「自社に最適なVPN接続サービスを知りたい」
「VPNの種類や接続方式ごとの違いを知りたい」

VPN接続サービスは、情報セキュリティの保護には重要なサービスです。とくに、リモートワークを推進している企業においては必須のサービスといえます。

しかし、一口にVPNとは言っても、接続方式や利用回線には多くの種類が存在するため、どのVPNを選ぶべきか判断に迷ってしまうことも少なくありません。

本記事では、VPNの代表的な4種類を解説しながら、それぞれがどのような企業に適しているのか、コストや通信品質の観点から徹底的に比較していきます。

▶ 関連記事:VPN接続とは?仕組みや種類からメリット・デメリットまでわかりやすく解説!

VPN接続とは?

VPN接続の仕組みの図解

VPN接続とは、英語の「Virtual Private Network」の略称であり、日本語では「仮想専用線」を意味する通信を安全に行うための手法のことです。

不特定多数のユーザーが利用するインターネットの空間ですが、VPNは名前の通り、送信側と受信側の間に仮想の専用線(トンネル)を設けることで、通信の内容を保護する仕組みとなっています。

また、実際に通信を行う場合には、正規の利用者であることを確認する認証フローがあったり、通信そのものを暗号化するVPNプロトコルがあったりなど、安全な通信を実現することができます。

VPNの種類ごとの違いを比較

インターネットVPN エントリーVPN IP-VPN 広域イーサネット
回線 インターネット 閉域網 閉域網 閉域網
コスト
通信品質
安全性
拡張性
帯域保証 ベストエフォート ベストエフォート ギャランティ ギャランティ
導入企業 小規模 中規模 大規模 専門企業
拠点数 1~3 3~5 5~10 1
活用場面 導入コストを重視したい バランスを重視したい セキュリティを重視したい 高度なカスタマイズが必要
【比較表】VPNの種類ごとの違い

VPNの代表的な種類としては、主に「インターネットVPN」と「エントリーVPN」と「IP-VPN」と「広域イーサネット」の4つの種類に分類されています。

  • インターネットVPN
  • エントリーVPN
  • IP-VPN
  • 広域イーサネット

これら4種類のVPNでは、それぞれ構築される仕組みが異なるほか、運用コストや通信品質、セキュリティやカスタマイズの自由度などにも違いがあります。

インターネットVPNの詳細

インターネットVPNの仕組みの図解

インターネットVPNとは、インターネット上に仮想のネットワーク環境を構築する接続方式です。

構築方法には、通信事業者から機器をレンタルする方法のほか、設定や保守点検を自社で実施できるのであれば、自社で構築することも可能です。

拠点数1~3拠点の小規模オフィス向けで、手軽にVPNサービスを導入したい、低コストでVPN接続サービスを利用したいという場合におすすめです。

インターネットVPNと他のVPNの違い

 インターネットVPN エントリーVPN IP-VPN 広域イーサネット
回線 インターネット 閉域網 閉域網 閉域網
コスト
通信品質
安全性
拡張性

インターネットVPNのメリット

インターネットVPNのメリットとしては「安価に導入することができる」というものが挙げられます。

ルーターや固定IPを準備する必要はありますが、閉域IP網を構築する必要がないため、後述のIP-VPNや広域イーサネットよりも安価な導入が可能です。

また、インターネットを使用する接続方式となっているため、4種類のVPNでは唯一自社で構築することができるというところも大きなメリットの一つです。

インターネットVPNのデメリット

インターネットVPNのデメリットとしては「セキュリティの強度が低い」というものが挙げられます。

専用線を使用する閉域網とは異なり、オープンなネット回線を使用するため、外部からの不正アクセスやデータの盗み見などのセキュリティリスクがあります。

運用にあたっては、カフェなどの公衆無線では利用しないことはもちろん、利用のルールを設けたり、利用者のリテラシーを高めたりなどの対策が必要です。

インターネットVPNの料金相場

インターネットVPNの料金相場は「2万円~5万円程度」です。VPN接続サービスのなかでは、もっとも安価に導入することが可能です。

コストを抑えたい場合の導入シーンに最適であり、VPN対応ルーターと初期設定だけで導入することができるため、保守管理のためのランニングコストが少ないVPN種類です。

エントリーVPNの詳細

エントリーVPNの仕組みの図解

エントリーVPNとは、ADSLなどのインターネット回線を用いて閉域IP網を構築する接続方式です。

通信事業者の設置する閉域網を使用するため、インターネット回線を用いるインターネットVPNよりも、セキュリティの強度や信頼性に優れています。

拠点数3~5拠点の中規模オフィス向けで、バランスに優れたVPNを導入したい、低コストでVPN接続サービスを利用したいという場合におすすめです。

エントリーVPNと他のVPNの違い

 エントリーVPN インターネットVPN IP-VPN 広域イーサネット
回線 閉域網 インターネット 閉域網 閉域網
コスト
通信品質
安全性
拡張性

エントリーVPNのメリット

エントリーVPNのメリットとしては「トータルバランスに優れている」というものが挙げられます。

インターネットVPNと同様、インターネット回線を利用する接続方式であるため、大規模な設備投資が不要で、導入のハードルが低いのが特徴です。

設備投資のコストやセキュリティなど、特筆して尖った部分はありませんが、そのぶんトータルでのバランスに優れた接続方式であるといえるでしょう。

エントリーVPNのデメリット

エントリーVPNのデメリットとしては「通信速度が遅くなる場合がある」というものが挙げられます。

使用する回線自体は光ファイバーなどのインターネット回線であるため、トラフィックの混雑状況によっては速度が遅くなる可能性があります。

安定した通信品質やギャランティ型の帯域保障を希望する場合には、より通信の安定したIP-VPNや広域イーサネットを利用するのがおすすめです。

エントリーVPNの料金相場

エントリーVPNの料金相場は「月額1万円~2万円程度」です。この月額費用に加えて、最初に5,000円程度の初期費用が発生することもあります。

インターネットVPNと同様、光ファイバーやADSLなどのインターネット回線を使用するため、VPN接続サービスのなかでは、比較的安価に導入することができるVPN種類です。

IP-VPNの詳細

IP-VPNの仕組みの図解

IP-VPNとは、通信事業者の閉域IP網を使用して仮想のネットワークを構築する接続方式です。

インターネットVPNやエントリーVPNとは異なり、閉域網を使用する方式であるため、高いセキュリティ強度で安全に通信することができます。

拠点数5~10拠点の大規模オフィス向けで、VPNのセキュリティを強化したい、複数の拠点間で安定した通信を行いたいという場合におすすめです。

IP-VPNと他のVPNの違い

 IP-VPN 広域イーサネット エントリーVPN インターネットVPN
回線 閉域網 閉域網 閉域網 インターネット
コスト
通信品質
安全性
拡張性

IP-VPNのメリット

IP-VPNのメリットとしては「セキュリティの強度が高い」というものが挙げられます。

インターネットVPNとは異なり、通信事業者の設置する閉域網を利用するため、より専用線に近いセキュアな環境で通信することが可能です。

また、サービス品質保証(SLA)や遅延保証などの保証サービスが付いているため、大規模ネットワークでも安定した通信を行うことができます。

IP-VPNのデメリット

IP-VPNのデメリットとしては「導入の初期コストが高い」というものが挙げられます。

IP­-VPNの導入には、通信事業者との契約が必要となるため、インターネットVPNやエントリーVPNよりもコストが高くなることが一般的です。

ただし、機器の準備から設定、保守点検まで通信事業者に依頼することができるため、拠点数が多く、自社構築が難しい企業にはおすすめできます。

IP-VPNの料金相場

IP-VPNの料金相場は「月額1万円~5万円程度」です。この月額費用に加えて、数千円~数万円の初期費用が発生することもあります。

インターネットVPNやエントリーVPNとは異なり、通信事業者の保有する閉域網を使用する仕組みとなっているため、回線使用料のコストが高くなりやすい傾向にあるVPN種類です。

広域イーサネットの詳細

広域イーサネットの仕組みの図解

広域イーサネットとは、通信事業者の閉域網を利用して仮想のネットワークを構築する接続方式です。

IP-VPNと構成自体に大きな違いはありませんが、IP-VPNがIPのみの対応であるのに対して、広域イーサネットでは多様なプロトコルに対応しています。

IP以外のプロトコルに対応していることから、より高度なカスタマイズを行いたい、その他のルーティングプロトコルを使用したいという場合におすすめです。

広域イーサネットと他のVPNの違い

 広域イーサネット IP-VPN エントリーVPN インターネットVPN
回線 閉域網 閉域網 閉域網 インターネット
コスト
通信品質
安全性
拡張性

広域イーサネットのメリット

広域イーサネットのメリットとしては「カスタマイズの自由度が高い」というものが挙げられます。

使用できるプロトコルがIPのみに限られるIP-VPNに対して、広域イーサネットでは多様なルーティングプロトコル(RIPやOSPFなど)にも対応しています。

また、ギャランティー型と呼ばれる通信保証があることがほとんどであり、最大1Gbpsもの高速通信で安全なネットワークに接続することが可能です。

広域イーサネットのデメリット

広域イーサネットのデメリットとしては「ネットワークの設定が複雑」というものが挙げられます。

IPに依存しない接続方式であるため、IP以外のネットワークからスムーズな移行が行える一方、最初のネットワーク設定は複雑になってしまいがちです。

導入するための要件定義や保守運用への負担も大きくなりやすいため、基本的には拠点数が限られている企業にのみ適しているといえるでしょう。

広域イーサネットの料金相場

IP-VPNの料金相場は「月額10万円~20万円程度」です。この月額費用に加えて、数千円~数万円の初期費用が発生することもあります。

広域イーサネットは構築の難易度が高く、通信を行いたい拠点間の物理的な距離やエリア、保証する帯域速度などによっても費用は異なるため、料金幅の乱高下が激しいVPN種類です。

VPNプロトコルの種類ごとの違い

SSL-VPN IPsec-VPN L2TP PPTP
暗号化の速度 普通 速い 普通 速い
暗号化の強度 高い 高い 普通 低い

VPNプロトコルとは、インターネットVPNによる拠点間通信を、より安全で高速なものにするための暗号化技術のことを指します。

VPNプロトコルの種類としては、主に「SSL-VPN」と「IPsec-VPN」と「L2TP」と「PPTP」の4種類が代表的なプロトコルの種類として挙げられます。

先述のVPN自体の種類とは異なり、VPNプロトコルはあくまでもVPNによる通信を暗号化するための技術のことであるため、混同しないよう注意しましょう。

SSL-VPNの詳細

SSL-VPNとは、クレジットカードや口座情報など、個人情報のやり取りに使用されるSSL技術を用いたプロトコルの種類です。

リモートアクセスに適しているうえ、低コストで導入できることから、VPNプロトコルのなかではメジャーなプロトコルといえるでしょう。

IPsec-VPNの詳細

IPsec-VPNとは、コンピュータへデータを送信するためのIPパケットを暗号化するセキュリティレベルの高いプロトコルの種類です。

さまざまなプロトコルのなかでも、安全性の高いプロトコルとなっているため、セキュリティを重視する場合に最適なプロトコルといえます。

L2TPの詳細

L2TPとは、それ単体では暗号化することができず、先述のIPsecと併用することで通信の暗号化ぞ実現するプロトコルの種類です。

ほとんどの場合、VPNに用いられるL2TPは、IPsecと併用して暗号化する「L2TP/IPsec」が一般的であり、単体で使用されることは多くありません。

PPTPの詳細

PPTPとは、IPネットワーク上にある機器同士の接続に、仮想の伝送路を設けることで通信を暗号化するプロトコルの種類です。

L2TPと同様、PPTP自体に暗号化の機能が備わっているわけではなく、他の認証方法と組み合わせて使用することでセキュアな通信を実現します。

VPN接続サービスのおすすめの種類

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小規模企業でコストを重視したい

VPN接続サービスの導入にあたって、小規模企業(拠点数1~3拠点)でコスト面を重視したい場合には「インターネットVPN」の導入がおすすめです。

インターネットVPNは、インターネット回線を使用したVPN接続方式であるため、専用線や閉域網を構築する必要がなく、コストを抑えた導入が可能です。

小規模企業に人気のVPNおすすめ製品

製品名 Cloudflare Access
レビュー数 16
満足度 ★★★★☆ 4.5
提供会社 Cloudflare
料金価格 調査中

メリット(良いポイント)
DNS/CDNとしてドメインを管理しているCloudflare経由で、ポチポチと設定するだけでドメイン内サイト・ページに認証機能をつけられる。

デメリット(悪いポイント)
ログインページのカスタマイズの自由度をもうちょっと上げてもらって、Cloudflareではなく自社ロゴを入れさせてくれるといいと思う。

▼ 企業名:株式会社サポートじまん
▼ 従業員規模:20人未満
▼ 業種:情報通信・インターネット

https://www.itreview.jp/products/cloudflare-access/reviews/53749

中規模企業でバランスを重視したい

VPN接続サービスの導入にあたって、中規模企業(拠点数3~5拠点)でバランス面を重視したい場合には「エントリーVPN」の導入がおすすめです。

エントリーVPNは、インターネットVPNと同様、インターネット回線を使用して、閉域網を構築する仕組みであるため、コストを抑えた導入が可能です。

中規模企業に人気のVPNおすすめ製品

製品名 Cisco Meraki MX
レビュー数 25
満足度 ★★★★☆ 4.1
提供会社 シスコシステムズ合同会社
料金価格 調査中

メリット(良いポイント)
クライアントVPNを設定する事で簡単にテレワーク環境を設置する事が出来ました。現在の状況から何時必要になるかわからないので設定しておけば心配ないと思います。

デメリット(悪いポイント)
DHCP構成であれば良いのでしょうが固定IP構成の場合設定に一ひねり必要なようです。単純にDHCPなしにしたら全パソコンがインターネット接続できなくなってしまいました。

▼ 企業名:株式会社エフビー
▼ 従業員規模:100-300人未満
▼ 業種:その他製造業

https://www.itreview.jp/products/meraki-mx/reviews/79248

大規模企業でセキュリティを重視したい

VPN接続サービスの導入にあたって、大規模企業(拠点数5~10拠点)でセキュリティ面を重視したい場合には「IP-VPN」の導入がおすすめです。

IP-VPNは、インターネットVPNとは異なり、通信事業者の閉域網を使用する仕組みであるため、強固なセキュリティで安定した通信を実現できます。

大規模企業に人気のVPN接続サービス

製品名 Cisco AnyConnect
レビュー数 220
満足度 ★★★★☆ 4.0
提供会社 シスコシステムズ合同会社
料金価格 調査中

メリット(良いポイント)
プライベートドライブや会社の勤怠入力システムなど、厳重にアクセス管理をする必要があるものにアクセスする際に使用しています。パスワードを打ち込むだけなので操作も簡単です。

デメリット(悪いポイント)
短時間であっても、PCがスリープモードになると切断されてしまうことがあります。長時間接続されてることもあるので気まぐれですが、できれば切断されにくくなってほしいです。

▼ 企業名:コムテック株式会社
▼ 従業員規模:1000人以上
▼ 業種:ソフトウェア・SI

https://www.itreview.jp/products/anyconnect/reviews/159283

専門企業でカスタマイズ性を重視したい

VPN接続サービスの導入にあたって、専門企業(拠点数1拠点)でカスタマイズ性を重視したい場合には「広域イーサネット」の導入がおすすめです。

広域イーサネットは、IP以外の多様なプロトコルに対応しているため、RIPやOSPFなどのルーティングプロトコルを設定したい場合などに活用しましょう。

VPN接続サービスの選び方のポイント

VPN接続サービスを選び方のポイント

①:月額の費用やコストで選ぶ

VPN接続サービスの選び方の1つ目としては「月額の費用やコストで選ぶ」という方法が挙げられます。

さまざまな料金で展開されているVPNサービスですが、インターネットVPNとエントリーVPNには安価なものが多いため、コストを抑えた場合に最適です。

IP-VPNと広域イーサネットは、通信事業者の閉域網を使用することから、料金が高い傾向にあり、コストを抑えたい場合には避けておくのが無難でしょう。

②:セキュリティの強度で選ぶ

VPN接続サービスの選び方の2つ目としては「セキュリティの強度で選ぶ」という方法が挙げられます。

とりわけ、IP-VPNと広域イーサネットに関しては、その他の接続方式よりもセキュリティの強度が高いものが多いため、安全性を重視する場合に最適です。

インターネットVPNやエントリーVPNは、コストが安い反面、オープンな回線を使用するため、セキュリティ重視の場合には避けておくのが無難でしょう。

③:通信の品質や保証で選ぶ

VPN接続サービスの選び方の3つ目としては「通信の品質や保証で選ぶ」という方法が挙げられます。

通信回線サービスには、通信速度を保証しないベストエフォート型と、ある程度の速度を保証するギャランティ型の大きく分けて2つの種類が存在します。

IP-VPNや広域イーサネットであれば、品質が安定しているうえ、速度保証に対応した製品も多いため、コストやバランスを踏まえたうえで検討しましょう。

④:サポートの体制で選ぶ

VPN接続サービスの選び方の4つ目としては「サポートの体制で選ぶ」という方法が挙げられます。

VPNに接続できないなどのトラブルに見舞われた場合、サポートの対応が遅かったり、復旧に時間がかかったりすると、事業に影響を与える恐れがあります。

自社構築が可能なインターネットVPNを利用する場合や、設定の難しい広域イーサネットを利用する場合には、サポートの品質も確認するようにしましょう。

⑤:海外利用の可否で選ぶ

VPN接続サービスの選び方の5つ目としては「海外利用の可否で選ぶ」という方法が挙げられます。

海外に拠点や支社がある企業の場合、導入予定のVPN接続サービスが、対象の国との拠点間通信に対応しているかは事前に確認しておく必要があります。

とくに、中国に拠点や支社がある場合には、中国当局の規制変更により、VPNサービスが利用できない可能性があるため、必ず事前に確認しておきましょう。

VPNの種類でよくある質問|Q&A

VPNの種類でよくある質問|Q&A

クラウドVPNとは?

クラウドVPNとは、クラウド事業者から提供されているVPN接続サービスのことであり、広義ではインターネットVPNの一種とされています。

通常、VPN接続サービスの導入にあたっては、送信側と受信側のそれぞれにネットワーク機器を設置する必要があるため、初期費用が少なからず発生します。

一方、クラウドVPNでは、導入に必要な環境がクラウド上に用意されているため、機器を設置する必要がなく、保守や運用のコストを抑えることが可能です。

閉域網と専用線の違いは?

閉域網とは、通信事業者の保有する「閉ざされたネットワーク(閉域網)」のことであり、通信事業者と契約した企業のみ利用することができることから、通信の安全性を担保するものです。

一方の専用線とは、対象の拠点間を「物理的あるいは論理的に1対1で接続」することであり、外部のユーザーの影響を受けないことから、通信の速度や品質などの安定性に優れています。

インターネットVPNよりもセキュリティの強度を高めたい場合には閉域網を、通信する拠点が限定的かつ大容量のデータをやり取りするような場合には専用線を利用するのがおすすめです。

無料で使えるVPN接続サービスはある?

VPN接続サービスのなかには、一部無料で利用できるものなども存在していますが、結論から言えば、これら無料のVPNサービスの使用は、可能な限り避けておくのが無難といえます。

なぜなら、無料のVPNサービスにはセキュリティレベルの低い製品も多く、なかにはサービスの管理者が利用者のデータを悪用するといったトラブルなども発生しているのが現状です。

とくに、一般的に知名度の低い製品や聞いたことのない製品を使用することは、セキュリティリスクの悪化を招く恐れがあるため、信頼の置けるサービスを利用するようにしましょう。

VPNの導入ではコストと機能の定義が重要!

VPNの導入ではコストと機能の定義が重要!

本記事では、VPNの代表的な4種類を解説しながら、それぞれがどのような企業に適しているのか、コストや品質の観点から徹底的に比較してきました。

企業の規模や拠点数、ニーズなどによっても適切なVPN接続サービスは異なるため、導入にかかる費用だけではなく、今後の運用や保守にかかるコストを考慮することが大切です。

VPN接続サービスを選定する場合には、まずは本社と通信を行いたい拠点数の確認を第一として、上限となる予算や必要な機能などをしっかりと定義しておくようにしましょう。

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