ITreviewによるJw_cad紹介
建築や設計分野において最も広く活用されている2次元汎用CADソフト「Jw_cad」。建築に必要な製図をそのままコンピュータにて直感的に描けることから、平面図や側面図、間取り図などの作成に役立てられています。無料でありながら建築分野に特化したハイグレードな機能が備わっており、名刺やチラシなどの印刷物の作成にも幅広く応用可能。建築士をはじめ、住宅工務店、不動産分野で広く導入されています。

https://forest.watch.impress.co.jp/docs/news/1183306.htmlより
これまでの定規を使った製図が不要になるだけでなく、製図制度の向上や編集作業の効率化、設計時間の削減など、企業運営においても大きなメリットとなるでしょう。また、他のCADソフトと比べて手書き感覚を重視した操作法が用いられているため、初心者の練習用としても効果的といえます。コストをかけずに高機能なCADソフトを利用したいという場合に有効です。
建築分野に特化した代表的なCAD
CADソフトには用途に合わせたさまざまな種類が展開されていますが、主に建築業界において代表的といわれているCADがJw cad です。Jw cadは、日本を拠点として建築や設計者向けに開発されたソフトで、多くのCADソフトが商品として展開される中、Jw_cadは無料で利用できるという点が大きな特徴といえます。
建築図面や施工図面、間取り作図などの2次元機能に優れており、“クロックメニュー”ではキーボードへの打ち込み操作が少なく、マウスを使った手書きに近い直感的な操作が可能。ただし、Jw_cadでは基本的にマウス操作によって作図をするため、多くの作成が必要な場合には非効率になる場合があります。プレゼン重視やスピードを求められる分野よりも、コストをかけず施工図面等の作成に注力したい小規模の工務店やリフォーム業界、個人事業主などに向いているでしょう。
現在、このJwcadは多くの建築関連企業に活用されており、建築業界では「AutoCAD」と並んでユーザー数が圧倒的に多いことで知られています。汎用性が高く図面データの受け渡しなどもスムーズに行えるため、メインのCADとしてはもちろん、他のCADソフトと併用での活用も有効といえます。
**Jwcadの主な特長**
- 無料で利用できる
- 透視図やアイソメ図が作成できる2.5D機能
- クロックメニュー(マウスでの直感的な操作)
- 日影図作成機能
- 天空図面作成機能
- 壁や柱を描く包絡処理
- 線種や色のカスタマイズが可能
- Windows版、DOS版、Mac版がある(DOS版の開発は終了しています)
簡単かつ効率的に2D図面を作成
Jw_cad活用によって、より効率的に線引きや寸法の設計が可能となります。建物の間取り図の作成においては、“建具”タブを使用することで建具平面図や断面図、立面図などの作成も可能となります。さらに、“図形”タブでは、エレベーターやトイレなどのさまざまな図形が用意されているため、建築設計や間取り作成にかかる作業を効率化します。
線を書く、図形の挿入に加えて、塗りつぶしや透明線のなどのカスタマイズも可能となるため、紙とペンを用いた作成に比べて格段に精度が向上します。作成後は自由に修正・編集も可能です。
2.5D作成や包絡処理も対応
平面図や立面図に高さや奥行きを設定できる“2.5D機能”により、透明図やアイソメ図をワイヤーフレームにて作成できます。表示状態ではさまざまな視点から図形を見ることができるため、建築物の設計において重要な遠近感を正確に投影できます。
また、Jw_cadでは建築図の作成において非常に便利な“包絡処理”にも対応しています。事前に柱や線種、壁の色、レイヤーを設定しておくことで、指定する範囲によって同一属性の線の包絡処理が可能です。手書きでは困難な“壁に開口部を開ける処理”のほか、L字型の壁の処理、柱の処理などが効率的に実行できます。
Jw_cad利用までの流れ
Jw_cadは無料ソフトで利用できるため、Windowsのオンラインソフトを紹介する“窓の杜”の公式サイトよりダウンロード可能です。インストールウィザード画面に従ってインストールが完了した後は、用紙枠や尺度設定をし、利用可能となります。基本的な操作はマウスによるクリックやドラッグが中心となり、操作に関するメニューやツールについても画面上で分類されているため、素早い図面作成が可能です。
無料ソフトであるためCADの修復環境やカスタマーサポートは充実しているとは言えませんが、Jw_cadに関する参考書類やWebサイトは豊富に揃っているため、独学でも習得しやすいでしょう。