Googleドキュメントやスプレッドシートなど、あらゆるツールでクラウドが流行になってきましたが、PowerPointを代表とするプレゼンテーションツールもクラウドのほうがよいのでしょうか?それとも、ローカル保存のほうがよいのでしょうか?

今回は、プレゼンテーションツールの機能も混じえながら、クラウドとローカルのメリットやデメリットなどについて解説します。

プレゼン資料の作成に欠かせないツールとは?基本機能を解説

プレゼンテーションツールとは、伝えたい情報を簡単に資料として作れるソフトウェアです。Microsoft PowerPointやGoogle スライドなどを使ってスライドベースのプレゼンテーション資料を作った経験がある人も多いのではないでしょうか。

プレゼンテーションツールは、アウトラインやテンプレート、レイアウトの自動配置などを効率的に美しく配置できるのが特徴です。講演や企画説明などのスピーチを視覚的に表現するために、欠かせないツールとなっています。

機能1:美しくレイアウトできるテンプレート

分かりやすい説明をするには、整理されたイメージを聞き手と共有しなければなりません。聞き手が情報を受け取るのは55%が視覚情報だとメランビアンの法則でも言われており、言語情報7%、聴覚情報38%しかありません。

プレゼンテーションツールには、読み手の興味をひくテンプレートが複数用意されており、さらにWeb上には1,000種類以上のテンプレートも公開されています。視覚情報から資料の質を高める機能がプレゼンテーションツールには備わっています。

機能2:訴求力の高い動画やアニメーション表示

ひと昔前のプレゼンテーション資料と言えば、テキストやグラフを用いた簡素なイメージでした。しかし、近年のコンピュータ性能の向上や通信速度の向上もあり、プレゼンテーション資料のグラフィック性能も向上しています。

プレゼンテーションツールの機能によって、資料のなかに動画を盛り込んだり、アニメーション表示を加えたりして、聞き手が楽しめるような完成度の高いプレゼンテーション資料を作れます。

なかには資料に動画を盛り込むのではなく、動画のなかに資料を盛り込む近未来的なプレゼンテーションソフトウェアもあります。「Prezi(プレジ)」というこの近未来的なソフトウェアは、すでに世界で1億人のユーザーがおり、注目を集めています。

機能3:AIによるプレゼンテーション評価

プレゼンテーションツールの機能は、資料作成だけではありません。実際に練習したプレゼンテーションについてAIによる評価を受けることもできます。

声の速さや言葉の選び方などを評価して、プレゼンテーションの品質アップを助ける機能が付属しています。

クラウドとローカルのメリットとデメリットとは

プレゼンテーションツールには、一人で作業を進めるローカル製品もあれば、他のユーザーとデータを共有できるクラウド製品もあります。それぞれのメリットとデメリットを確認しましょう。

・クラウド製品のメリット

クラウドのメリットは、複数人でデータを共有できる点にあります。また、パソコンのストレージを破壊・紛失してもファイルの破壊にまでは至らず、代替え機からデータを復旧することが可能です。加えて、常に最新のソフトウェアを活用できる点もクラウド製品のメリットです。

・クラウド製品のデメリット

大きなデメリットとしては、ネット回線につながなければ作業やプレゼンが進められない点です。また、ネットセキュリティが甘いと第三者の不正アクセスを許す可能性も考えられます。

ただし、クラウド型のなかには、クラウド上にあるデータでもオフラインで作業を進めて、回線に再接続した際にデータの同期を取る製品もあります。また、不正アクセスについてはVPN回線を導入することでセキュリティを向上することも可能です。

・ローカル製品のメリット

ローカルの製品のメリットは、不正アクセスのリスクがほぼなく、機密情報を守りやすくなる点にあります。また、通信回線の届かない環境であっても作業が停滞することがない点もメリットでしょう。

また、クラウド製品のものと比べると歴史が長く、機能が充実していたり、印刷に適したレイアウトにしやすかったりします。

・ローカル製品のデメリット

ローカル保存しているデータであっても、ネット接続している間はクラウドと同じくデータ漏洩のリスクにさらされていることになります。機密情報をしっかりと保護したいならネット回線には一切つながないほうがよいでしょう。

また、管理者チェックを受けるためのファイル転送が必要な点もローカル型のデメリットだと言えます。ネット回線またはUSBメモリなどを経由してファイル転送するのが一般的ですが、ファイルの送信ミスやUSBメモリの紛失などのリスクは考える必要があります。

さらにローカル製品では、ソフトウェアの更新や買い替えなどのシステム作業がある点も考慮しておきましょう。

クラウドとローカルのどちらにもメリットとデメリットがある

プレゼンテーションツールでは、クラウドとローカルのどちらにもメリットとデメリットがあります。最新の機能や共有性ではクラウドが勝りますが、機密性ではローカルが勝ります。プレゼンテーションツールの機能やクラウドとローカルの違いを理解したうえで、製品を選びましょう。

また、プレゼンテーションツールは、様々な機能を搭載しています。テキストとグラフだけの資料では時代に置いていかれているかもしれません。ツールに搭載されている機能を利用すれば、レイアウトを工夫したり手間をかけたりせずともアニメーション表示などを作り出せます。

MicrosoftやApple、Googleなどが様々な製品を展開していますので、気になる方は試してみてください。

この記事の執筆

ITreview Labo編集部

ITreviewの記事編集チーム。ITreviewの運用経験を活かし、SaaSやIT製品に関するコンテンツをお届けします。

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