PPAPが持つセキュリティの脆弱性を改善するために、代替案を探している人もいるでしょう。しかし、複数の代替案があり、どれを選んだらよいか分からないとお悩みではないでしょうか。
そこで本記事では、PPAPの代替案と選び方をご紹介します。比較表付きで分かりやすく解説しますので、PPAPからのセキュリティ移行を検討している方は参考にしてください。
PPAPの代替案5つ
まずは、PPAPの代替案を探している方に、おすすめのサービスをご紹介します。以下の比較表で整理しているので、移行するサービス・ツールを検討してみてください。
オンラインストレージ | ビジネスチャット | グループウェア | 電子契約サービス | ERP | |
費用感 | 無料サービスで対応可能 | 無料サービスで対応可能 | 無料サービスで対応可能 | 基本有料(月額10,000円程度~) | 基本有料(要見積もり) |
ファイルの共有方法 | ユーザーを選択してファイルを共有できる | 個別チャット画面でファイルを共有できる | 権限設定により共有ユーザーを指定しつつファイルを共有できる | 二段階承認、三段階承認で契約書を共有できる | 基幹業務で利用する資料を暗号化し、安全に管理・共有できる |
参考サービス・ツール | ・Googleドライブ ・Dropbox ・OneDrive |
・Chatwork ・Slack |
・Googleワークスペース ・Microsoftオフィス365 ・サイボウズ |
・クラウドサイン ・GMOサイン |
・OBIC7 ・SAP ERP ・SMILE V 2nd Edition |
オンラインストレージサービス
オンラインストレージサービスとは、クラウド上のストレージにデータを保管できるサービスのことです。専用のIDを持っていれば、関係者とデータの共有を行えることから、PPAPの代替サービスとして利用できます。
オンラインストレージサービスは、共有したいユーザーを任意で設定できるのが特徴です。一部のユーザーだけがデータを閲覧できるように設定できることから、データの機密性を確保しつつ共有できます。
ビジネスチャット
ビジネスチャットとは、業務コミュニケーションを効率化するツールのことです。招待したユーザーとコミュニケーションが取れることはもちろん、データの共有を行えるため、PPAPの代替ツールとして利用できます。
取引先や外注先とのチャットスペースを個別で設定できるほか、個人チャットやビデオチャットに対応しているツールもあります。本人確認を行ったうえでファイルを共有すれば、機密性を確保しつつデータのやり取りを行えます。
グループウェア
グループウェアとは、業務コミュニケーションを円滑化するシステムのことです。参加ユーザーのタスク管理やスケジュール管理といった情報管理を行えるほか、ファイル共有機能を利用できます。業務効率化を含めて、PPAPの代替として移行しやすいサービスだといえるでしょう。
サービスに搭載されている「ファイル共有機能」では、ユーザーの操作履歴を確認できるだけでなく、閲覧権限・ダウンロード権限を設定できます。共有するユーザーを自由に設定できることから、機密性を確保しつつ円滑に業務を進行できます。
電子契約サービス
電子契約サービスとは、文字通りオンラインで契約書の作成・管理・提出を行うサービスのことです。重要書類である契約書を外部から閲覧されないように、サービス上で契約を締結できます。
電子契約サービスでは、通信や保管ファイルを暗号化したり、IPアドレス制限機能を使用したりしてより安全な電子契約を行えます。二段階承認や三段階承認にも対応しており、契約書に特化してより強固なセキュリティ対策を行えるサービスです。
ERP
ERPとは、企業の基幹業務を効率化するシステムのことです。資料作成やデータの一元管理を行ったり、機密資料を安全に管理・共有したりできます。
作業量が多く忙殺されやすい基幹業務を効率化できることはもちろん、基幹業務で利用する資料を電子上で一括管理できるのが特徴です。強固なセキュリティ対策が施されており、機密情報を安全に管理しながら、保管データを暗号化して外部へ共有できます。
PPAPの代替案を選ぶ3つのポイント
PPAPの代替案は複数あり、どれもPPAPのセキュリティの脆弱さをカバーできる性能が備わっています。続いて、さまざまな特徴を持つ代替案の中から、自社に合うサービス・ツールを選ぶポイントを3つご紹介します。
ファイル共有するデータ容量で選ぶ
まずは、共有するファイルのデータ容量について考えましょう。普段から大容量データのやり取りを行っているのなら、ある程度容量の大きなサービスを選ぶことが大切です。
また、データ容量が小さくてもファイル共有の頻度が多い場合には、ある程度のデータ容量をカバーできるサービスを選んでおくことをおすすめします。オンラインストレージサービスであれば、無料版でも数GBのデータをクラウド上に保管できるため、頻繁にファイル共有する企業でも利用しやすいでしょう。
送信先が導入しやすいサービスを選ぶ
続いて、代替案を利用するハードルについて考えましょう。代替案の中には、自社だけでなくファイルを共有する他社も登録が必要なサービスがあります。つまり、送信先となる他社が導入しやすいサービスを選ぶのも大切なポイントです。
例えば、ビジネスチャットやグループウェアは、業務コミュニケーションを効率化できることから、多くの企業が取り入れ始めています。PPAPの代替品としてだけではなく、他の用途としても利用できることから、導入しやすいサービスではないでしょうか。
自社の目的に合わせて選ぶ
最後に、自社の目的である添付ファイルのセキュリティ対策について考えましょう。どのサービスもPPAPをカバーできる性能を持っています。しかし、多機能なサービス・ツールもあるため、場合によっては要らない機能が備わっていることもあるでしょう。
使用しない機能が多いと従業員に定着しにくいデメリットがあるため、事前に移行する目的を明確にしてください。また、無料体験期間を利用しつつ、自社に合ったサービス・ツールを見つけることをおすすめします。
PPAPを早めに移行すべき理由
企業で一般的に利用されてきたPPAPは、現在PPAP問題としてセキュリティの脆弱性が問題化しています。次のような問題点は、早めに解決する必要があるでしょう。
- ウイルス感染しやすい
- 誤送信を対策できない
上記の問題を放置していると、いつの間にか機密情報が外部に漏れてしまう可能性もあります。すでに多くの企業が、脱PPAPを始めている状況です。この機会に、PPAPから代替案への移行を検討してみてはいかがでしょうか。
自社の課題を抽出したうえでPPAPの代替案を検討しよう
複数あるPPAPの代替案から、自社に合うサービス・ツールを選定したいのなら、まずは自社が抱える課題を抽出したうえで検討を始めましょう。
PPAPの代替案にはさまざまな種類がありますが、どれも機能性に優れており複数の用途で利用できるのが特徴です。比較表などで整理した費用感や共有方法、サービスを参考にして、より良い代替案を探してみてください。