データ分析に必要なスキルは、論理的思考力やデータ活用力などの「思考スキル」とプログラミングやAI・ビッグデータに関するスキルなどの「技術スキル」の大きく2つに分類されます。

本記事では、「思考スキル」「技術スキル」それぞれの特徴と、データ分析に必要なスキルを身につけるメリットをご紹介します。分析ツールについても解説しますので、データ分析に必要なスキルを身につけたい方や、データ分析が行える社員を増やしたい方は、ぜひ参考にしてください。

データ分析に必要な思考スキル

データ分析における思考スキルとは、データを正しく分析し、活用するためのスキルです。データ分析の専門的な思考スキルを保有している人は、「データサイエンティスト」と呼ばれます。本項では、データ分析に必要な思考スキルを3点解説します。

論理的思考力

論理的思考力とは、複雑な情報を整理し、道筋を立てて結論に導く力です。英語では、ロジカルシンキングと言われます。データ分析を行う際は、なぜデータ分析を行う必要があるのかを思考し、どのようなデータ分析を行えば目的が達成されるのか論理的に道筋を立てて考えることが重要です。

論理的思考力がないと物事を主観的に考えてしまい、自社の目的とかけ離れたデータ分析を行ってしまう可能性が高いです。そうならないためにも、論理的思考力を磨き、企業が抱える課題や背景から問題解決に向けて正しいアプローチができるスキルを身につける必要があります。

適切な分析手法を選ぶ力

データ分析と一言にいっても、クロス集計やロジスティック回帰分析、アソシエーション分析などさまざまな手法が存在します。また、データ分析を行う人は、状況に応じて適切な分析手法を選定する必要があります。

もし適切でない手法を選んでしまった場合、誤った結果が算出され、その後の施策に大きな影響を及ぼす可能性があります。そうならないためにも、まずはデータ分析手法の種類を理解し、適切な手法を選ぶ力も身につける必要があります。

分析したデータを活用する力

データ分析は、あくまでも目的を達成するための手段に過ぎません。そのため、分析したデータを正しく活用する力がないと、企業の課題解決や売上向上などの目的を達成できません。

データを活用する力を身につけるためには、分析したデータから仮説を立てたり、分析データを正しく読み解いたりする力が必要です。さらに、業界に対する知識やビジネス的感覚を養うことも重要でしょう。

データ分析に必要な技術スキル

データ分析を行う際は、ツールを使用して機械的に分析を行うのが一般的なため、技術スキルが必要です。データ分析に必要な技術スキルを保有している人は、「データエンジニア」と呼ばれます。本項では、データ分析に必要な技術スキルを3点解説します。

プログラミングスキル

データ分析には、「Python」「R」といった言語がよく使用されます。また、データベースを操作する際は、「SQL」といった言語が必要になります。

これらのデータ分析に関係するプログラミングスキルが身についていると、データ分析を行える幅が広がります。そのため、データの抽出や処理条件などの基礎的な知識だけでも、最低限身につけておくことをおすすめします。

AI・ビッグデータに関するスキル

データ分析は、データ量が多いほど、正確な結果が手に入ります。そのため、画像や文章、動画などのさまざまビッグデータに関するスキルを身につけることで、より確かな結果を得られます。

また、機械学習やディープラーニングといったAIに関するスキルを身につければ、少ない作業者でデータ分析が可能となり、人手不足の問題を解決できます。

データ分析ツールを活用する力

ビッグデータなどの大容量データを分析する場合は、データ分析ツールを使用してデータの収集や分析を行うのが一般的です。そのため、データ分析ツールを上手く活用する力を身につけておく必要があります。

データ分析スキルを身につけるメリット

データ分析を身につけることによって、どのようなメリットがあるのでしょうか。本項では、データ分析のスキルを身につけるメリットを2点解説します。

メリット1:データドリブンマーケティングが可能になる

データドリブンとは、勘や個人の経験に頼るのではなく、企業に蓄積されたデータの分析結果に基づいて施策や意思決定を行うことです。データドリブンマーケティングは、データドリブンを取り入れたマーケティングのことです。

データドリブンマーケティングが行えるようになると、顧客の要望や企業が取り組むべき課題が論理的に導き出され、数値的根拠を持って課題解決に取り組めます。

メリット2:新たなビジネスチャンスを発見できるようになる

データ分析スキルを磨くことで、より複雑でデータ量の多い分析もできるようになります。企業の各部署が保有するデータを一元管理し、データ分析することで、単体の分析では発見できなかった新たなビジネスチャンスを発見できるようになります。

また、勘や経験に基づいたデータ分析には、必ず見落としやミスが発生します。そのため、データ分析スキルを身につけることで、これまで見落としていたビジネスチャンスにも気がつくようになります。

データ分析を行う際は、必ずデータ分析ツールを活用する

データ分析ツールを活用することで、効率的にデータ分析ができるようになるなどさまざまなメリットが得られます。データ分析ツールの導入をおすすめする理由は、以下の通りです。

作業者の負担を削減できる

データ分析ツールは、大量のデータを分析するのに適したツールです。データの収集・抽出・加工などをスピーディーに行えるため、作業者の負担を軽減して少ない人数でもデータ分析を行えるようになります。

データの共有が簡単にできる

データ分析ツールを導入することによって、分析したデータを社内で簡単に共有できるようになります。また、アクセス権限を使用すれば、セキュリティ事故が発生するリスクを抑えられます。

課題を素早く解決できる

データ分析した結果をエクセルなどに手作業でまとめるのは、手間がかかり、上司への報告も遅れてしまいます。しかし、データ分析ツールには、分析した結果を自動で表やグラフにまとめてくれるレポート機能があるため、素早く上司に報告できます。これによって、自社の課題を素早く解決できるようになります。

データ分析スキルを向上させよう

データ分析スキルには、主に「思考スキル」と「技術スキル」の2種類が存在します。2つのスキルのバランスが重要なので、バランスよく鍛えて、自社の課題解決や新たなビジネスチャンスの発掘に取り組みましょう。また、作業者の負担の軽減やデータの共有が可能な点から、データ分析を行う場合は分析ツールの導入をおすすめします。

この記事の執筆

慈雨(ジウ)

ライター

エンジニアの経験やアパレルECサイト運営の経験を活かして、ITやファッション、ECサイト関連の記事をメインで執筆しています。シュークリームとスニーカーを愛しています。

この記事の監修

ITreview Labo編集部

ITreviewの記事編集チーム。ITreviewの運用経験を活かし、SaaSやIT製品に関するコンテンツをお届けします。

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