erwin Data Modelerの製品情報（特徴・導入事例）

erwin Data Modeler：データ活用は「設計」から始まる。世界No.1の実績を誇るデータモデリング・ソリューション

erwin Data Modeler（アーウィン・データモデラー）は、30年以上にわたり世界中のエンタープライズ企業で採用され続けている、データモデリングツールの業界標準（デファクトスタンダード）です。 複雑化する企業のデータ資産を「可視化」し、高品質なデータベース設計、メンテナンスの自動化、そしてデータガバナンスの確立を強力に支援します。

Quest Software（クエスト・ソフトウェア）が提供するこのソリューションは、単なるデータベース設計図（ER図）の作成ツールではありません。オンプレミスからクラウド、RDBMSからNoSQLまで、あらゆるデータ環境を統合的に管理し、ビジネスのデジタルトランスフォーメーション（DX）を「データの基礎」から支えるプラットフォームです。

複雑なデータを「可視化」し、共通言語を作る

現代のシステム開発において、データ構造は複雑怪奇になりがちです。erwin Data Modelerは、ブラックボックス化したデータベースの中身を、誰もが理解できる「モデル」として可視化します。

・論理モデルと物理モデルの連携： ビジネスの観点に基づいた「論理モデル」と、特定のデータベース技術（Oracle, SQL Server, Snowflakeなど）に最適化された「物理モデル」を明確に分離して管理できます。これにより、ビジネス要件とシステム実装の乖離を防ぎ、IT部門と業務部門の間のコミュニケーションギャップを解消します。

・直感的なグラフィカルインターフェース： 膨大なテーブル数を持つ大規模システムであっても、洗練されたGUIにより全体像を俯瞰（ふかん）できます。データの流れや依存関係を一目で把握できるため、システム改修時の影響範囲分析も迅速に行えます。

開発と運用の「生産性」を劇的に向上

erwin Data Modelerは、データベース開発における手作業を排除し、エラーのない高品質なデリバリーを実現します。

・フォワードエンジニアリング（自動生成）： 作成したデータモデルから、対象のデータベースに合わせた正しい構文（DDL）を自動生成します。手書きのSQLによるミスを撲滅し、デプロイ時間を大幅に短縮します。

・リバースエンジニアリング（現状分析）： 既存のデータベースやDDLスクリプトを読み込み、自動的にER図（データモデル）を生成します。仕様書が存在しないレガシーシステムの「棚卸し」や、ドキュメントの最新化にかかる工数を劇的に削減します。

・コンプリート・コンペア（差分比較と同期）： 「設計書（モデル）」と「実機（データベース）」、あるいは「開発環境」と「本番環境」の差異を双方向で検出し、同期させる強力な機能を備えています。誰が、いつ、何を変更したかを追跡し、ボタン一つで環境間の整合性を取ることが可能です。

クラウド移行とモダナイゼーションの加速

従来のオンプレミスRDBMSだけでなく、クラウドネイティブな環境への移行においても、erwinは中心的な役割を果たします。

・広範なプラットフォームサポート： Oracle, SQL Server, DB2, PostgreSQL, MySQLといった主要RDBMSはもちろん、Snowflake, Redshift, Azure Synapse などのクラウドDWH、さらにはMongoDB, Cassandra, CouchbaseといったNoSQLデータベースまで、業界最多レベルのデータベースに対応しています。

・プラットフォーム変換の自動化： オンプレミスのOracleからクラウド上のSnowflakeへ移行する際など、異なるデータベース製品間でのデータ型や命名規則の変換を自動化します。これにより、クラウド移行プロジェクトのリスクとコストを最小限に抑えます。

データガバナンスと品質の向上

「データがどこにあり、何を意味し、どう使われているか」を管理することは、AI活用やデータ分析の前提条件です。

・命名規則の標準化（NSM）： 企業全体で統一された命名規則やデータ型を適用・強制することができます。これにより、「CustID」「Customer_ID」「Kokyaku_ID」といった表記ゆれを防ぎ、システム間のデータ連携や分析をスムーズにします。

・データリネージ（来歴管理）の基盤： erwinで作成されたモデルは、データがどこから来てどこへ行くのかを示す「データリネージ」の基礎情報となります。Questのデータインテリジェンス製品（erwin Data Intelligence）と連携することで、メタデータ管理やデータカタログ化へとスムーズに拡張可能です。