海外から離れた拠点にあるWebサイトにアクセスできるVPN。しかし、近年ではNetflixなどの動画配信サイトがVPN経由によるアクセス規制を厳しくしており、VPN接続で動画配信サービスが利用できなくなるケースが増加しています。
なかでも中国は、世界的にもインターネット規制が厳しく、日本向けの動画配信サービスはもちろん、FacebookなどのSNSが見ることができないようブロックされています。ブロックされたサイトにアクセスしたい場合には、規制を回避できるVPNを利用しなければなりません。
本記事では、中国からVPN経由で日本の動画サイトやFacebookを見る方法について解説します。
VPNとはや導入するメリット、種類などについては下記の記事をご覧ください。
中国でのインターネット規制「グレート・ファイアウォール」とは
中国では、インターネットによる情報統制を実施しており、その情報検閲システムが「グレート・ファイアウォール」もしくは「金盾(きんじゅん)」といわれています。ネット上において中国政府に有害な情報を制限する、海外からの不正アクセス防止などのために導入され、2003年より稼働しています。
監視対象となるサイトは幅広く、政府に批判的なサイトをはじめ、FacebookやTwitterなどのSNS、YouTubeなどの動画サイトが該当します。この厳しい規制は中国国民のみならず、ビジネスや留学などで海外から訪れる人にも影響を与えています。
グレート・ファイアウォールは、次の4段階でブロックや接続遮断が実施されます。
グレート・ファイアウォールは、次の4段階でブロックや接続遮断が実施されます。
① DNSによるブロック
ブロック対象となるサイトにアクセスをしようとした際、DNS機能により「IPアドレスなし」と判断され、アクセス自体ができない。
② 接続フェーズの監視
DNSを通り抜けたとしても、接続先のIPアドレスが規制対象になっている場合は、接続が遮断される。
③ 特定の検索キーワードをブロック
サイトが規制対象になっていない場合でも、サイトに特定のキーワードが含まれている場合や、検索キーワードが規制対象となる場合にはアクセスが拒否される。
④ ページ全体のスキャン
①~③の規制を回避した場合でも、ページ全体が監視システムによりスキャンされる。問題がないと判断されれば閲覧できるが、内容に問題がある場合は遮断の対象となる。
中国からVPN経由で日本の動画サイトを見る方法
中国のインターネット規制を回避して通信を行うには、VPNが不可欠です。VPNでは日本のサーバ、もしくは規制が少ない国のサーバにアクセスしてインターネットへ通信できるため、中国のグレート・ファイアウォールを回避できるのです。
ただし、中国で利用ができる上に、日本の動画配信サイトをVPN経由で見ることができるプロバイダーには限りがあります。未認可のVPNサービスは中国政府により厳しく規制されているため、選定には注意が必要です。
UCSS

規制が厳しい中国からのVPN接続を目的とした、Shadowsocks専用プロバイダー。一般回線のみならず商業用の回線も所有しており、“AES-256”の強力な暗号化通信が可能です。日本サーバから高速な接続ができるため、通信速度が速く安定しています。WindowsやMacOSなどの幅広いデバイスに接続できるほか、日本語にも対応しています。
FacebookやGoogleとはじめ、YouTubeやNetflix、 AbemaTVの閲覧・視聴ができるよう最適化しており、帯域幅やPing値などをニーズに合わせてオーダーも可能です。
■Facebook:〇
■動画配信サイト:〇(YouTube、Netflix、AbemaTVなど)
ExpressVPN

94ヵ国、160のVPNサーバを持つVPNプロバイダー。CN2と呼ばれる中国のインターネットプロバイダーへ直通のサーバを保持していることより、中国にいながら高速かつ安定した通信が可能です。中国で利用する場合には香港のサーバを利用しますが、低いPing値でも高画質の動画を見ることができる高速通信を実現します。帯域幅や通信制限についても無制限です。
“AES-256”の強力な暗号化に加え、DNS漏れの保護、ログ無しなど、安全性も非常に高く評価されているプロバイダーといえます。日本の動画配信サイトにも接続でき、日本語やスマホアプリにも対応しています。
■Facebook:〇
■動画配信サイト:〇(YouTube、Netflix、Amazonビデオ、Huluなど)
VPNを利用して中国からのブロックを解除
中国政府による情報検閲は、VPNによりブロックを解除できます。上記で挙げた2つのVPNプロバイダーは厳しい中国からの規制を回避し、FacebookなどのSNSや日本の動画配信サービスを利用可能にします。ただし、中国の規制は今後も厳しくなると予想できるため、利用できていたVPNサーバがブロックされる可能性も少なくありません。また、大規模な規制により通信速度の低下などを招くことがあるため、中国から接続可能なVPNは慎重に選ぶ必要があるでしょう。
ユーザーによる顧客満足度をベースに、自社に最適なVPNを選ぼう!