スマートフォンが広く普及したことにより、スマートフォンアプリは企業にとってビジネスの柱に考えられるようになりました。アプリによる月額課金、ブランドのファンづくり、オンラインショップなどさまざまなシーンで活用されています。

ビジネスと密接な関係を持つアプリを運用する場合、「ユーザーがアプリをどのように使っているか?」というデータを解析することで、さまざまなメリットがあります。この記事では、アプリ解析ツールの役立つ機能について解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

アプリ解析ツールでできる3つのこと

アプリ解析ツールを使ってできることは、主に3つあります。ユーザーデータの分析、顧客満足度の把握、そしてレポートを自動でつくることです。

ユーザーデータを分析する

アプリ解析ツールを使えば、ユーザーデータをさまざまな角度から分析できます。一般的に分析できるのは、ユーザーが使用している端末やOS、現在位置情報などの属性情報、ユーザーがアプリをどのように操作しているかなどの行動情報です。ユーザーデータを分析すれば、アプリの改善点を見つけ、より良いアプリ開発に情報を役立てられます。

顧客満足度を把握する

アプリ解析ツールが収集する情報により、顧客満足度を把握することもできます。ユーザーがアプリ利用に満足しているかどうかは、ビジネスの結果を大きく左右する要素です。顧客満足度の向上を目指すには、アプリ解析ツールが欠かせません。

レポートを自動でつくる

アプリ解析ツールで収集した情報はレポートとして出力できます。Excelを使って担当者自身がグラフ等をつくる必要はなく、アプリ解析ツールが自動で作成してくれるのでレポート出力の手間がなくなります。

アプリ解析ツールの役立つ機能とは

それでは、アプリ解析ツールに備わっている一般的な機能についてご紹介します。

アクセス分析

ユーザーごとに使っている端末、OSの種類やバージョンなどを分類し、ユーザーがアプリをどのように使っているかを把握できます。アクティブユーザーの数、イベントごとの実行回数など、アプリ運営に欠かせない指標ばかりです。

セグメント分析

ユーザーの属性情報からセグメンテーション(分類)を行い、セグメントごとにユーザーを分析できます。

ヒートマップ分析

アプリ内のどこがよくタップされているのか、ユーザーはどこに着目しているのかなどをサーモグラフィーのように表せます。

コンバージョン分析

アプリが目標としているコンバージョン(成果)を設定し、ユーザーの数や利用回数などに対するコンバージョン率をチェックできます。

LTV分析

アプリに対する課金頻度や期間などを集計し、アプリのLTV(顧客生涯価値)を把握できます。

クラッシュ分析

アプリに発生したクラッシュ(不具合)を発見し、クラッシュ発生の日時やバージョンなどを分析できます。

ABテストの実施

AとB、2つの要素を同時に公開し、どちらのほうがコンバージョン率が高いかをテストできます。

レポート作成

アプリ解析ツールで集計したさまざまなデータを、好きな切り口からレポートとして出力できます。

アプリ解析ツールで確認できるKPI(指標)

アプリ解析ツールを利用すれば、さまざまなKPIを確認しながらアプリ運用を最適化できるようになります。アプリ運用においてビジネスに関連のあるKPIといえば下記の4点です。

  • アプリのインストール数
  • アプリのアンインストール数
  • アクティブユーザー数
  • プッシュ通知の開封率

適切なアプリ運用によりPDCAサイクルを継続的に回すためには、これらのKPIを常に追い続けなければいけません。アプリ解析ツールがない環境ではKPIを追うことが難しいため、アプリ運用の適正化のためにもアプリ解析ツールの導入を検討しましょう。

アプリにおけるKPIに関しては『アプリを成長させたい!KPIを設定するために覚えておきたいポイントを紹介』にて詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

アプリ解析ツール選びのポイント

最後に、アプリ解析ツールの選び方についてご紹介します。

1つ目に大切なポイントは「導入目的の明確化」です。アプリ解析ツールを導入する主な目的は「アプリ運用の最適化」ですが、企業によって細かい目的は異なります。

広告収入のアップなのか、顧客満足度の向上なのか、あるいはユーザーの行動分析により利用状況を把握したいのか。こうした細かい目的を明確にしていないと、自社に合ったアプリ解析ツールを選ぶのが難しくなってしまいます。

アプリ解析ツールの導入目的を感覚的に決めるのではなく、改めて議論し、細かい目的まで明確にしてから製品選びを始めましょう。

2つ目に大切なポイントは「コストの比較」です。多くのアプリ解析ツールは月額性のクラウドサービスで提供されるため、アプリ解析ツールを利用する人数や、解析する範囲などによってコストが異なります。

また、アプリ解析ツールには無料で提供されているものもあるため、そうした製品も含めてコスト比較を行いましょう。

「無料で使えるならそれが良いに決まっている」と思われるかもしれませんが、有料製品に比べると機能面で不足する部分が多いため、必ずしも安ければ良いわけではありません。

したがって、1つ目のポイントで導入目的の明確化をしっかりと行い、自社が導入するアプリ解析ツールに必要な機能を整理した上でコストを比較することが大切です。

アプリ解析ツールでユーザー行動を解析しましょう

アプリ解析ツールを導入すれば、ユーザーがアプリをどのように利用しているかなどの情報を隅々まで把握できるようになります。

ただし、アプリ解析ツールを導入すればアプリがすぐに改善されるわけではありません。あくまで情報提供ツールであり、最終的には人の判断によってアプリを改善していかなければならない、ということを忘れないでください。その上で、自社に合ったアプリ解析ツールを選んでみましょう。

この記事の執筆

CASITOMO

ライター

夫婦Webライター。2013年に夫婦で独立し、10,000本以上のSEOコンテンツを企業オウンドメディアに提供。夫は元通訳・翻訳家、妻は元アパレルマネージャー。映画鑑賞とバスケ、週末ベイキングが共通趣味。

この記事の監修

ITreview Labo編集部

ITreviewの記事編集チーム。ITreviewの運用経験を活かし、SaaSやIT製品に関するコンテンツをお届けします。

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