その中で注目されているのがMEO対策です。MEO対策はクリニック・病院だけでなく、さまざまなビジネスにおいて効果的に集客アップできる方法として活用されています。そこで今回は、MEO対策を行うメリットやMEOツールの活用事例などを紹介します。

クリニック・病院におけるMEO対策の必要性

MEO対策とは、Googleマップ検索の際に自分の店舗やクリニック・病院などを上位表示させるための施策です。MEO対策が必要な理由は以下のようになります。

スマートフォン利用者が増加している

総務省の「令和4年(2022年)版 情報通信白書」によると、デジタルを活用する際のインターネット端末について、2021年の世帯保有率は、スマートフォン88.6%、パソコン69.8%となっています。5年前と比較するとスマートフォンの保有数は増え続け、16.8%の上昇です。

出典:令和4年版 情報通信白書|総論|総務省

スマートフォンの場合、場所を特定するため地域性の高い「鎌倉_内科」等のキーワードで検索されるのがほとんどです。このことから、スマートフォン利用者をターゲットにしたGoogleマップ検索の上位表示が集患に有効であるとわかります。

SEOによる検索結果より上に表示される

MEOがGoogleマップ検索の施策であるのに対し、SEO(検索エンジン最適化)は地域性を伴わない一般検索の上位表示です。Google検索ではこれらは別々に表示されています。

下記のイメージからわかるように、MEOはSEOよりも結果が上位に表示されます。つまり、SEOよりも目につきやすくなるということです。

SEO対策による検索結果で上位表示の難易度が上がっている

SEOでは内容の薄い低品質な記事を除外し、読み込みの速いページやユーザーに有益なサイトを表示させるよう年々アップデートを繰り返しています。そのため、サイト運営者は時間を掛けて有益なコンテンツを作らなければ検索エンジンに評価されない状況です。さらに、内部構造の整備やコンテンツ追加などあらゆる施策を講じても、上位表示まで6ヶ月以上かかるのが一般的です。

一方MEOでは、地域に信頼される企業や病院に関する情報は上位に表示される傾向にあります。期間も施策後1ヶ月程度で上位になることがあり、SEOに比べて効率的だと言えるでしょう。

クリニック・病院はMEO対策の効果が出やすい

MEOの効果が出やすい業種は、実店舗を持っているビジネスです。理由は、「鎌倉 内科」のようにGoogleマップで検索され、なおかつGoogleマップ上で比較されることが多いためです。地域密着型で、商圏の幅が非常に狭いのも理由の1つだと言えるでしょう。

具体的にはクリニック・病院、飲食店、美容室、不動産、カーディーラー、鍵交換、買取業など、場所を明確に特定できるビジネスに有効です。

クリニック・病院のMEO対策で得られるメリットとは?

クリニック・病院がMEO対策によって得られるメリットを見ていきましょう。

ユーザーの目に留まりやすい

MEO対策によって上位3位以内に入れば、SEOより上に表示されるようになります。加えて以下のイメージのように地図や住所、連絡先などが掲載されるため、ユーザーのクリック率も高まります。またスマートフォンの場合、ファーストビュー(Webページを表示した際に最初に目に入るエリア)として表示されるため、より効果的にユーザーのアクションを促すことができます。

MEO対策によって毎回上位表示が続けば、長期的にユーザーから認知されやすくなります。さらに詳細情報を写真などで充実させれば、まだ獲得できていない見込み患者に対してアピールできるため、宣伝材料として効果的です。

広告費のコストを削減できる

MEOは、SEOやリスティング広告に比べて費用対効果が高いのが特徴です。

SEO対策では、上位表示させるため専門の業者に依頼することが多く、月額数十万円になることも珍しくありません。リスティング広告も同様で、広告掲載費は月額10〜50万円、プラス専門業者への委託費が2〜10万円になります。

一方、MEO対策の場合、無料で使えるGoogleビジネスプロフィールに登録するだけで始められます。もちろんGoogleマップの上位を狙うにはクリニック・病院の情報を詳しく登録して内容を充実させる必要がありますが、SEOほどの難しさはありません。専門業者に依頼しても月額2〜3万程度となり低コストに抑えられます。

口コミによる集客の相乗効果を期待できる

Googleマップ検索では、以下のイメージのように詳細情報とともにユーザーの口コミも掲載されています。口コミはユーザーが検索結果を比較するときに利用されるため、集患に関わる重要なポイントです。

口コミの数が多いほど、近隣地域で人気があることが伺えます。そして良い口コミが増えれば、満足度の高いサービスが提供されるイメージへとつながります。口コミによる信頼感・安心感が新たな患者獲得となり、さらに口コミを増やす相乗効果を生み出してくれます。

競合が絞られる

MEO対策は、SEOに比べて競合が少なく成果も出やすい施策です。SEOは全国のユーザーをターゲットとしていますが、MEOでは特定の地域に存在するクリニック・病院のみが競合となります。近隣の医院がMEO対策をしていなければ、より上位に表示される確率が高くなると言えるでしょう。

MEO対策の活用事例

実際のMEO対策でどのような成果が出ているのか、利用ツールも合わせて見ていきましょう。

利用ツール:MEO Dashboard byGMO

機能:Googleビジネスプロフィールの運用・管理、キーワード別の日々の自店舗・競合店舗の順位測定、ユーザーの検索後の行動分析、アンケートを使った口コミ促進機能など。

活用事例:歯科クリニックでアクション数228%UP、婦人科クリニックで表示回数が500%UPなどの実績。全国に100店舗を展開する美容クリニックでは、検索上位3位以内に表示される割合が50%から80%に上昇。

利用ツール:MEOチェキ

機能:Googleビジネスプロフィールの運用・管理、順位取得、予約投稿、過去のインサイトや口コミなどデータの可視化・分析、内部分析・競合分析など。

活用事例:首都圏に44店舗を構える音楽スクールで、週2時間を要した投稿作業が20分に軽減。ツール利用後、4ヶ月でGoogleマップ経由の問い合わせが1.5倍。

利用ツール:Gyro-n MEO

機能:Googleビジネスプロフィールの運用・管理、順位計測、多店舗一括管理、競合のベンチマーク、インバウンド対応など。

活用事例:仙台市拠点の不動産会社で、3ヶ月目から表示回数が伸び9ヶ月目には当初の3倍近くまで増加。間接検索数は4ヶ月目から増え続け、9ヶ月目の時点で2倍を達成。

利用ツール:ローカルミエルカ

機能:店舗情報の一括管理、情報発信の自動化 + 一斉配信、マップ順位計測(自社・競合)、お客様アンケート+クチコミ獲得など。

活用事例:質屋などを全国約210店舗展開する企業において、2ヶ月でGoogleマップ経由の問い合わせ数が390件から470件に増加。平均単価は前月比で5000円UPし、Googleマイビジネス内のアクション増加により、Webサイトへ流入したコンバージョンも増加。

ツールの活用で効果的なMEO対策を!

MEO対策はSEOに比べて比較的取り組みやすく、成果が出やすい集患方法です。とくに近隣地域の競合医院でMEO対策が進んでいないのであれば、いち早く取り組むことで新たな患者獲得につながります。

MEO対策ツールを活用すれば一連の作業がスムーズになり、効率的にMEO対策を進められます。気になる方はぜひツールの活用を検討してください。

この記事の執筆

honyakuma

ライター

システム会社勤務のサラリーマン。これまで物流、バックオフィス系のシステムに従事。「ITをわかりやすく」をモットーにWEBライターとして活動中。

この記事の監修

ITreview Labo編集部

ITreviewの記事編集チーム。ITreviewの運用経験を活かし、SaaSやIT製品に関するコンテンツをお届けします。

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