アプリやSMS(ショートメッセージサービス)を経由して配信できるプッシュ通知は、顧客のエンゲージメント向上が叫ばれている現代ビジネスに欠かせないマーケティングツールの1つです。また、プッシュ通知はただメッセージを配信するだけでなく、ABテストや効果測定などさまざまな機能が搭載されています。

この記事では、プッシュ通知の代表的な機能について紹介します。マーケティングツール選びに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

プッシュ通知で行うABテストとは?

ABテストとは、2つの異なるコンテンツを同時に配信し、どちらが高い反応率を示すかを確かめるための分析手法です。

Webサイト媒体などでは「ボタンのテキストを少し変えただけで反応率がアップした」という事例がよくあります。プッシュ通知においても同様であり、タイトルやメッセージ内容を少し変更するだけで反応率が上がったり下がったりすることは、よくあるのです。

できる限り反応率の高いプッシュ通知を配信するほうがビジネスへの貢献度は高いため、ABテストを繰り返してより反応率の高いコンテンツを見極めていくのです。

例えば、「リプロはツールにプロがつく」で知られるReproを導入した事例では、プッシュ通知のABテストを繰り返すことによって1ヶ月で顧客維持率を10%改善することに成功しています。

出典:徹底的にA/Bテストで検証!プッシュ通知により継続率が10%改善|Repro

プッシュ通知に備わっている機能

一口にプッシュ通知といっても、ツールによってさまざまな機能が整っています。ここでは一般的な機能についてご紹介するので、プッシュ通知導入を検討する際の参考にしてみてください。

パーソナライズ通知

顧客1人ひとりに応じたプッシュ通知を配信する機能です。数千・数万単位の顧客に対しては、事前に定義したセグメント(集団)に応じて作成したプッシュ通知を配信することもできます。

予約配信通知

予約した日時にプッシュ通知を配信できる機能です。サービスやLINEなどに登録してくれた顧客に対し、段階的にプッシュ通知を配信して「シナリオメール」のようなマーケティングを実施することもできます。

ABテスト

ABテストを実施できる機能です。実施したABテストはデータが自動的に集計され、どちらのコンテンツが優れているかを瞬時に判断できます。

レコメンド

商品購入やサービス利用を悩んでいるユーザーに対して、レコメンド(おすすめ)のプッシュ通知を配信できる機能です。購買意欲を高める効果があり、既存顧客を維持する効果も期待できます。

パフォーマンス分析

プッシュ通知がどれくらい開封されたか、メッセージ内のリンクがどれくらいタップされたかなどを計測できる機能です。さまざまなデータが収集され、自動的にレポートとして出力されるためマーケティングの分析と改善に集中できます。

プッシュ通知の導入効果を高める方法

プッシュ通知は、導入するだけでマーケティング効果が高まるものではありません。大切なのはプッシュ通知の効果を高める方法を知り、正しく運用することです。

まず大切なポイントは、「適切な時間に配信する」ことです。開封率の高いプッシュ通知といえども、時間帯によって開封率は増減します。より多くのユーザーにメッセージを届けるには、開封率の高い時間帯を知らなければいけません。

次に、「有益な情報を配信する」ことが大切です。プッシュ通知に限らずどの媒体でも同じことが言えますが、ユーザーは「自分にとって有益な情報」でなければ反応しません。プッシュ通知を配信しても反応率が悪い場合、その情報はターゲットにとって有益でない可能性が高いでしょう。あるいは、ターゲット設定がそもそも間違っているケースもあります。

このように、プッシュ通知の導入効果を高めるにはいくつかのポイントを押さえなければいけません。詳しいポイントについては『アプリのプッシュ通知を許諾している人は8割?効果的な使い方とは』で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

プッシュ通知導入時の注意点

プッシュ通知の導入により顧客と直接的なコミュニケーションを取る基盤を整えられますが、1つ注意点があります。それは、「セールス感を出しすぎないこと」です。

情報化社会と呼ばれ始めて久しい昨今、顧客は常にさまざまな広告・営業に触れながら生きています。日常的に触れる広告・営業だけで十分と感じているなかで、セールス感満載のプッシュ通知が届いても決して良い反応は示しません。

では、セールス感を出さないために何が必要かというと、前述のように「有益な情報を発信する」に徹することです。常にユーザーの目線に立って、どのような情報を欲しているのかを考えてテキストを考えましょう。

プッシュ通知で効果測定を繰り返しましょう

プッシュ通知のABテストとは、1日にして成るものではありません。何度もABテストを繰り返すことで、顧客の反応率を高められます。

PDCAサイクルをしっかりと回しながらABテストを実施すれば、Reproの事例のように1ヶ月で高い成果を上げることも可能です。まずは、プッシュ通知のABテストを実施することで自社が得られるメリットについて考えてみましょう。

この記事の執筆

CASITOMO

ライター

夫婦Webライター。2013年に夫婦で独立し、10,000本以上のSEOコンテンツを企業オウンドメディアに提供。夫は元通訳・翻訳家、妻は元アパレルマネージャー。映画鑑賞とバスケ、週末ベイキングが共通趣味。

この記事の監修

ITreview Labo編集部

ITreviewの記事編集チーム。ITreviewの運用経験を活かし、SaaSやIT製品に関するコンテンツをお届けします。

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