近年、社会全体がデジタル化に向かい、ビジネスシーンにおいても紙の書類から電子文書への転換が進んでいます。しかし、電子文書が増えると同時に、課題となるのが「文書管理」です。ファイルによるサーバ容量の圧迫だけでなく、文書が所在不明になったりデータを紛失したりするなど、生産性の低下につながることも少なくありません。
それらを解決する手段として注目されているのが「文書管理ツール」です。文書管理ツールを使えば、文書の保管から一括検索、バージョン管理、保管期限の設定まで、電子文書が廃棄されるまでのサイクルを一括で管理できるようになります。
しかしこれまで個別に管理していたものを「一括管理」するとなった場合、気になるのがセキュリティ面です。とくに企業においては営業資料・顧客リスト・契約書などの社外秘文書だけではなく、役職者ごとに閲覧権限が必要なものもあります。そこで今回は、機密度の高い文書にも対応可能な文書管理ツールをご紹介します。
電子文書におけるセキュリティリスクとは
電子文書は紙に比べ、コストの削減や配布が容易にできるなど多くのメリットがあります。その反面、紙の書類では起きなかったセキュリティリスクも伴います。

引用:2018年情報セキュリティインシデントに関する調査結果~個人情報漏えい編~(速報版)|NPO日本ネットワークセキュリティ協会
上記の図は個人情報漏洩に関して、要因別にまとめたものになります。これによると、以下の点に注意すべきことがわかります。
- 紛失・置き忘れによる流出
- 誤操作によるもの
- 社外からのサイバー攻撃
不正アクセスやウイルス侵入によるサイバー攻撃は日々進化し続けており、企業側がどんなに対策を講じてもセキュリティリスクをゼロにはできません。しかしグラフを見て分かるように、多くは社内で発生した過失によるものです。つまりセキュリティリスクを低減させるには、電子文書を適切に管理する必要があります。
セキュリティに優れた文書管理ツールとは?
従来はセキュリティを考慮した際、社内にサーバを構え社内ネットワークだけで運用する方法が一般的でした。しかしテレワークの導入が進む昨今では、社内だけでなく社外からも電子文書にアクセスできる環境が求められます。文書管理ツールにはオンプレミス、クラウド、パッケージソフトなどの提供形態がありますが、いずれの場合も以下のような機能によって高いセキュリティ環境を実現しています。
- ファイルの暗号化
- 権限の設定機能
- ログ管理と監視
- バックアップ機能
- 期限管理機能
これらの機能を活用することで、社外・社内を問わず機密性を保つことが可能となり、想定外のデータ紛失や不要ファイルの廃棄などにも対応できるようになります。
おすすめの文書管理ツール4選
DirectCloud
「DirectCloud」は、ユーザー数無制限の法人向けクラウド型ストレージです。大企業から中小企業まで1,500社以上の導入実績があり、業種を問わず幅広く利用されています。NAS・ファイルサーバーをクラウド上に移行することで、社内および取引先とファイルを共有可能です。また、侵入検知システムやデータの暗号化によってセキュリティを保ち、24時間365日の監視体制で高い可用性・信頼性を実現します。
提供形態 | 主なセキュリティ機能 |
クラウド |
Webの脆弱性を悪用した攻撃からの保護不正アクセス監視サービス(IDS)通信経路の暗号化保存データ暗号化 |
・利用者レビュー
同一料金でユーザー数無制限というのが非常に魅力的。多くのお客様、取引先とのやりとりをすべて行うことができるので、コストパフォーマンスがとても高い。
引用:https://www.itreview.jp/products/directcloud-box/reviews/138929
ダイレクトクラウドドライブをつかうとPCの別ドライブとして認識されるため、ブラウザやアプリを利用するよりも扱いやすい。RPAなどとの連携もしやすくなる。
楽々Document Plus
「楽々Document Plus」は、750社以上のさまざまな業種で利用されている文書管理システムです。高性能の全文検索エンジンを使用することであいまい検索に対応し、Word・Excel・PDF・OCRなどファイル形式を問わず検索および高速表示できます。また、ワークフロー機能を搭載しており、契約書・ISO文書も管理できます。
提供形態 | 主なセキュリティ機能 |
オンプレミス/パッケージソフト |
グループに応じた権限制御作業履歴とアクセスログダウンロード・印刷のセキュリティ制御PDFファイルへの透かし挿入 |
・利用者レビュー
社内標準・規格類の電子化に成功し、検索機能により可用性が高まりました。
引用:https://www.itreview.jp/products/rakurakudocument-plus/reviews/47009
折しも急速なテレワーク化が進み、紙保存の規格類にアクセスするのは困難である為、改めて有用性を再認識しました。
SmartDB
「SmartDB」は、部門業務および全社横断業務を超えて完全デジタル化を実現できるプラットフォームです。ノーコード/ローコードを用いて、専門知識なしでもアプリ開発を行えます。フォーム作成機能やワークフロー機能を搭載しており、複雑な要件にも対応可能です。堅牢なセキュリティを備えながら外部システムと連携できるため、大企業を中心に50万人以上の人が利用しています。
提供形態 | 主なセキュリティ機能 |
クラウド |
作業履歴とアクセスログアクセス制限不正ログイン対策(IPアドレス)脆弱性対策(定期診断) |
・利用者レビュー
大企業をターゲットにしていることからもわかるように、セキュリティ(専用サーバー環境)、他システム連携(Teams、REST APIなど)、管理者画面、機能面など充実しています。
引用:https://www.itreview.jp/products/smartdb/reviews/95646
また、テクニカルサポートが丁寧で好感が持てます。
有償になりますが、導入から実際のアプリを作成し立ち上げるまでのサポートを行ってくれる「オンボーディング」という支援サービスもあり、利用者部門主導で導入する場合にはプロマネ的な立場で社内展開等についてもアドバイスしてもらえるため、利用価値ありだと思います。
特に、ワークフロー機能については、様々な考慮がなされていて、慣れは必要ですがだいたいやりたいことが実現できます。
リーテックス
「リーテックス」は、社内文書の共有に加え、電子帳簿保存法に対応した電子契約が可能な取引電子化クラウドです。厳重な本人確認や二要素認証によって不正ログインを防止したり、タイムスタンプ・電子署名機能によって文書の改ざんを防止したりできます。電子債権記録機関による記録事項証明書の発行にも対応しており、法的安全性が高く金融サービスとの連携も可能です。
提供形態 | 主なセキュリティ機能 |
クラウド |
電子帳簿保存法に対応不正ログイン防止金融機関水準の本人確認法的安全性を完備 |
・利用者レビュー
他社のサービスと比較し、二要素認定や厳重な本人確認により、セキュリティがしっかりしていることが良いと感じた。また、電子契約だけでなく、紙の契約書をpdf化して保存する事が出来るので、今までの紙の契約書と電子契約書を一元管理できるところが、とても便利です。
引用:https://www.itreview.jp/products/le-techs-dc/reviews/131283
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安全かつ効率よく文書管理を行うには、社内の運用ルールは必須です。しかし実際の運用では社員1人ひとりに依存するところが多く、全ての社員にルールを徹底させるのは難しいと感じるでしょう。その悩みを解決してくれるのが文書管理ツールです。
文書管理ツールを導入することで、従業員は決められたルール通りに運用できる環境が整い、管理者側も手間をかけず高いセキュリティを保持できるようになります。さらには効率的なワークフローへの見直し、および法令遵守や資産保全などが求められる内部統制にも効果的です。
文書管理ツールの導入を検討している方は、「ITreview」で詳細情報を確認し、自社に合ったシステムを検討してみてください。