良いポイント
導入前は、境界防御型の対策が中心で、「侵入させない」ことに重きを置いていました。ただ、クラウド環境ではサーバーの増減が頻繁で、正直なところ管理が追いついていない部分もありました。
Zero Trust Cloud Workload Protectionを導入してから一番実感しているのは、「仮に侵入されても横展開を許さない」設計に変わったことです。ワークロード単位で通信を制御できるため、不要なポートや想定外の通信が可視化されました。これまで「動いているから問題ない」と見過ごしていた通信が意外と多かったことに気づかされました。
また、エージェントの導入自体はそれほど負荷が高くなく、既存環境に大きな影響を与えずに展開できた点も評価しています。ポリシーを段階的に適用できるため、いきなり通信遮断で業務停止というリスクを避けられました。
セキュリティ製品は「入れた瞬間がピーク」になりがちですが、本製品はログの蓄積と可視化が継続的な改善につながります。特にクラウド上のサーバー間通信を整理できたことは、設計の見直しにも役立ちました。
改善してほしいポイント
ポリシー設計の考え方に慣れるまで少し時間がかかりました。ゼロトラストの思想自体は理解していても、実際にどこまで通信を許可すべきかを判断するのは簡単ではありません。もう少しテンプレートや業種別のベストプラクティスが充実すると、導入初期の設計工数は下げられると感じます。特に中小規模の環境では、専任のセキュリティ担当がいないケースもあるため、より具体的なガイドがあると助かります。
どのような課題解決に貢献しましたか?どのようなメリットが得られましたか?
導入前は、クラウド上に約40台のサーバーがあり、通信経路の全体像を正確に把握できていませんでした。セキュリティ監査時にも説明に時間がかかっていました。
導入後は、ワークロード間通信の棚卸しが進み、不要な通信を約30%削減できました。結果として攻撃対象領域を明確に縮小できました。また、監査対応にかかる資料作成時間も、以前は半日以上かかっていたものが、ログと可視化画面を活用することで1〜2時間程度に短縮できました。
万が一インシデントが発生した場合でも、影響範囲をワークロード単位で限定できる設計になったことは大きな安心材料です。心理的にも「守れている感覚」ではなく、「制御できている感覚」に変わりました。
クラウド環境を拡張している組織ほど、効果を実感しやすい製品だと感じています。
検討者へお勧めするポイント
まず前提として、Zero Trust Cloud Workload Protectionは「ウイルス対策の延長」で検討する製品ではありません。境界防御を強化するというよりも、クラウド上のワークロード同士の通信を前提から整理し直すための基盤と考えたほうが適切です。
導入効果を最大化するには、単にエージェントを入れるのではなく、「現状の通信を一度棚卸しする」前提で進めることを勧めます。可視化された通信ログを見ながら段階的にポリシーを絞っていくと、業務影響を抑えつつゼロトラスト設計へ移行できます。
また、セキュリティ専任者が少ない環境ほど、早い段階で検討したほうがよいと感じます。環境が複雑化してから整理しようとすると工数が跳ね上がります。規模が中程度のうちに通信制御の枠組みを整えておくことで、将来的な拡張にも耐えやすくなります。
「攻撃を防ぐ」よりも「侵入後の被害を限定する」ことに価値を感じる組織であれば、検討する意義は十分にある製品です。