企業理念や業務内容、教育内容といった情報を書き込んで社内共有する「社内報」は、企業価値観や業務情報の浸透・共有に役立ちます。そのため社内報を自社に導入したいと検討している人もいるでしょう。しかし紙とWebのどちらを社内報に利用すべきか迷っている人も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、社内報の導入における紙とWebのメリット・デメリット、さらに社内報の作成・共有に役立つツール5選を紹介します。

社内報を作る理由とは?

社内報とは、企業理念の浸透や社内コミュニケーションの向上、お知らせ情報の共有などを目的として利用される資料のことです。社内報を企業で共有すれば、従業員が経営方針や事業内容を理解することにつながり、社員教育としても役立ちます。

また新型コロナウイルスのまん延や働き方改革の影響を受け、リモートワークを導入する企業も増えつつあります。その結果、社内コミュニケーションの低下による社員モチベーションの不安定化が進んでいるため、現在、社内報の必要性が高まっているのです。

社内報を紙で作るメリット・デメリット

社内報は、古くから企業で用いられている手法です。従来は紙の社内報を貼り出して共有するのが一般的でした。そこでまずは、紙で社内報を作るメリット・デメリットについて解説します。

紙で作るメリット

紙で社内報を作るメリットは次の通りです。

  • 話題として共有しやすい
  • 紙派の人が読みやすい
  • 好みのデザインを作れる

紙で社内報を共有すれば、同じタイミングで社員が社内報を受け取るので、話題として共有しやすいのがメリットです。話題になると、社員の意識が社内報に集まります。その結果、社員に読み過ごされる可能性を減らせます。

また、書類を読むのが紙派だという人もいるでしょう。とくに電子機器の取り扱いが苦手な人にとって紙の社内報は重宝します。

サイズや形状などを好きに決められるのもメリットです。紙で作る社内報は、自由度が高く親しみやすいデザインにしやすいのが魅力です。

紙で作るデメリット

紙で社内報を作るデメリットは次の通りです。

  • 印刷・周知にコストがかかる
  • 編集・デザインなど出版に関する知識が必要である
  • 誰が読んだか把握できない

紙で社内報を作ると、さまざまなコストが発生します。なかでも印刷や周知には、ある程度の費用がかかることを想定しておく必要があります。社内報を作るたびにコストが増え、本業の作業時間・企業予算を圧迫してしまうのもデメリットです。

また紙の社内報は、編集やデザインといった出版に関する知識がなければ作成が困難です。あらかじめ、出版に関して知識がある社員を確保しておく必要があります。

また、紙で情報共有すると誰が社内報を読んでくれたのか把握できません。対象者に必ず読んで欲しい情報を詰め込んだとしても、それを既読してくれたのか分からないというデメリットがあります。

社内報をWebで作るメリット・デメリット

Webサービスの発達や働き方改革の流れを受け、近年ではWeb社内報に注目が集まっています。続いて、社内報をWebで作るメリット・デメリットについて解説します。

Webで作るメリット

Webで社内報を作るメリットは次の通りです。

  • 共有が簡単である
  • 他サービスと連携できる
  • 印刷コストがかからない

Webを通じて社内報を共有するので、簡単な操作で対象者に社内報を共有可能です。もちろん、一括共有もできるためリアルタイムで必要な情報を届けることができます。

なかには、既存のチャットツール・コミュニケーションツールと連携できるWeb社内報もあり、社員は各自のPC・スマホに新たなツールを導入せずに社内報を受け取れるのも魅力です。

また、社内報の共有がWebで完結することから、印刷に関するコストをまとめてカットできるため費用削減効果を期待できるでしょう。

Webで作るデメリット

Webで社内報を作るデメリットは次の通りです。

  • 閲覧するデバイスが必要である
  • レイアウトに制限がある
  • サーバーやツール契約料などのランニングコストがかかる

社内報をWebで作る場合、電子データで共有するため、社員は閲覧専用のデバイスを所持しておく必要があります。またバージョンの古いPC・スマホでは閲覧できない場合があるので、各社員が古い機種を持ち続けないことが最低条件です。

また、PCやスマホを通して社内報を閲覧するため、資料のレイアウトに制限がかかります。特殊なデザインや面白みのある社内報を作りたい場合でも、決められた枠内で資料を準備する必要があります。

さらに、Webで社内報を作る場合には、契約料金としてサーバー代、ツール利用代が発生します。ランニングコストが継続して発生することを把握しておきましょう。

社内報は紙とWebどっちがいい?

結論としては、社内報はWebで作成することをおすすめします。その理由は次の通りです。

  • コストを縮減できる
  • 閲覧情報を計測できる
  • 社員からコメントをもらえる
  • 社内作業を効率化できる

Web社内報の作成は、従来の印刷・周知コストを抑えられることはもちろん、閲覧情報をデータとして計測したり、コメント機能があったりと、管理の効率化およびコミュニケーション向上効果を発揮します。

また、Web社内報はテンプレートが決められており、紙の社内報に比べて属人化しづらいのが特徴です。本業が忙しい合間でも簡単に作成できることから、社内作業の効率化にもつながるでしょう。

Web社内報作成のおすすめお役立ちツール5選

Web社内報の作成・共有を検討しているなら、ここで紹介するお役立ちツールを参考にしてください。合計5つのツールを紹介しますので、求めている機能があるか確認してみましょう。

NotePM

株式会社プロジェクト・モードが提供する「NotePM」は、社内報の作成・共有はもちろん、社内マニュアルの作成といった企業情報の共有にも活用できる便利なツールです。

ツール内でプロジェクトを進めることにより、アクセス制限やページ閲覧者のチェックができるため、社内報共有・管理で役立つでしょう。

rakumo ボード

rakumo株式会社が提供する「rakumo ボード」は、シンプルなデザインで使いやすいのが魅力です。回覧機能によって、未読・既読の管理も効率化できます。

対象者を絞り込んで情報共有できることはもちろん、コミュニケーションサービス「Google Workspace」と連携して情報発信することで、社員によるツール導入の手間を削減できます。

THANKS GIFT

株式会社Take Actionが提供する「THANKS GIFT」は、ピアボーナスと呼ばれる社内評価報酬制度をメインとしたツールであり、その中の機能のひとつに社内報の作成・共有があります。

ポップなデザインの社内報を簡単に作成できるほか、テンプレートも充実しているため、親しみやすい資料を用意でき、社員の既読率を高めやすくなるのが魅力です。

SOLANOWA

株式会社スカイアークが提供する「SOLANOWA」は、社内報のみならず動画配信やアンケートフォームを設置したり、最新投稿をいち早く伝えるプッシュ通知があったりと、機能性に優れた情報共有ツールです。

マルチデバイス対応なので外出時でも閲覧でき、社内報の中に動画ファイル・音声ファイルを添付できるため豊富な表現方法を社内報に付与できる魅力があります。

TUNAG

株式会社スタメンが提供する「TUNAG」は、各社員のプロフィール管理や社内報共有に優れたツールです。

ツールひとつで社内コミュニケーションや情報管理に対応できることはもちろん、サンクスメッセージを贈れるなど機能も充実しています。

Web社内報でインナーコミュニケーションを強化しよう

紙の社内報を利用している企業は、印刷・周知コストを削減できるWeb社内報がおすすめです。しかし、Web社内報は導入するツールによって機能やコストが異なります。

運用しやすいツールを使うことで、担当者の業務効率化が図れるだけでなく、社員の会社理解も深まるでしょう。以下の記事では社内報づくりに役立つトピックスを紹介しているのでぜひご一読ください。

記事:Web社内報が読まれるために押さえておきたい!企画のネタとおすすめテンプレートをご紹介

この記事の執筆

ももひき

ライター

WEBライター(ライティング、編集、構成、SEO対策)やイラストレーター(キャラクター、WEB画像)として活動するフリーランスライター。現在はグルメ・IT・仮想通貨ジャンルを中心に執筆、福岡県で活動中。

この記事の監修

ITreview Labo編集部

ITreviewの記事編集チーム。ITreviewの運用経験を活かし、SaaSやIT製品に関するコンテンツをお届けします。

おすすめ記事