ITreviewによるPrimeDrive紹介
PrimeDriveは、ソフトバンクが提供するビジネス向けオンラインストレージサービスです。料金が契約容量単位になっていて、1万ユーザーを超えない範囲で自由にユーザーを追加できることが大きな特徴です。
各ユーザーには契約容量から各人に必要な容量を配分することができます。個人向けのプランがない一方、ビジネスに特化したセキュリティ機能や管理機能を豊富に備えているのが大きな特徴で、多数の店舗や事業所を展開して、ユーザーが増加中の企業に特に好まれています。主な特徴は以下のとおりです。
安全に相手先とのファイルやフォルダのやり取りが可能
メールでは送受信が難しい大きなサイズのファイルのやり取りに際して、一度オンラインストレージにアップロードし、そのファイルやフォルダのダウンロードリンクをメールで送信して、相手にそのリンクからファイルやフォルダをダウンロードしてもらうのが一般的な「大容量ファイル送受信サービス」ですが、PrimeDriveで送信するときは送付キー(ダウンロードリンク)にパスワードを設定でき、さらにダウンロード時にファイルをZIP圧縮してパスワードを設定することができます。二重のパスワードでファイルが保護できるので安心です。
また管理者の設定により送付キーの発行をユーザーごとに制限できるため、ファイル送信ができるユーザーを限定できます。送付キーは管理者がいつでも無効にできるため、万一パスワードが流出した場合でも、発覚次第にリンクを無効にすることが可能です。
社外のパートナーなどのサービス契約をしていない相手先から、ユーザーが設定した特定フォルダにファイルをアップロードしてもらうこともできます。その際には受取キー(アップロードリンク)を相手にメール送付しますが、アップロード先のフォルダに社内文書があったとしても相手側には公開されないので安心です。例えば申込書や契約書などを相手先に送付し、所定事項を書き込んで返送してもらう(受取、回収)ような業務に好適です。
なお、送付キーや受取キーの送信には、会社の標準あるいは専用のメールシステム以外に、PrimeDrive独自の送信専用Webメーラー(送信履歴ログ取得機能あり)や、Gmailも使用できます。
また、もちろん他のオンラインストレージサービスと同様に、契約ユーザー同士であれば継続的にフォルダを共有できます。ユーザごとにアクセス権限を設定できるうえに、10個の共有権限を任意の組合せで設定することも可能です。無償のデスクトップアプリケーション(Windows OS対応)を導入すれば、Windowsのネットワークドライブとしてファイルのドラッグ&ドロップでの利用も可能になります。
利用制限・管理機能が充実
セキュリティ、コンプライアンス、ガバナンスに好適な機能が豊富に備えられているため、情報セキュリティ管理者にとってはたいへん管理しやすいサービスになっています。他のオンラインサービスでは自社のセキュリティポリシーに適合しない場合でも、PrimeDriveなら既存ポリシーに準拠した運用管理方法がとれる可能性が高いと思われます。
ワークフロー承認
ファイルをアップロードし、相手先にリンク(送付キー)を発行する際に、上長などの責任者の承認を要求する機能です。責任者が承認しなければリンクは送られません。
IPアドレス制限
IPアドレスを無制限に登録(固定または範囲指定)でき、IPアドレスによるアクセス制御が可能です。ID/パスワードだけの認証ではセキュリティの甘い自宅やネットカフェなどから接続される可能性がありますが、IPアドレス制限をかけることで、許可端末以外からの接続を防ぐことができます。
PKIクライアント証明書を利用した認証
端末にクライアント証明書(電子証明書)を導入し、特に機密情報を扱うユーザーの認証に利用することで、セキュリティをさらに確実にできます(有料のPKIプラットフォームサービス契約が必要)。ID/パスワード、IPアドレス制限にプラスして、3重のサービス利用制限ができることになります。
利用機能制限
サービス利用が許可されているユーザーには個別に各種機能の利用権限を設定できます。ユーザーごとに、ファイル送付を禁止したり、更新機能を制限したりと、セキュリティポリシーを詳しく設定することができます。
利用デバイス制限
アクセス可能なデバイスの種類(PC、タブレット、スマートフォン)ごとにアクセス制限ができます。PCではファイル更新を許可、タブレットではファイル表示のみ許可、スマートフォンは利用不可など、用途に応じて利用範囲を制限できます。
アカウントロック
ログイン認証の際に複数回失敗(回数は指定可能)するケースは不正アクセスの試行である可能性があります。指定回数失敗するとアカウントがロックされ、管理者が解除するまでそのユーザーへのサービスを停止することができます。
緊急ロック機能
何らかの情報漏洩可能性があれば、管理者が対象ユーザーを強制ログオフし、送受信可能なリンクをすべて無効にします。
パスワードポリシー設定
パスワードの類推などによる不正アクセスを防ぐため、パスワードの文字数や有効期限の設定、文字列制限、同一パスワードの再利用の許可などが設定できます。
ログインタイムアウト
無操作状態が一定時間経過した場合に自動的にログオフする機能です。ログオンしたまま離席した場合に、端末を不正操作されることが防げます。
さらに、次のような機能は企業での運用管理を効率化するのに役立ちます。
サブ管理者機能
利用規模が大きくなると管理者の負担も増しますが、複数の管理者を登録して事業部門やプロジェクトごとにサブ管理者を設定することで、管理業務を分散、軽減できます。
Active Directory連携、ユーザー一括登録・編集機能
Active Directoryでユーザー管理を行っている企業なら、ユーザー情報を自動的に取得してPrimeDriveに登録することができるため、ユーザー登録作業が軽減します。また連携しなくとも、複数ユーザの一括で登録、ユーザ情報編集が可能です。ユーザーはWindows OSへのログインID/パスワードで利用可能になります。
ログ管理機能
ユーザの操作ログを5年間保管します。画面上での検索、参照が可能なほか、CSVファイルでのダウンロードができます。
ファイル検閲機能
管理者は必要に応じてユーザーのアカウント利用状況を確認でき、場合によってはユーザーが所有するデータを参照、操作できます。
お知らせ登録機能
登録された全ユーザを対象にログイン直後に管理者からのメッセージを表示することができます。
ディザスタリカバリ機能
標準サービスとして、災害時などでPrimeDriveメインサイトが使用できなくなった場合、国内の他のデータセンターをディザスタリカバリサイトとして利用できます。メインサイトのデータは、ディザスタリカバリサイトに30分ごとにバックアップされています。ユーザーは、ソフトバンクから提供される専用URLでアクセス先を簡単に切り替えられます。
これらのセキュリティ機能、管理機能に加え、Microsoft Office Online連携機能、保存ファイルのPDF変換ダウンロード機能、ファイル保存機嫌設定機能(設定期限でファイルを自動削除)、10世代までのファイルバーション管理機能、英語表示への切り替え機能、オフラインで利用できるファイルのキャッシュデータの保存期限設定機能(最大90日、0日を設定すると端末へのキャッシュ保存を行わない)など、多くの便利機能がありますので、合わせて検討をお勧めします。