最近よく聞くメタバースという言葉は、すでに私たちの日常に浸透し始めています。たとえばテレワーク、多国籍プロジェクトなど多くの場面で「仮想オフィス」が活用されています。

仮想オフィスは、アバターを利用して仮想空間でコミュニケーションを取れるサービスです。これから仮想オフィスの導入を考えている人を対象に、国内で人気のあるサービス「oVice」「FAMoffice」のメリット・デメリット、料金体系をご紹介します。

仮想オフィスとは

新型コロナウイルスのまん延、テレワーク・リモートワークの導入に合わせて広がり始めたのが「仮想オフィス」という新しい働き方です。これは一体どのようなサービスなのでしょうか。仮想オフィスの概要を3つのポイントで紹介します。

仮想世界がオフィスになる

会社に行って自分の席で仕事をするのが、今までの一般的な働き方でした。一方で、仮想オフィスの職場はネット上の仮想空間(メタバース)にあります。

仮想オフィスは、ネット環境にあるPC・スマホで接続して、ログインしたほかの社員と一緒に働けるサービスです。疑似的に会社をつくり出すことで、テレワーク・リモートワークの孤独感を軽減して自宅にいながら仮想世界を楽しみつつ働けます。

アバターを使ってコミュニケーションできる

仮想オフィスでは、2D・3Dのアバターを操作して仕事します。オフィス内にある複数の施設(会議室・ワークスペース・休憩室)をアバターで移動でき、ログインしたほかのアバターとコミュニケーションを楽しめます。

コミュニケーション方法には、チャット・音声通話など複数の方法が用意されています。まわりの会話が聞こえてくるなど、ほとんど現実と同じようにコミュニケーションを取れるのが魅力です。

国籍を問わず働ける

仮想オフィスはインターネット空間にあることから、ネット環境にある人なら誰とでもつながれます。国内だけでなく国外の人と一緒に働くこともでき、国籍を問わずさまざまなプロジェクトを立ち上げて仮想オフィスで仕事ができます。

仮想オフィス「oVice」「FAMoffice」のサービス概要

国内で人気のある仮想オフィスサービスが、「oVice」「FAMoffice」の2つです。この2つには、それぞれ異なる特徴があります。次に、各サービスの概要についてご紹介します。

oViceのサービス概要

石川県にあるoVice株式会社が提供している仮想オフィスサービスです。2次元のメタバース空間で仕事ができ、アバターにはキャラクターアイコンを使用します。次の有名企業を含む2,000社以上から利用されている有名な仮想オフィスサービスです。

  • TOYOTA
  • RICOH
  • FUJIFILM

FAMofficeのサービス概要

国内ソフトウェア開発力トップレベルの富士ソフト株式会社が提供する仮想オフィスサービスです。3次元のメタバース空間で仕事に参加でき、色のみ変更できるアバターを使用します。

次のような大手企業にも導入されている仮想オフィスサービスで、日々導入会社が増え続けています。

  • グリー株式会社
  • 株式会社富士経済
  • ビーディーシー株式会社

仮想オフィス「oVice」「FAMoffice」のメリット

大手企業の導入が多い「oVice」「FAMoffice」利用時にはどういったメリットがあるでしょうか。次に、各サービスのメリットについてご紹介します。

oViceを利用するメリット

oViceはメタバース空間のレイアウトを自由自在に調整可能です。200個以上のデザインプリセットが用意されているため、快適な仕事環境を簡単に生み出せます。操作性もシンプルで、クリック1つで移動・会話できるなど、ITリテラシーが高くない人でも使いやすいのがメリットです。

FAMofficeを利用するメリット

FAMofficeは動作が軽く、快適にコミュニケーション・情報共有できます。操作や会話にラグが出ないことから円滑なオフィスワークを実現可能です。また次のようなステータスを設定できることから、コミュニケーション齟齬が発生しにくいのもメリットです。

  • 会議中
  • 取り込み中
  • 外出中
  • 食事中

仮想オフィス「oVice」「FAMoffice」のデメリット

便利に利用できる「oVice」「FAMoffice」ですが、利用においてデメリットも存在します。各サービスのデメリットについてチェックしてみてください。

oViceを利用するデメリット

oViceは、仮想空間のレイアウトやデザインを自由に変更できる楽しいサービスです。まるでゲームの世界で働くような感覚で仕事ができるため、若い世代から人気を集めています。一方で、年齢層が高い人が多い会社の場合、ゲーム風のレイアウトが好まれないというデメリットがあります。

FAMofficeを利用するデメリット

FAMofficeではプリセットされたシンプルな3Dアバターを利用することから、人の見分けが付きづらいというデメリットがあります。各アバターに名前が表記されていますが、一目で判断しづらいのがネックです。

仮想オフィス「oVice」「FAMoffice」の金額比較

最後に「oVice」「FAMoffice」の料金について比較します。各サービスの利用料金利用条件を比較して、お得に利用しましょう。

oViceの利用料金

料金プラン 金額
◆継続利用
 ・Basicプラン(最大接続50名) 月額¥5,500(税込)
 ・Standardプラン(最大接続200名) 月額¥22,000(税込)
 ・Organizationプラン(最大接続500名) 月額¥55,000(税込)
◆単発利用
 ・Meetupプラン(最大接続50名) 月額¥2,750(税込)
 ・Conferenceプラン(最大接続200名) 月額¥11,000(税込)
 ・Exhibitionプラン(最大接続500名) 月額¥27,500(税込)

FAMofficeの利用料金

料金形態 金額
◆初期費用 ¥100,000
◆月額料金 ¥300/1IDにつき
◆オプション
 ・通信料追加(10GB) ¥1,000
 ・フロア追加(1フロア) ¥10,000
 ・資料共有 月額¥50/1IDにつき

予算や機能、デザインなども参考に仮想オフィスを比較していこう

仮想オフィスを利用することで、メタバース空間を利用して疑似的なコミュニケーションが取れるようになります。孤独感のあるテレワーク・リモートワークの問題を改善し、アバターを通して円滑に仕事を進行できるのが魅力です。

今回ご紹介した「oVice」「FAMoffice」2つのサービスでもメリット・デメリット、利用料金に大きな違いがあります。予算や利便性を考慮し、どちらの仮想オフィスが自社に適しているのか比較検討してみてください。

この記事の執筆

ももひき

ライター

WEBライター(ライティング、編集、構成、SEO対策)やイラストレーター(キャラクター、WEB画像)として活動するフリーランスライター。現在はグルメ・IT・仮想通貨ジャンルを中心に執筆、福岡県で活動中。

この記事の監修

ITreview Labo編集部

ITreviewの記事編集チーム。ITreviewの運用経験を活かし、SaaSやIT製品に関するコンテンツをお届けします。

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