BIツールを導入する際の主な課題として以下6つが挙げられます。
- 導入目的の曖昧さ
- データ基盤・品質に関する課題
- 組織・業務面の課題
- 技術的な課題
- 導入・運用の課題
- ROI(投資対効果)の課題
導入目的の曖昧さ
BIツールの導入目的が課題になる理由は大きく分けて2つあります。
- 目的が漠然としている
- 具体的なKPIの改善に結び付いていない
BIツールの目的が曖昧なままだと、ツール選定の軸がぶれたり、具体的なKPIの改善に結び付かなくなったりする原因になります。
BIツールは経営目標を達成するための手段ですので、自社が現在抱えている課題や問題を洗い出した上で「なぜBIツールを導入するのか」「どのような目標を達成したいのか」を明確にするところから始めましょう。
導入目的については測定可能なKPIに落とし込むことを意識しましょう。例えば「会議用資料の作成工数を50%減らす」など具体的な数値を盛り込むと導入後の効果を測定しやすくなります。
データ基盤・品質に関する課題
BIツールでは既存のデータを活用することになりますが、その際に以下のような問題が浮上する可能性があります。
- データ品質の問題
- データ統合の難しさ
- マスタ管理の不備
既存のデータの品質に問題があったり、データの統合に不備があったりすると、正しく分析できません。特に紙で保管しているデータは手入力が必要なことから、データの誤入力が起こりやすいです。
また、顧客や商品、組織などのマスタが適切に管理されていないと、データの整合性がとれず、データの重複や不足などの問題が発生して分析の精度が低下することもあります。
実際、ITreviewでも「個別条件でデータを抽出することができる人材が限られる」など、データ統合に難を感じている口コミがあります。
このような問題を解決するには、導入するツールのフォーマットに合わせたデータ管理を行う、社内のデータの現状分析を実施し、データの整理・収集に取り組むといった対策が必要になります。
組織・業務面の課題
組織・業務面で課題になりやすい要素は以下3つです。
- 要件が曖昧
- 部門間の調整の難しさ
- 利用文化の不足
BIツールはさまざまなデータを分析・可視化できる一方、「何を分析したいのか」を定義しておかないと、自社の目的や課題解決に適したツールを選定できなくなる恐れがあります。
また、部門間の調整が難しいのも課題の一つです。特にデータを保有する部門とデータを使用する現場がスムーズに連携できないと、ツールを導入しても思ったような成果を得られない可能性があります。
さらにデータを利活用する文化が浸透していない企業の場合、現場への普及が滞るリスクもあります。
ITreviewにも「BIツールに慣れていないメンバーにはハードルがあり、属人化しやすいと感じる」といった懸念の声が挙がっています。
これらの問題を解決するには、ツールの導入目的やKPIなどを明確に設定するとともに、部門間の連携体制を整える、ツールの導入理由やメリットを周知するなどの対策が必要です。
技術的な課題
技術面では以下のような課題に注意しましょう。
- データ基盤が未整備
- パフォーマンス問題
- セキュリティ・権限管理
データに誤りや欠損が多い、データ更新を手作業で行っており、リアルタイムに最新の情報を得られないなど、データ基盤が整っていない場合、BIツールを活用したとしても適切な結果が得られず、分析の信頼性が低下する恐れがあります。
また、データ量や設計次第では、ダッシュボードの表示速度や集計処理に影響を及ぼし、パフォーマンス低下を招くことも考えられます。
さらに、セキュリティや閲覧権限設定がしっかり行われていない場合、外部からの不正なアクセスや従業員のデータ持ちだしなどによる、情報漏えいのリスクが高くなりがちです。
これらの課題を解決するには、データガバナンスを整備して信頼できるデータを蓄積するとともに、適切なアクセス権限の設定などの対策を講じる必要があります。例えば事前に定義されたユーザーの役割に基づいてアクセスを許可するRBAC制御などを採り入れてみるのも一つの方法です。
導入・運用の課題
導入・運用時に問題になりやすいポイントは以下3つです。
- ツール選定ミス
- ユーザー教育不足
- 運用体制不足
BIツールは製品によって機能や性能、料金が異なるため、自社の目的やニーズに合わないツールを選ぶと、期待した費用対効果を得られない可能性があります。
また、これまでツールやシステムを利用してこなかった企業の場合「ツールの使い方が分からない」「ツールについて社内でサポートする人がいない」といった課題が発生することがあります。
実際のレビューでも「操作画面のUIがわかりづらく、慣れるまで時間がかかる」「ヘルプページが不親切で、動画も英語でわかりづらい」など、現場への普及に手こずったという経験談が散見されます。
これらの課題を解決するためには、自社の課題や問題を洗い出した上で、どのような機能・性能を持つツールが必要なのか明確に定義することが大切です。また、導入前後にツールの使い方をレクチャーする、マニュアルを整備する、担当者や問い合わせ窓口などの運用体制を整えるなどの対策も講じた方が良いでしょう。
ビジュアル・機能ともに充実、データリテラシーの高い人には最高
ROI(投資対効果)の課題
ツールのROI(投資対効果)については、以下のような課題があります。
- 効果が見えにくい
- 利用率が低い
せっかくBIツールを利用しても、会社の意思決定に使う体制が整っていなかったり、現場への普及率が悪かったりすると、ROIを実感しにくくなる可能性があります。
あるBIツールを導入したレビューでも「ダッシュボードのテンプレート機能があまり多くないため、ある程度レポートを作りなれている中級者以上向けのツールになっている」など、利用者が限定されてしまう課題に直面しているケースもあるようです。
BIツールで得られる効果を最大化するためには、どの意思決定を高速化したいのか、何を改善したいのかなど目的の定義をしっかり行うとともに、現場の声に耳を傾ける、必要に応じて導入後のフォローを行うなどの工夫が大切です。
BIツール導入時は目的の明確化や運用体制の整備が不可欠</h2>
BIツールを導入する際は、目的を明確に定義した上で、ツールを適切に運用するための体制を整えることが大切です。また、実際にツールを選定する際は、あらかじめ決めた目的や予算を基に、ニーズに適した製品を選びましょう。