まったく同じ内容の問い合わせをお客さまから何度も受けて、時間を奪われているビジネスパーソンは少なくないでしょう。しかし、顧客からの質問はビジネスチャンスにつながる大切なコミュニケーションであり、常に真摯に応えるのがビジネスの基本です。

そこで、従業員の時間を奪わずにセールスの機会を生かしたいなら、Web接客ツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。本記事では、Web接客ツールで実現できること、利用シーンについて解説します。

Web接客ではなにができる?

Web接客を導入すると、Webサイトを訪れたユーザーへ自動的にアクションできます。たとえば、おすすめの製品やサービスを紹介したり、キャンペーンの告知をしたりできます。

なお、Web接客とオンライン接客はよく似た言葉ではありますが、オンライン接客がビデオ通話やチャットなどを用いて人が接客するのに対して、Web接客はAIやシナリオ設計が自動で接客するといった違いがあります。

どちらも明確な定義があるわけではありませんが、2つの違いを区別しておくと目的のサービスが見つけやすくなるでしょう。ここでは人を介さないサービスという定義で、Web接客ツールについて解説します。

AIを活用してユーザーの質問や要望に答えられる

AI会話機能を搭載したWeb接客ツールもあり、ユーザーの質問や要望に対してチャットを用いて自動応答で返信できるようになります。ユーザーが投げかけた質問にAIが回答することで、人的コストをかけずにユーザーの求める製品やサービスに誘導することが可能です。

ポップアップ表示でキャンペーンをお知らせできる

プロモーション活動の一環として広告表示を目立たせたい場合、Web接客ツールはユーザーの端末画面にポップアップを表示できます。せっかく企画したプロモーションでも、ターゲットの目にとまらなければ効果を期待できないでしょう。

ポップアップであれば、ユーザーが情報確認する確率が高まり、広告効果が向上してコンバージョンアップも期待できます。

Web行動分析を用いてユーザーデータを収集できる

Web行動分析機能を利用すると、ユーザーが閲覧したWebサイトやチャットボットへの質問内容から行動履歴を分析できます。行動履歴からユーザーの好みや趣向を確認できるため、リアルタイムマーケティングとして活用している企業も少なくありません。

例えば、AmazonやYouTubeなどに表示される「あなたへのおすすめ」のように、ターゲットの行動から分析した最適なアプローチにつながります。

Webサイトからの離脱を防げる

Webサイトにアクセスしたユーザーは、目的の製品・情報が見つからない場合、検索サイトに戻ったり他の検索方法に切り替えたりして離脱する可能性が高くなります。

したがって、情報を見つけやすいユーザーファーストのサイトを作り込むことが重要ですが、サイトマップやワイヤーフレームの改善だけでは優れたUXとは言えません。ユーザーがWebサイトに求めているのはデザイン性ではなく、使いやすい機能性やシンプルな操作性だからです。

チャット機能を備えたWeb接客なら、ユーザーは欲しかった製品や情報に最短距離でアクセスできます。

CVRの改善が見込める

Web接客の導入により、ユーザーへの最適なレコメンドやサイトの離脱率改善が期待できるため、CVRの改善にも効果を発揮します。購入者のモチベーションが高いうちに探していた答えを提供できれば、実際の数値としてWeb接客ツールの導入効果を感じられるでしょう。

実際にWeb接客ツールを導入して、顧客接点を増やすことによって、売り上げが30〜200%増加した実績もあるほどです。WebサイトのCVRの改善に悩むマーケティング担当者にとって必要な機能を提供してくれるでしょう。

Web接客の種類と利用シーン

Web接客は、大きく分けて3種類あります。次に、それぞれの特徴と利用シーンを解説します。

AIと会話する「チャットボット型」

AIチャットボットは、リアルタイムで短文の会話(チャット)のコミュニケーションを自動で返信するプログラムです。ユーザーが投げかけた質問にチャットボットが答えるため、問い合わせが多い質問に対して人が応答する頻度が少なくなります。

ビジネスシーンでは、Webサイトの相談窓口や社内ヘルプデスクの相談窓口として活用できます。Webサイトならチャットを通して顧客が欲しい商品を検索表示したり、社内ヘルプデスクでは属人的に確認をとっていた社内手続きをチャットボットが自動で案内したりできます。

重要な情報を表示する「ポップアップ型」

ポップアップは、スマホやパソコンの操作画面の最前面へ飛び出すように情報表示する機能です。ユーザーは必ずポップアップを見ることになるため、重要な案内や強調したい告知などの表示に用いられます。

ビジネスシーンでは、Webサイトの広告表示や注意書きを強調したいときに利用できます。売り上げアップを狙いたい特別な値引きキャンペーンをユーザーの端末画面に表示したり、チュートリアルとしてユーザーに操作方法を教えたりすることができます。

ポップアップは、ユーザーアテンションを向ける効果が高いことから、さまざまなシーンで利用されています。一方で、その特性からユーザーに敬遠される可能性がある点に注意が必要です。ポップアップについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。

記事:Web接客におけるポップアップとは?どんな効果があるのかを解説

どちらの機能もあわせた「ハイブリッド型」

ハイブリッド型は、チャットボットとポップアップの両機能を持ち合わせたWeb接客ツールです。汎用性が高く、利用シーンに合わせて必要な機能を選択できます。

ただし、ハイブリッド型のWeb接客ツールは、他のツールに比べて高コストなのがデメリットです。予算の無駄遣いにならないように、自社に必要な機能を調べたうえで、最適なツールを選ぶようにしましょう。

ビジネスシーンでは、チャットボット型とポップアップ型どちらでも対応可能です。また、チャットボットの案内をポップアップ表示することで、ユーザーをAI会話へ誘導するといった使い方もできるようになります。

Web接客の事例も確かめてみよう

大切な顧客と従業員のどちらにとってもプラスの効果を得るには、Web接客ツールの導入がおすすめです。

同じ問い合わせを何度も受けた経験のある従業員にとっては、タイムパフォーマンスの向上に驚くほど効果を発揮してくれることでしょう。ある企業では、Web接客ツールの導入により電話問い合わせを30〜50%も削減できた例もあるほどです。

なお、Web接客についてもっと知りたい方には、以下の「Web接客の事例紹介」の記事もおすすめです。

記事:Web接客ツールの事例紹介|利用者のレビューから製品をピックアップ

この記事の執筆

ITreview Labo編集部

ITreviewの記事編集チーム。ITreviewの運用経験を活かし、SaaSやIT製品に関するコンテンツをお届けします。

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