ネット社会となった現代では、WEBマーケティングはビジネス成功への鍵です。なかでも、特に重要な手段として用いられているのが企業アプリです。スマートフォンの普及もあり、集客や商品・サービスの認知度向上などさまざまな目的で利用されています。
しかし、アプリは提供して終わりというものではありません。利用者が増えなければ、アプリ制作を行った本来の目的が達成できないことになってしまいます。アプリを成長させることが、企業の成長へとつながります。
その成長を図るための手法として用いられるのがKPIです。KPIとは、目標達成に向け達成度合いを計測・監視するための定量的な指標です。顧客満足度向上のため、ユーザーからの反響を分析するにはKPIが重要な役割を果たします。そこで今回はアプリで用いられるKPIと、計測するためのアプリ解析ツールについて解説します。
アプリでKPIを設定する目的
アプリでKPIを設定する目的は、プロセスを評価し改善につなげることです。そのポイントとなるのが「各プロセス」で行うことです。つまりダウンロード数だけをゴールとするのではなく、複数の指標を用いて評価しなければいけません。
しかしなぜプロセスが重要となるのでしょうか。その理由は、アプリを運用する目的に合わせて考える必要があります。
ダウンロードされても、アプリが利用されない、もしくはアンインストールされれば意味がありません。一方で頻繁にアクセスしたり課金・売上単価が高かったりするユーザーは、目標達成に向けて確実に貢献してくれます。このことから、アプリにおいてはダウンロード数だけでなくその後の過程を見る必要があり、それらを継続して評価することで目標達成に近づくことになります。
アプリにおける主要KPI
企業アプリの目的はECストアの開設やブランド広告などさまざまですが、その用途によって必要なKPIは異なります。ここでは共通してよく使われるKPIをご紹介します。
1.インストール数
アプリをインストールした数を表します。ここで注意すべき点は、あくまでインストールの数でありダウンロードの数ではないことです。ダウンロードはアプリのデータを保存したもので、まだ利用できる状態になっていません。利用できる状態になっているものがインストールとしてカウントされます。
2.継続率
ユーザーがどれだけ継続利用しているのかを示す指標です。具体的な見方としては、翌日・7日・30日という単位で、インストール後に再度起動したユーザーの割合を算出します。
3.ARPU
一定期間における1ユーザーあたりの平均売上額です。アプリのマネタイズ方法によって違いがあり、課金モデルであれば平均購入単価、無料アプリは広告単価、クリック広告モデルはクリック単価を用いて計算されます。
KPIの設定で注意すべきポイント
KPIの設定で注意すべき点はいくつかありますが、「SMARTの法則」を用いることでより効果的な指標の設定が可能です。
SMARTの法則は次の5つの要素で構成されています。
- S(Specific/具体的に)
- M(Measurable/数値で計測できること)
- A(Achievable/実現可能な)
- R(Relevant/目標と関連すること)
- T(Time-bounded/期限が明確であること)
つまり指標が抽象的で分かりにくいものや実現の可能性が低いもの、最終的な大きな目標に関連性のないものは指標として適切ではありません。メンバー全員が共通認識を持てる数値を用いて、細かくプロセスや期限を区切り目標の進捗度を可視化することが重要です。
KPIを達成するためにはPDCAを回すことが不可欠
KPIを達成するためにはPDCAを回すことが不可欠です。指標設定は、単なる評価でしかありません。評価した結果を活用し目標到達に向けて施策を繰り返すことがアプリの成長につながります。
具体的には以下のステップを繰り返します。
1.Plan(計画)
アプリの目的に合わせたKPIを設定します。
2.Do(実行)
日々のデータの推移を観察します。1回の計測だけではなく、2回、3回と繰り返し変化を見ながらその原因を探るのがポイントです。
3.Check(確認)
計測結果を用いて分析を行います。とくに前回の施策によって大きな変化がある場合は、徹底的な分析が必要です。
4.Action(改善)
分析結果から次の戦略を立て、改善を行います。ここでのポイントは、改善効果を明確にするために、ターゲットをある程度絞ることです。例えばある年代や性別を対象としたり、特定のクーポンだけ改善したりすることなどです。
これら4つのステップを繰り返すことで、リリース直後よりもアプリは飛躍的に成長します。またPDCAサイクルを回すことでそれぞれの精度が増し、業務効率の向上とともに大きな目標達成に近づけるのです。
運用をサポートしてくれるアプリ解析ツールを探そう
KPIの指標には、集計だけで済むものもあれば手間のかかる計算もあります。それら全てを自社で行う場合多大な時間とコストが必要となり、かえって業務の支障になる可能性があります。そのようなときに便利なのが、アプリ解析ツールです。アプリ解析ツールに寄せられたレビューをご紹介します。
・KARATE
Webサイトやアプリを利用するユーザーの行動をリアルタイムに解析・可視化できる「KARATE」には以下のようなレビューが投稿されました。
・KARATEの参考レビュー
KPIの改善(主に新規ユーザーの会員登録率及び継続率の向上に貢献)
KARTEでは事前に定義しておいた条件でユーザーをグルーピングできます。(新規ユーザー・ライトユーザー・ヘビーユーザー ✕ サービス利用開始からの経過日数 のかけ合わせ等)
これによって、ユーザーの状態にあわせて最適なコミュニケーションを取る事ができ、冒頭に記載したような効果が出ています。
KARATEへのレビュー「CRM領域・コンテンツ企画領域での良いパートナーです。」より
Rtoaster(アールトースター)
高精度のレコメンデーションによるWeb・アプリのコンテンツ最適化機能を持つ「Rtoaster」には実用性のあるレビューが届きました。
・Rtoaster(アールトースター)の参考レビュー
ABテストとポップアップ広告を主に使っている。ユーザー単位のターゲティングを手軽に実行に移せることに加えて、セグメントとの掛け合わせによってユーザー層に合わせたクリエイティブを届けるという高度なデジタルマーケティングができている。他のABテストツールやDMPツールでは手の届かないような細やかなターゲティングを設定できることで、経験豊富なマーケターの方の満足度も高い。
Rtoasterへのレビュー「多彩な施策展開が可能なプライベートDMP」より
Repro
「Repro」はユーザー行動・属性データをもとに⾼速PDCAを実現できるWebとアプリの接客ツールです。アプリ運営に必要な機能がワンセットになった頼れるツールです。
・Reproの参考レビュー
アプリ利用者へのプッシュ通知やアプリ内メッセージが簡単なUIで作成、送信ができるため、突発的な対応もすぐに行えます。
また、送信先をフィルタリングする際も同じ画面内からAnd Or Notで条件を追加していくだけなのでわかりやすいてす。
予約送信も行えるので、中長期的な施策も可能です。
Reproへのレビュー「一通りの機能がそろっている」より
アプリ解析ツールは利用者の起動状況や活用状況など、アプリの目的に沿ってさまざまな角度からデータを集計して可視化できるものです。なかには操作の様子を録画し、そのアプリの改善点を発見できるツールもあります。気になる人は、ぜひ比較検討してみてください。