検査を実施し、企業が求める水準に達している応募者のみを残すことで、採用活動初期の審査通過判断をスピーディに行えるようになります。

メリット2.事前検査により採用ミスマッチを防げる

採用活動において一番避けたいのは「人材と企業のミスマッチ」です。双方にとって良い結果にはならないため、採用ミスマッチを防げる仕組みづくりが欠かせません。

そのためのツールとして活用できるのが適性検査であり、とりわけ性格検査が有効です。データを用いて応募者の性格を客観的に分析することにより、本人すら知らない深い部分の性格を把握できます。

分析結果をもとに業務や職場環境の適合性を判断すれば、高い精度で採用ミスマッチを防げるようになるでしょう。

メリット3.入社後の配置や人材育成の参考情報になる

組織全体の能力を底上げするには、人材1人ひとりに合った配置や育成方法を考える必要があります。

ある環境で能力をうまく伸ばせていない人材が、別の環境では見違えるほどに能力を伸ばし、ビジネスに大貢献するのはよくある話です。つまり、環境によって人材の成長性は大きく左右されます。そのため、入社後の配置や人材育成を効率よく進めるために適性検査が有効です。

また、新卒者・中途採用者だけでなく既存人材に対しても適性検査を実施することにより、人材の適材適所をかなえることができます。

人材1人ひとりが生き生きと成長できる環境をつくれば、組織全体の能力底上げだけでなく、離職率低下などにもつながるでしょう。

メリット4.社内人材の客観的評価にも活用できる

人事評価において、今まで以上に公正・公平な評価が求められている時代です。完全成果主義の偏った人事評価では不満が生まれ、人材の流動性を高めるリスクがあります。

ビジネスというのは、一部の人材が生み出す成果だけで成り立っているものではありません。数字には表れなくとも、裏方的に努力をしてチームの精神的支柱になる人材などもしっかりとビジネスに貢献しています。問題は、そうした人材の評価基準をつくるのが難しいことです。数値では表れない人事評価については適性検査でカバーできる部分があります。

性格検査を用いて協調性、情緒安定性、ストレス耐性などを把握すれば、ビジネスにおける精神的な貢献度を把握できるようになります。

メリット5.定期的な検査で従業員のコンディションを把握できる

リモートワークの推進、新型コロナウイルスの猛威などにより、多くのビジネスパーソンがかつてないストレスを受けています。この激動の時代において、従業員のコンディションを整えることは身体的・精神的な健康を維持するために欠かせない業務です。

そのためにも、まずは各従業員のコンディションを把握する必要があります。性格検査を定期的に実施すれば、過去との比較によりコンディションの変化を分析できます。従業員の心に何が起きているのかを把握することで、コンディションの悪化やモチベーションの低下などを事前に察知できるのです。

その上でコンディションを改善する取り組みを行えば、従業員の心理的安定性が保たれ仕事にもプライベートにも意欲的に行動できるようになり、最終的には自社ビジネスに貢献する人材として成長していくでしょう。

適性検査は採用活動のためだけにあらず!幅広い活用を

適性検査を導入するメリットは採用活動にとどまりません。既存人材に実施することでさまざまなメリットを得られるため、適性検査は現代社会を生きる企業に欠かせないツールとなっています。

ただし、適性検査はサービスによって根拠となる理論や尺度が異なるため、サービスごとの特徴を知った上での導入検討が大切です。

この記事の執筆

CASITOMO

ライター

夫婦Webライター。2013年に夫婦で独立し、10,000本以上のSEOコンテンツを企業オウンドメディアに提供。夫は元通訳・翻訳家、妻は元アパレルマネージャー。映画鑑賞とバスケ、週末ベイキングが共通趣味。

この記事の監修

ITreview Labo編集部

ITreviewの記事編集チーム。ITreviewの運用経験を活かし、SaaSやIT製品に関するコンテンツをお届けします。

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