自由なネットワーク通信を可能にするVPNですが、日本を含め世界各国にはさまざまな無料VPNと有料VPNが存在します。利用したい目的や重要視するポイントによって選び方や注意点が異なるため、その違いを正しく把握しておくことが重要です。

 特に、費用を抑えたいという理由から無料VPNを安易に利用してしまうのは危険です。それぞれのメリットやデメリットを理解し、自分に合ったVPNを選びましょう。

 本記事では、無料VPNと有料VPNのどちらを選べば良いか迷っている方に向けて、目的別やコストの観点から違いを解説します。

VPNとはや導入するメリット、種類などについては下記の記事をご覧ください。

VPN接続のメリットや種類を詳しく解説 選び方・おすすめツールも紹介

無料VPNと有料VPNの違い

 拠点とは離れた場所からネットワーク通信を可能にするVPN。暗号化などによって安全性の高い通信ができることや、海外にいても拠点の通信サービスを利用できることから、非常に便利な技術と言えます。

 しかし、無料と有料とではサービスの品質やセキュリティの強度など、さまざまな点でクオリティーが異なるため、選定時には注意が必要です。もちろん有料VPNの方が性能は高いですが、目的によっては無料VPNでも十分な通信ができる場合もあります。

セキュリティを重視する人は「有料VPN」

 有料VPNは、無料VPNと比べてセキュリティの強度が強みと言えます。利用者から使用料を徴収する分、安全性やプライバシーを高める技術が備わっています。個人情報漏えいのリスクが高まるログ記録についても、有料VPNは“ログなしポリシー”を保証している事業者が多いため、プライバシー保護についても安心と言えます。

 一方、無料VPNはセキュリティ技術やプライバシー保護にかかる技術開発費や維持費等をユーザーから徴収しないため、広告収入やユーザーの個人情報を転売するなどで利益を得ている可能性があります。無料で利用できるという魅力はありますが、無料VPNを使用する際はログの基準や暗号化通信が保証されているか確認が必要です。

有料VPN

・暗号化のセキュリティレベルが高い

・信頼性の高いプロトコルを採用

・ログなしポリシーを保証

無料VPN

・安全性が低いプロトコルしか選べない

・ログなしを保証しているサービスが少ない

・個人情報漏えいのリスクがある

・暗号化の強度が低い

通信の快適性を求める人は「有料VPN」

 VPNを利用するに当たり、通信の速さや安定性は不可欠です。動画視聴やデータ通信を行う際に回線が切れてしまう、ローディングに時間がかかるなどという場合は快適性が損なわれてしまいます。

 有料VPNでは、高速かつ安定した速度での通信ができるほか、データ量の多い通信においても高速ダウンロードを実現します。帯域幅や通信量が無制限なため、好きなコンテンツを好きなだけVPN接続で楽しめます。

 一方、無料VPNでは1カ月に使用できる通信量に上限があり、速度や安定性も十分とはいえません。一時的にライトな通信を行うことはできますが、海外からのネットワーク通信やデータ量の多い通信には負荷がかかり、快適に使用できない場合もあります。

有料VPN

・通信量や帯域幅が無制限

・高速かつ安定した通信

・サーバの拠点数が豊富

・複数の端末と同時接続可能

・アプリが提供されている

無料VPN

・速度が遅く、安定性に欠ける

・通信量に制限がある

・サーバの拠点数が少ない

・2台以上と同時接続ができない場合がある

・アプリが用意されていない場合がある

無料で利用したい人は「無料VPN」だが、注意が必要

 セキュリティや通信品質において有料VPNの方が優秀といえますが、やはり毎月のコストの負担は避けられません。その点、無料VPNではコストを一切かけずVPNを利用できるため、ユーザーにとって大きなメリットといえるでしょう。

 しかし、上述したように、無料VPNは安全性や信頼性が有料VPNと比較して劣るため、慎重に選ばなければなりません。暗号化通信やログなし保証がなされているか確認するとともに、起こり得るさまざまなリスクも把握しておきましょう。

 安全性を重視した快適なネットワーク通信を求める人は有料VPN、費用をかけずに手軽に使用したい人には無料VPNを選ぶと良いでしょう。ただし、無料VPNは通信制限があり、速度が安定しづらいため、出張や旅行等で一時的に利用したい場合に向いています。

 目的やコストを踏まえた上で、自分に最適なVPNを慎重に選びましょう。有料VPNにおいては無料のお試し利用ができるため、試験的に活用することをおすすめします。


ユーザーによる顧客満足度をベースに、自社に最適なVPNを選ぼう!

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