数多くのデータが飛び交う現在、BIツールが注目されています。BIツールは、専門家でない現場の人間も、データ分析に取り組むことを可能にするツールです。

国内でもさまざまなBIツールが使用されていますが、その特徴は製品によって違います。自身の会社で活用できる製品を見つけるために、本記事ではBIツールの具体的な事例をご紹介します。現場で使った方のリアルなレビューも掲載しますので、ツール選定時の参考にしてください。

株式会社ダイショー(従業員1000人以上)|ツール:Dr.Sum

株式会社ダイショーは、豊かな食文化の創造を目指す食品会社です。情報システム部門でDr.Sumを導入したところ、業務効率化につながりました。

導入前はクライアントとの通信が多く、スピード感で課題を抱えていました。しかし導入後は必要なデータしか引っ張ってこないため、社内トラフィックの低減に貢献しています。その結果、クライアントの待ち時間が減って業務の効率化につながっています。また食品メーカーのため大量の伝票データを集計する必要がありますが、即時集計が可能になり、生産性が上がりました。

参考レビュー開発に多少のコツと知識が必要だが、集計の速さはグッド!

Dr.Sumは集計のスピードを求めている企業におすすめ!

Dr.Sumは、企業のデータ活用に必要な機能を網羅したデータ分析基盤です。DWH構築初心者から高性能を求める方まで、満足できる製品となっています。Dr.Sumの大きな特徴は、集計の速さです。インメモリエンジンを搭載しており、10億件のデータを瞬時に集計できます。数百億件の大容量データにも対応できるため、集計が多い企業に最適です。

株式会社リプライオリティ(従業員300~1000人未満)|ツール:MotionBoard

株式会社リプライオリティは、通信販売総合支援事業などを展開する企業です。事務職全般でMotionBoardを導入したところ、資料を一元的に管理できるようになり、資料作成の工数が大幅に削減して収益改善につながりました。

導入前は、営業成績などを知るためにExcelで集計作業をしていました。しかし、社員のスキルによって情報量や集計スピードに差があるのが課題でした。導入後は一元的に行えるようになり、事務作業の効率化につながりました。また定期的に定量のデータを供給できるため、営業現場が営業成績を把握するスピードが上がり、結果的に収益改善にもつながっています。

参考レビュー自由度が高い国産BIツール

MotionBoardは1つのツールで多くの機能を求める企業におすすめ!

MotionBoardは、データ活用に必要な機能を1つのプラットフォームで利用できるBIツールです。ツール1つにデータを集約できるため、ITリテラシーが低く社内での使用ツールを極力抑えたい企業におすすめです。

とくに集計機能が充実しており、パレート図・ヒートマップ・散布図など30種類以上のチャートでデータを可視化できます。ABC分析・RFM分析・ヒストグラムなど10種類以上の分析ロジックを搭載し、ノンプログラミングで高度な分析を行えるのもメリットです。知識がなくても多角的な分析を行えるので、意思決定の高速化も実現できるでしょう。

楽天損害保険株式会社(従業員300~1000人未満)|ツール:Domo

楽天損害保険株式会社は保険会社で、日々大量のデータを取り扱っています。Domoの導入により、自社データベースと連動してデータ集計ができるようになり、ほぼリアルタイムでレポートを作成できるようになりました。その結果、タイムラグよって起きる社内の問い合わせが減りました。

一度設定すれば自動で定型的なレポートを作成できるため、大量のデータをダウンロードする時間や手間を省けるようになり、業務効率化につながっています。ダウンロードしたデータの保管場所に悩む必要がないのもメリットです。

参考レビュー自動でタイムラグのないレポート作成が可能

Domoはリアルタイムでデータ分析を行いたい企業におすすめ!

Domoは、社内のデータをリアルタイムで集約できるBIツールです。あらゆるデータソースに接続してデータを1つに集約し、ビュー表示することでデータを分析できます。250種類以上のグラフ・表などから表示方法を選べるため、項目に応じて最適なチャートでデータを分析できるのが魅力です。

データを自動更新に設定すると、グラフもリアルタイムで最新のデータに反映されます。営業担当者から管理者まで簡単にデータを確認できるため、社内の誰もがスピーディーに意思決定できるようになります。リアルタイムでデータを集計し、リアルタイムで顧客の動向や自社の収益などを分析したい企業におすすめのBIツールだと言えるでしょう。

岡田装飾金物株式会社(従業員50~100人未満)|ツール:軽技Web

岡田装飾金物株式会社は、大正10年に創業した金物の製造・販売を手がける企業です。軽技Webを導入したところ、各部門が好きなタイミングで必要なデータを取り出せるようになり、社内でも好評を博しています。とくに、input関数は検索条件を設定しやすいため重宝しています。

当初はシステム管理部門からの導入でしたが、ユーザー部門でも情報を取り出しやすいため、少しずつ他部署に浸透しました。現在は保存条件が増えて、各部門のニーズに対応できるようになっています。売上・在庫といったさまざまなデータを好きなように引き出せるため、社員満足度の向上につながっています。

参考レビュー機能は多いが使いこなすまでに時間がかかる

軽技Webは情報の取り出しやすさを重視する企業におすすめ!

軽技Webは、誰でも簡単に必要なデータを抽出して活用できるBIツールです。クエリ検索やレポーティングに強みがあり、基幹システムのデータベースやDWHにアクセスして必要なデータを簡単に取得できます。データ集計やレポート出力を自動化できるため、業務の効率化・省力化を実現できるのがメリットです。

シンプルな操作性で、専門知識がなくてもデータを検索できるのも魅力です。ブラウザ上で条件を設定するだけで、必要なデータにアクセスできます。RPAにも対応しており、データを繰り返し確認する定型業務を自動化できます。

IP FORWARD株式会社(従業員20~50人未満)|ツール:Amazon QuickSight

IP FOWARD株式会社は、日本・中国・東南アジア諸国を中心に、知的財産の創造・保護・活用をワンストップで対応するコンサルティング会社です。Amazon QuickSighを導入したところ、過大なレポートが業務を圧迫していることが判明し、顧客へのサービス提供に注力するようマネジメントを修正できました。

従量課金という料金体系も、Amazon QuickSighのメリットです。自社は大規模なデータベースは保有していませんが、分析系ツールを自由に使えるうえにアクセスするセッションに応じて料金が決定します。また、「ML Insights」という自動分析ツールを搭載しており、データの組み合わせを提案してもらえるのも良かった点です。

参考レビューアマゾンのBIツール

Amazon QuickSightは従量課金の料金プランに魅力を感じる企業におすすめ!

Amazon QuickSightの大きな特徴は、従量制の課金制度です。月額プランであれば、500セッションを月額250USDで使用できます。追加セッションに応じて、0.5USDの超過料金が加算される仕組みです。Amazon QuickSightは大規模なデータベースを高速で分析できるため、データ量の多い企業に適しています。しかし、データ量が限られており低コストでツールを利用したい企業にも適していると言えるでしょう。

自社に適したBIツールを導入しよう

各BIツールにはそれぞれ特徴があるため、自社に合った製品を導入するのがポイントです。自社にぴったりのBIツールを導入して、業務効率化と業績アップを実現しましょう。

この記事の執筆

キサラ

ライター歴5年。IT、ビジネス、会計、その他ライフスタイルのジャンルも執筆しています。「読まれる記事」を書くことをモットーに活動中。

この記事の監修

ITreview Labo編集部

ITreviewの記事編集チーム。ITreviewの運用経験を活かし、SaaSやIT製品に関するコンテンツをお届けします。

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