緊急時でも企業を安定化させたいと考え、安否確認システムの導入を検討している方もいるでしょう。確かに、いずれ発生するであろう大地震などから、従業員の安全を確保するのはとても大切なことです。しかし、緊急時の対応が、今すぐ必要なのか分からないとお悩みではないでしょうか。
そこで本記事では、安否確認システムの必要性についてご紹介します。また、利用できる主な機能や導入手順も解説しますので、システム導入の参考にしてみてください。
企業が安否確認ツールを入れるべき3つの理由
大地震や津波といった緊急事態は、日本に住んでいる限り避けては通れない課題です。また、緊急事態が発生すると、企業経営に大きな影響が発生する恐れもあるでしょう。そこで役立つのが、従業員の安否を確認できる安否確認ツールです。
まずは、企業が安否確認ツールを導入すべき理由を3つご紹介します。
1.緊急事態の際に事業を立て直しやすくなる
災害による緊急事態が発生すると、従業員にもしものことが起こるかもしれません。なかには災害で動けない人や、ケガをしてしまう人もいるでしょう。このとき、安否確認ツールがあれば、誰が被害に遭ったのか、誰が問題なく動けるのかを把握できます。
安否確認ツールでは、クラウドを通じて従業員の状況が分かるため、緊急時の「事業の立て直し計画」を再構築しやすいのが特徴です。また、緊急事態の影響で、そのまま経営難に陥る企業もあります。早い段階で従業員の状況を把握し、事業の立て直しを検討できれば、企業経営を立て直す可能性を高められるでしょう。
2.従業員の安否状況を自動でリスト化できる
企業は、災害といった緊急事態が発生した際、従業員の安否確認を行わなければなりません。これは、中小企業庁の「中小企業BCP策定運用指針」にも記載されており、緊急連絡網を回して、従業員一人ひとりの状況を把握する必要があります。このとき、効率的に安否確認を実施できるのが安否確認ツールです。
クラウドを通じて従業員が自主的に安否状況を入力するため、管理ミスや確認漏れを防止できます。報告がない従業員だけに集中して安否状況を確認できるため、ハイスピードな対応が可能です。
3.従業員の家族も含めて安否確認できる
もしかすると、就業時間中に緊急事態が発生するかもしれません。家族のことを心配して、自ら危険に飛び込む従業員もいるでしょう。このとき、安否確認ツールを導入しておけば、その危険性を回避しやすくなります。
安否確認ツールは、従業員の連絡先と一緒に家族の連絡先も管理可能です。従業員のみならず、その家族にも安否確認ツールの利用ルールを整えておけば、電話回線がつながりにくい状況でも素早く安否を確認できます。
安否確認ツールの代表的な機能
安否確認ツールは、企業と従業員、そしてその家族をつなぐ便利な機能を搭載しています。その中でもメインで利用するのが、こちらで紹介する2つの機能です。各機能の特徴を見ていきましょう。
メール送信機能
メール送信機能とは、従業員やその家族宛てに自動でメールを送信する機能です。ワンクリックで登録された人たちにメールが届くので、従業員がメールに返信するだけで、即座に安否状況を把握できます。
また、送信するメールの文章は、自社の目的に合わせて調整可能です。メール内に緊急事態時に役立つ情報のリンクを掲載しておけば、安否確認できるだけでなく、従業員が緊急事態時でも安全に過ごすための情報を提供できます。
データ集計・管理機能
データ集計・管理機能とは、前述したメール送信にリアクションを出してくれた人たちのデータを集計し、一覧表として管理できる機能のことです。管理者が個別の情報を人力で管理する必要がないことはもちろん、従業員の家族の情報も管理できます。
クラウドを通じて情報を管理するツールも豊富にあることから、管理データの紛失やバックアップといったサポートが充実しているのが特徴です。データ集計・管理機能を用いることで、安否確認を行う担当者の負担を削減できます。
安否管理ツールの導入手順
安否確認ツールは簡単に導入できる便利なツールです。しかし、いざ導入したとしても、うまく運用できずに途中で利用を止めてしまう人もいます。これは、導入手順を理解せずに利用していることが原因です。
そこで最後に、スムーズな導入・運用を実現するために、3ステップで導入手順をご紹介します。ツールの準備に必要なポイントや、従業員との連携に必要なポイントを解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
利用者・関係者を登録する
安否確認ツールを導入したら、まずは以下に示す利用者・関係者の情報を登録しましょう。
【登録すべき対象者】
- 経営者
- 従業員
- 経営者や従業員と関係する家族
- 取引先
【登録する内容】
- 名前
- 連絡先(メール・電話番号)
- 住所
もともと従業員の情報を管理している企業も多いので、登録準備は簡単です。また、従業員やその家族だけでなく、企業経営を左右する取引先などの情報も登録しておきましょう。経営に影響を及ぼす関係者すべてを登録することで、ハイスピードな事業の立て直しが可能です。
社内教育を実施する
安否確認ツールを導入して、関係者の情報を登録できたら、次に従業員への告知・社内教育を実施しましょう。従業員の中には、安否確認ツールの存在を把握しておらず、緊急事態の際にうまく活用してくれない人もいます。社内に安否確認ツールの導入を告知したり、家族用の資料を準備したりしておくとよいでしょう。
また、ただツールがあることを伝えるのではなく、社内教育を実施して実際に利用してみることが大切です。どのように利用するツールなのか、従業員やその家族がイメージできることが最終的なゴールとなります。
動作テスト・本格運用
前述したすべての準備が整ったら、実際に運用を開始して動作テストを行いましょう。登録した従業員やその家族の抜け・漏れがないか確認しながらテストを実施してください。たとえば、緊急事態になったことを想定し、実際に緊急連絡メールを送信してみるとよいでしょう。
従業員やその家族に、メールを送信するタイミングを伝えておけば、テストの精度を実証できます。定期的に緊急時テストと称して訓練することによって、本格運用が可能です。
安否確認ツールの必要性を理解したら製品を比較してみよう
緊急事態が発生した際には、従業員の安否確認を確認し、企業の経営を安定化させる必要があります。しかし、担当者の人力による安否確認では、確認に抜け・漏れがあることはもちろん、管理の負担が大きくなってしまうでしょう。そこで、安否確認の効率化に役立つのが安否確認ツールです。
しかし、安否確認ツールといっても、さまざまなサービスが提供されています。安否確認ツールの機能などを比較検討して、自社に合ったより良いツールを見つけてください。