2018年に公表された三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査によると、スマートフォンにインストールされているアプリの平均数は82.4個だそうです。一方で、インストールしたアプリの2割程度しか実際には使っていないことも判明しています。

出典:スマートフォンの実利用データに見る人々のインターネット利用の実態|三菱UFJリサーチ&コンサルティング

ビジネスへの貢献度が高いアプリですが、インストール数が増えたからといって喜ぶのは早計です。自社アプリがどのように使われているかをしっかりと把握しながら、アプリの改善等に努めなければ高いビジネス効果は見込めないでしょう。

この記事では、自社アプリの解析に加えて業界や他社の動向まで探れる、アプリ解析ツールのについてご紹介します。

アプリ解析ツールとは?

アプリ解析ツールとは、アプリ内でユーザーがどのような行動をしているか、ユーザーはどのような属性情報を持っているかなどを把握できるツールです。次の3点が主な役割となります。

  • 属性情報、アプリの利用状況などのユーザーデータを分析する
  • アプリの顧客満足度と問題点を把握して改善活動に役立てる
  • アプリ解析のレポートを自動的に作成してPDCAサイクルを高速化する

インストール数を把握するだけでは、アプリ解析として不十分です。コンテンツが想定していた通りに使われているか、ユーザーごとにどのような属性情報を持っているかなどを把握して初めて、PDCAサイクルを増すことができるです。

アプリ解析ツールは、アプリの改善サイクルを効率よく回すために必要な、さまざまな情報を提供してくれます。インストール数やアクティブユーザー数に限らず、さまざまなKPIを用いた改善活動が可能になります。

アプリ解析ツールの基本的な機能

基本的には分析機能が中心です。ユーザーの属性情報からアプリ内での行動データを軸にしながら、さまざまな分析機能によって自社アプリの実態を明らかにします。

ユーザー実態を分類ごとに把握するセグメント分析、アプリのビジネス貢献度を把握するコンバージョン分析、アプリがどれくらいの収益を生んでいるかを知るLTV(顧客生涯価値)分析などが主な分析機能です。

アプリ解析ツールによっては、ヒートマップ分析を備えていることもあります。ヒートマップとは、アプリ内のどこが最もタップされているか、何が注目されているかなどをサーモグラフィーのように表す分析機能です。アプリのUIを少し変更するだけでビジネス貢献度が変化することは珍しくないので、ヒートマップ分析を用いると効率よくアプリを改善できます。

また、アプリのクラッシュ分析も可能です。アプリに不具合が発生した際に、なぜ・どこで不具合が発生したのかなどを自動的に分析できます。

このようにアプリ解析ツールには、アプリでビジネスを促進するために欠かせない機能が整っています。

アプリ解析ツールなら業界のトレンドや他社の動向も探れる

アプリ解析ツールによっては、他社アプリの分析を通して業界のトレンドまで把握できます。たとえば、App Ape(アップ・エイプ)、SimilarWeb(シミラー・ウェブ)などが該当します。

アプリ解析ツールを利用すると、他社アプリのインストール数、アクティブユーザー数、リテンション率(顧客維持率)などを分析可能です。これらの分析により、業界のトレンドを把握し、業界全体や他社に比べて自社アプリがどういった立ち位置にあるかを正確に知ることができます。

正確な3C分析(顧客、競合、自社の3者分析)が行えるようになり、戦略的なアプリ運用を目指せるようになります。

アプリ解析ツールを導入するメリット

アプリ解析ツールを導入する何よりのメリットは、「今まで知り得なかった自社・他社アプリの現状を把握できるようになること」です。

ビジネス貢献のためにアプリを運用している企業は多いものの、KPI(重要業績指標)としてインストール数やアクティブユーザー数しか追っていないケースが珍しくありません。この2つのKPIで把握できるのは、「アプリがインストールされている数」と「そのうち実際に使われている数」のみです。

これでは正確なアプリ解析ができず、ユーザーの視点に立ったアプリ改善が行えません。「アプリがどのように使われているか?」「使用頻度の低い機能はどれか?」など、アプリの現状を幅広く把握し、ユーザーの視点に立ったアプリ改善を行うためにはさまざまなデータを収集し、インストール数・アクティブユーザー数以外のKPIも追う必要があります。

アプリ解析ツールを利用すれば、利用データをツールが自動的に取得し、さらに分析レポートとして出力してくれるためユーザーの視点に立ったアプリ改善を進めることができます。

ツールを活用して戦略的なアプリ運用を目指そう

この機会に、アプリ解析ツールを使って戦略的なアプリ運用を目指してみましょう。複数のKPIを設定してアプリの利用状況を正確に把握し、ユーザーの視点に立った適切な改善施策を効率よく実施していきましょう。そのためにも、まずは業界のトレンドや他社アプリの現状を把握できるアプリ解析ツールを検討してみてください。

この記事の執筆

CASITOMO

ライター

夫婦Webライター。2013年に夫婦で独立し、10,000本以上のSEOコンテンツを企業オウンドメディアに提供。夫は元通訳・翻訳家、妻は元アパレルマネージャー。映画鑑賞とバスケ、週末ベイキングが共通趣味。

この記事の監修

ITreview Labo編集部

ITreviewの記事編集チーム。ITreviewの運用経験を活かし、SaaSやIT製品に関するコンテンツをお届けします。

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