安心かつ快適に拠点間通信を実現するVPN。ビジネスのみならず個人ユーザーも拡大しており、いまや海外からのVPN利用も一般的となりました。しかし、世の中にはさまざまな事業者からVPNが提供されているため、何を基準にして選択すればよいか悩むことでしょう。
本記事では、VPNを選定する基準や事業者によって異なる点について解説します。プロバイダーによってセキュリティ技術や使用できるサービスなどが異なるため、ニーズに合ったものを比較検討しましょう。
VPNとはや導入するメリット、種類などについては下記の記事をご覧ください。
VPN選定に重要なポイント
VPNプロバイダーにはさまざまな種類がありますが、大きく分けられるのは無料VPNと有料VPNです。無料VPNは毎月のコストがかからないという魅力がありますが、セキュリティ面や通信の速度、使い勝手などの全てを考慮しても有料VPNには劣ります。そのため、安全性が高く安定して通信ができるVPNをお探しの場合には、有料VPNがおすすめといえます。
ここでは、主に有料VPNの選定に重要なポイントを挙げていきます。
1.事業者の信頼性
提供元の事業者が信頼性の高い会社であるかを確認しましょう。VPNでは事業者のサーバを通じてインターネット通信を行うため、ネットワークの構築やシステム開発などに特化している事業者が安心と言えます。世界的な知名度の高さをはじめ、セキュリティ面やプライバシー保護について透明性が高い事業者を選びましょう。
2.セキュリティの強度
VPNを利用するにあたり、安全性の高さは非常に重要な選定基準となります。強力な暗号化通信をはじめ、ログなしポリシー、信頼性の高いプロトコルが提供されているかを確認しましょう。暗号化については、“256ビットAES”という方式が採用されているものが、現時点で最も強力とされています。
プロトコルには、次のようにそれぞれ特徴が異なります。
PPTP:互換性が高いが、安全性は低い
L2TP:PPTPよりも安全性が高いが、速度が低い
SSTP:安全性は高いが、互換性が低い
IKEv2:PPTPやL2TPよりも安全性が高く高速だが、デバイスが限定される
OpenVPN:他のプロトコルより安全性や速度が最も高く、柔軟性も高い
セキュリティの強度で選ぶなら、”OpenVPN”を採用している事業者が最適です。また、ログなしポリシーは、個人情報漏えいなどのプライバシー保護の観点からも欠かせない要素と言えます。
3.運用・サポート体制
初期設定後の運用サポートや、万が一のトラブルに備えたサポート体制が整っているか確認しましょう。ビジネスでの利用の場合、システムトラブルは業務に大きな影響を与えるため、24時間365日の修理・サポート体制があると安心です。その他、障害発生時の通知やトラフィックレポート、日本語対応など、安心して運用できるサポートの有無も考慮しましょう。
4.対応しているデバイスの種類
幅広いデバイスに対応しているVPNが便利です。デバイスには、次のようなものが挙げられます。
・Windows
・MacOS
・android
・iOS
・Linux
・Chrome
・Firefox
これらのデバイスに幅広く対応しているVPNを選ぶことで、柔軟かつ自由なネットワーク通信が可能となります。また、アプリの有無も重要です。デスクトップ版やスマホ版のアプリをはじめ、海外VPNでも日本語に対応していると非常に分かりやすく、ストレスなく操作できるでしょう。
5.サーバの拠点数と帯域幅

サーバの拠点数が多いほど、アクセスの集中を分散して通信速度を落とさないため、より高速かつ安定したネットワーク通信が可能となります。日本で利用する場合には、日本もしくは中国や韓国などにサーバを持つVPNを選ぶと良いでしょう。
また、帯域幅については無制限が理想です。1度に多くのデータ送受信が可能となるため、時間帯やアクセス数に関わらず通信速度を維持できます。
6.利用にかかるコスト
VPNを選定するうえで加味しなければならないのがコストの面です。初期導入費用を始め、毎月の利用料金をサービス内容と比較して選びましょう。継続的な運用が可能な範囲で設定することが重要です。
契約更新や解約にかかる費用は事前に調べておき、無料のお試し利用で性能を確認してから判断することをお勧めします。
優秀なVPN事業者を選ぶには
VPN選定における重要ポイントについて解説しましたが、セキュリティや使い勝手の良さは事業者によって異なります。以下の点に当てはまるVPNは、より安全性や信頼性が高い事業者といえるため、VPN選びの参考にすると良いでしょう。
・提供元が世界的に信頼性の高い会社
・256ビットAESの暗号化通信を採用
・ログなしポリシーを保証
・プロトコルに“OpenVPN”を採用
・対応デバイスが豊富(7以上)
・24時間365日のサポート体制
・サーバの拠点数が多い(100拠点以上)
・帯域幅、通信量が無制限
上記の要素に加え、長期的な運用コストがサービスに見合っているか、事業者ごとの料金設定を比較検討しましょう。
ユーザーによる顧客満足度をベースに、自社に最適なVPNを選ぼう!