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MIERUCAのカスタマーサクセス――ファン化につながるユーザー会の作り方

ユーザー会の登壇者や参加者をファンにするための仕掛けとは

カスタマーサクセス事例:カスタマーサクセスの夜明けとは
 製品・サービス提供後も、顧客企業の成功を第一として積極的に伴走を続ける「カスタマーサクセス」を取り入れようとする動きが日本でも活発化し始めている。本連載ではカスタマーサクセスに取り組む企業とその立役者を連載形式で取り上げ、具体的な施策やうまく推進するための秘訣などを紹介する。


 カスタマーサクセスの実践において、オンラインでのユーザーコミュニティー運営やオフラインでの定期的なユーザー会開催など、ユーザー同士が交流できる場の提供を重要な施策の1つに挙げる企業が少なくない。本連載の「カスタマーサクセスの夜明け」でも、これまでユーザー間で活発に意見交換を行っているユーザーコミュニティー運営企業をいくつか取り上げさせていただいた。

 人工知能も活用しつつ検索ユーザーのニーズを分析し、より有効なSEOやコンテンツマーケティングにつなげるための話題SEO・コンテンツマーケティングツール「MIERUCA(以下、ミエルカ)」。この話題のプラットフォームを提供するFaber Companyも、導入企業1,000社を対象としたユーザー会を2カ月に1回程度のペースで開催している、ユーザー会実践企業だ。「セミナーの開催も案内していますが、ユーザー会のほうの参加予約がとても早く埋まっていきますね」と言うカスタマーサクセスチームの渡邊 雅俊氏、大江 奈々子氏へ、ユーザーが我先に参加したくなるユーザー会はどのようにして生み出されているのか、同社のユーザー会運営術を中心にお話を伺った。

顧客のライフサイクルに合わせ、役割を3つに分担した体制に

――貴社は、いつからカスタマーサクセスに取り組まれていますか?

渡邊氏: 私が入社したのが2年前の2017年。その時、既にカスタマーサクセスのチームがありました。「ツール+学習コンテンツ+コンサルティング」この3つの領域に力を入れていくというのが、私たちの会社のスタンス。この3つの中の「ツール」に関して私なりに理解しているのは、今世の中にあるどのツールも、機能だけで見ると負けず劣らず素晴らしいものかなと思いますが、実際それを活用できないと何も役に立たない。お客さまはツールを導入して終わりではなくて、活用してそこから何かしらのアクションを起こさないと、成果にはつながりません。

 当社もはじめはツールを導入いただく際に、提案から導入後の支援までフロント担当者が実施していたのですが、導入企業数が増えて専任チームが必要となったため、カスタマーサクセスチームが創設されました。チームの立ち上げ当初は2人でしたが、今では約20人のカスタマーサクセス担当でお客さまのツール活用をはじめとしたSEO・コンテンツ施策を支援しています。

渡邊 雅俊氏 株式会社Faber Company ミエルカ事業部 カスタマーサクセスチーム
渡邊 雅俊氏 株式会社Faber Company ミエルカ事業部 カスタマーサクセスチーム

――お二人はカスタマーサクセス担当として、どのような役割を担っていらっしゃいますか?

渡邊氏: 私は担当するお客さまに1対1で向き合いながら、ミエルカというツールをどう活用するのが有効なのかを支援、フォローする役割です。それと合わせて、導入いただいたお客さまがミエルカのファンになっていただけるよう、ユーザーイベントや勉強会などを企画、運営しています。

大江氏: 私も同じくお客さまであるWebマーケターの方々へミエルカの活用支援を行っています。これまでは、導入時の立ち上げ対応から、導入後のお問い合わせ対応などお客さまが自走してくださるまで、1人のカスタマーサクセス担当がお客さまに伴走していました。2019年6月より、グロースチーム、アカウントチーム、サポートチームに大きくチームを分割しました。導入時から運用立ち上げを中心に支援する、いわゆるオンボーディングを担当するのがグロースチームです。立ち上げ後の運用フェーズでミエルカをどのように活用すべきかなどを伴走支援するのがアカウントチーム、お客さまからの機能や契約に関する問合せ対応を行うサポートチーム、この3つのチームに役割が分担された体制になりました。私はグロースチームで、日々お客さまがミエルカを活用しながら施策をどう進めていくかをやりとりしています。

大江 奈々子氏 株式会社Faber Company ミエルカ事業部 カスタマーサクセスチーム

顧客のKPI達成に伴走することが、カスタマーサクセスチームのKPI達成に結び付く

――貴社では顧客の声をどのように集めていらっしゃるのでしょうか?

渡邊氏: お客さまと1対1の対面でご要望をお伺いすることが多いですね。また2カ月に1回程度、ユーザー会を行っています。そこでのアンケートなども非常に参考になります。今後ユーザー会は、少人数の分科会の開催も実施するなどバリエーションと頻度を増やしていく想定です。そうなれば、ユーザーともっと密な情報交換ができるのではと期待しています。

大江氏: 立ち上げの段階では、お客さまとの打ち合わせの機会が多数あり、コミュニケーションを密に取りながら進めます。そのときのお客さまのご意見は非常に参考になりますね。あとは、ミエルカ管理画面で定期的に、サービスやツールの満足度について聞かせていただくためのNPS(Net Promoter Score)調査を実施しており、そこで入力いただいたフリーアンサー内容も貴重なお客さまからの声になります。

――そのようにして集めた声をどのように活用していらっしゃいますか?

渡邊氏: イベントに参加してくれたお客さまにも同じようなNPS調査を実施しており、その変動を見て、お客さまがどういう状況なのか、施策に対してどれくらいモチベーション高く取り組めているのか変化を読み取り、こちらからの適時アプローチを行うようにしています。

大江氏:これらのNPS調査のスコアや普段のやりとりから把握している施策状況をもとに、お客さまの活用ステータスごとにラベルをつけ、ネクストアクションはどうしていくのかを管理しています。カスタマーサクセス担当のアクション後にお客さまがどう変わっていったのかもデータで残せるようになっていて、分析できるくらいにデータが蓄積されています。

渡邊氏: また、お客さまからいただいた声をツールの改善にも生かしています。最近の改善例でいうと、「ミエルカヒートマップ」の表示画面の刷新です。機能には3種類のヒートマップデータがあって、それらを1つ1つ別の画面で見せていたのですが、「3つ同時に閲覧できるようにしてほしい」というお客さまからの声がありまして。その数日後には3画面同時表示を新機能としてリリースしました。

 他にも多くのご要望をいただいておりますが、優先順位やその他ユーザーへの影響なども加味しながら、順次対応できるようエンジニアチームと連係しているところです。やはり普段活用いただいているユーザーの声が一番参考になると感じています。

――カスタマーサクセスチームのKPIやKGIは、どこに設定していらっしゃいますか?

渡邊氏: KPIはLTVの最大化。ツールの運用を定着させ、いかに長くご活用いただくか。もちろん解約率もみています。KGIというか、カスタマーサクセス担当が目指すのは、最終的にはお客さまのビジネスを成長させることですね。

大江氏: 私たちにKPIがあるように、お客さまにもKPIがあります。今、新体制の立ち上げの段階でカスタマーサクセス担当は、改めて何をしていくべきなのか整理しているところです。お客さまとKPIを一緒に設定して、それを達成していくために、どういうタスクとスケジュールを引けばいいのかを一緒に決めていく。施策効果を計測するために、どんな指標を見ていけばよいかポイントを抽出して、どういうフォーマットで効果計測を行うのか、というところまでお客さまと決めていければよいね、などをチームで議論しています。

 直近では、お客さまのKPI達成に伴走する取り組みを複数社でテストさせていただき、「いいね、これだと(施策が)うまくいきそうだね」という声をいくつかいただいています。お客さまによっては「検索流入アップ」をKPIにするケースもあれば、「コンバージョン数アップ」をKPIにするケースもあります。課題もさまざまなので達成までのロードマップは個別に作成していかなければなりません。

 私たちの持っているノウハウをもっと集約し、「検索流入アップの場合は……」「コンバージョン数アップの場合は……」と、お客さまの達成したい目標に応じた成功パターンをフォーマットにした上で、展開していく予定です。

課題解決型のユーザー会を企画・運営し、製品のファンを生み出す

――貴社のユーザー会は、とても盛況だとお伺いしています。どのようにユーザー会を運営されているのでしょうか?

渡邊氏:まず、「ツール+学習コンテンツ+コンサルティング」のうち、学習コンテンツとしての「動画マニュアル」や、集合研修の「ミエルカ大学」など、コンテンツ施策やSEOの学びの場を多く提供しています。これに加え、主にユーザー同士の交流と活用状況の共有の場として、2018年から始めたのがユーザー会です。

 企業内でWebマーケティングやSEOなどを担当している人数は少ないことが多いんですよ。各種施策の方向性、自分のやっていることは正しいのか、相談する人がいないというお悩みは、お客さまからよく伺っていました。ミエルカユーザーさん同士は、日々同じような課題に向き合っています。そこでユーザーさん同士で交流してもらって、新しい発見や施策の相談ができたら、モチベーションを高めあっていただける。そういう場を私たちが提供しよう、というコンセプトです。その中でミエルカの新しい活用を発見したり、新たな施策を思いついたりする。ひいてはミエルカをより好きになってもらえたらうれしいなと。

 ユーザー会のテーマは毎回お客さまの声からヒントを得ています。普段の業務の中で「どんな点が気になりますか?」「どんなことが課題になっていますか?」などを聞いてきていますので、それらを整理して、ユーザーの役立つのではないかという企画のストックを作っています。それぞれのテーマに対し、実際取り組んでいるユーザーさんや知見をもっているユーザーの方に登壇を依頼、施策内容を共有してもらったり、どんなふうに解決してきたのかなどをライトニングトーク形式で発表してもらうのが評価の高いコンテンツです。登壇ユーザーのみなさまが惜しげもなく技を披露してくださる(笑)おかげでもあるのですが、ユーザー会の満足度はいつも高いですね。

2018年9月5日Faber Company5階で行った40人規模の第3回ミエルカユーザー会
https://mieru-ca.com/blog/users-conference3/ 

――ユーザー会は、ある意味、競合関係にある者同士の集まりという側面があると思います。そのあたりは、交流の場を持つ上で、懸念されませんでしたか?

渡邊氏: そうですね。最初、実は社内からも集まる人の競合性や関係性をとても心配されました。しかし実際参加されたユーザーの生の声を聞いてみると、全然そのようなことはなくて。さきほどもお伝えしたとおり、ユーザーであるWebマーケターは会社の中で孤独なことが多い。そういう状況の中で、同じような役割を担っている方と横のつながりを持ちたいという思いを抱いている方が多いんです。そこには競合がうんぬんという話はそもそも存在していませんでした。

 ユーザー会に参加することによって、まだ知り得ていないWebマーケティングのノウハウを手に入れることができ、同じコンテンツマーケティングやSEO担当者ともつながりができる。もちろんミエルカを好きになってくれるとさらに良いのですが、ミエルカというサービスを通じて、多くのWebマーケッターのみなさんのスキルアップやキャリアアップにつながる。そういう世界観を作りたいですね。結果、「ミエルカいいじゃん!」って感じてもらえたらいいかなと。またユーザー会の場では、私たちが考えもしなかったミエルカ活用方法がシェアされたりもしていて、私たち自身も学ばせてもらっています。私たちとユーザーとが一緒になって、業界を盛り上げていきたいなというのがありますね。

ミエルカユーザー会がスピンオフ!「業種別勉強会」。人材業界編
https://mieru-ca.com/blog/industry_conference1/

担当者個人の成功支援もファン化に必要――ファン獲得からアップセルを生み出す効果も

――ユーザー会を通して、ユーザーをファン化していくためのコツや秘訣は何かございますか?

渡邊氏: 「ファンになってもらう」は結果だと考えています。私たちが相対するお客さま個人がどう成功するかがカスタマーサクセスに必要な視点です。どうしたらその方が成果を上げられるか。社内外問わず評価され、マーケターとしてキャリアアップやスキルの研さんにつながるのか。私たちカスタマーサクセス担当がサポートできるところは少なからずあるのではないかと思っています。

 ライトニングトークに登壇いただくユーザーさんには、プレゼン資料作成をお願いしています。資料を作ると、自分のやってきた施策や成果を再認識される。その資料を自社内で共有し、社内成果報告してもらうのと同時に、「ミエルカを使ってこういう成果が出ました」と自主的に宣伝してくださるユーザーさんまでいます。実際、その会社の他部門の方から「〇〇さんに聞いて…」と問い合わせをいただくことも多いので、既存ユーザーさんからのアップセルも「社内紹介」から増えています。

大江氏: まずはミエルカを使いこなしていただけることが大前提です。その上で渡邊がお話ししたように、「ミエルカを使っていると自分も成長できるし、悩んでいる人がいたら紹介しよう」とお客さま自身に自然に思っていただけるレベルまで徹底的にサポートすることでしょうか。

 また、ユーザー会の企画やコンテンツを増やしていって継続することも重要だと思います。ご好評いただいた業種別勉強会は今後、ユーザー会後の分科会として開催する案や、その他ECやメディアだけを集めて開催する案も出ています。さまざまなユーザーニーズをカタチにしていって、「コツをつかんだ」「成果が出た」「仲間ができた」、さらには「ユーザー同士で新しいサービスやコンテンツを始めた」というケースも、今後増えていくことを期待しています。

 2019年9月には今までで最大規模のユーザー会を開催する予定があります。コンテンツは徐々に決まってきていますが、たくさんのユーザーさんにお会いできるのが楽しみです。

2018年12月7日外部会場を借り、200人規模で開催した第4回ミエルカユーザー会
https://mieru-ca.com/blog/users-conference4/

取材にご対応いただいたFaber Companyの製品レビューはこちら

ミエルカ

ミエルカヒートマップ

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