※本記事はG2.comの記事を、 ITreview Laboが意訳した転載記事です。
誰だって、規則が厳格であったり、過度に厳しい組織で働きたいとは思わないでしょう。
従業員は、健全なワークライフバランスの重要性を理解している企業で働きたいと願っています。そして、雇用主が急速に変化する労働力の中で競争力を維持したいのであれば、職場でチームにフレキシビリティを提供することが必要なのです。
職場のフレキシビリティとは?
職場のフレキシビリティとは、組織内の状況の変化に適応して仕事を遂行できること、またその意思を持つことを重んじるものです。このフレキシビリティは、企業と従業員の両方のニーズを満たすものです。
さまざまな業界の組織のリーダーは、成功を収め、大切な従業員を幸せにしたいのであれば、従業員に柔軟な職場環境を提供することが最優先事項であることを理解する必要があります。しかし、その必要性を理解することと、実行することは別のことです。
この記事では、どこから始めればよいかを解説します。
職場のフレキシビリティを実現する方法
人事担当者として、フレキシビリティのある職場を実現するために、職場環境をより良くするための要素はたくさんあります。オフィスに1つの要素を加えるか、もしくは複数の要素を加えるかにより、ビジネスがスムーズに成功することが重要です。そのためには、休業管理ソフトウェアを導入し、従業員の休暇や病欠などの計画を立てるようにしましょう。
交渉可能な労働時間
フレキシビリティを実現するためにまず検討すべきなのは、フレックスタイム制と呼ばれる、始業・終業時刻を自由に設定できるスケジュールです。
フレックスタイム制を導入するには、従業員の生産性を考慮する必要があります。ある社員は昼前に最も成果を上げると思うかもしれませんし、ある社員は夜更かしをすると思うかもしれません。フレキシビリティを確保し、各自に合った8時間労働を選択できるようにしましょう。
家族ケアに関する休暇
家族の絆は複雑でストレスの多いものです。
家族手当や療養休暇にフレキシビリティを持たせれば、みんなのストレスが軽減され、新しい候補者を引きつけることもできます。家族の複雑な事情や予期せぬ病気など、さまざまな状況を把握するために時間をかければ、従業員はサポートされていると感じ、その心遣いに感謝することでしょう。
特に米国では高齢者が増えており、従業員が老いた両親や祖父母の世話をしなければならない可能性が高いという事実を、企業はもはや無視してはなりません。同様に、介護休暇は、病気を持つ子供の親である従業員にも適用されます。
実際、Administration of Community Livingによると、65歳以上の人口は2009年の3960万人から2019年には5410万人に増え(36%増)、2060年には9470万人に達すると予測されています。2040年には、高齢者人口は約8,080万人となり、2000年の2倍以上となる見込みです。
有給休暇の取得制限なし
有給休暇を無制限に設定している企業は、従業員第一の近代的な職場であることを従業員や応募者にアピールすることができます。これは従業員と雇用主の間に信頼関係を築くだけでなく、求職者にとってもインセンティブになります。
燃え尽き症候群を防ぐために必要な休暇を従業員が取れるようにすることは、大きな利点です。また、病欠を認めておけば、プレゼンティズムの犠牲となることもないので、チームも安心です。
リモートワークを許可する
チームメンバーがオフィス以外の場所で自由に仕事ができるようになれば、従業員の士気が高まり、組織の適応性が高まるだけでなく、生産性も向上します。
オフィスの場所によっては、通勤がチームにとって大きな負担やストレスになることがあります。そのようなことがなければ、社員はプレッシャーを感じずにワークフローを管理でき、自分の好きな場所でより生産的に働くことができます。
もちろん、このようなワークプレイスのフレキシビリティはすべての業種に当てはまるわけではありませんが、一日のうちいつでもリモートで完結できる仕事がある場合は、このワークライフバランスの選択肢を検討することをお勧めします。また、悪天候などの特別な状況下での在宅勤務や、上司の指示による週1回の在宅勤務も検討することができます。
40%の人が、リモートワークの最大のメリットはフレキシビリティのあるスケジュールであると感じています。
出典 Small Biz Genius
限定的な会議
私たちは皆、”あの会議はメールでもよかった “と思いながら会議を終えたことがあるはずです。
フレキシビリティのある職場環境では、部門を超えた社員が全員の仕事量に配慮しなければなりません。誰もが1日中ミーティングをする時間があるわけではありません。ですから、もしメールで済ませられる話題であれば、平日を削ってまでミーティングを行うことが重要です。
また、ミーティングを必須ではなくオプションにすることで、参加する時間があるかどうかを従業員が自分で判断できるようにすることもできます。
パートタイムの選択肢
フレキシビリティのある働き方を考えるとき、パートタイムという選択肢は見落とされがちです。 40時間未満の勤務体系を必要とする従業員のために、パートタイムの選択肢を提供することを選択する企業もあります。
また、業界や社風に合うのであれば、2人の従業員を雇用して1人の仕事量をカバーするパートタイム勤務を選択する企業もあり、これはジョブシェアリングとも言えます。
サバティカル
多くの企業では、一定期間勤務した従業員に長期休暇を与える制度を設けています。サバティカルとは、通常5年間勤務した社員に与えられる長期休暇のことで、勉強や旅行、新しいスキルの習得、ボランティア活動などに充てられます。
福利厚生の一環として、この長期休暇を導入することで、従業員に長期勤続のインセンティブを与えるとともに、求職者に自社の募集職種に応募してもらうこともできます。
週労働時間の圧縮
週休2日制を導入すると、社員は1週間の勤務時間が短くなりますが、フルタイムとみなされる労働時間は同じになります。例えば、ある社員が1日8時間労働を5日間続ける代わりに、10時間労働を4日間続けることを選択したとします。
この場合でも、週40時間の労働時間は確保されるため、PTOを利用することなくフレキシビリティを確保することができます。
職場におけるフレキシビリティのメリット
フレキシビリティを重視した職場環境は、あらゆる規模の組織で導入可能です。しかし、なぜそうするのでしょうか。従業員にとってのメリットしかないように思えるかもしれませんが、雇用主にとってもフレキシビリティのある職場環境を提供することは、多くのメリットがあるのです。
コスト節約
まず第一に、職場にフレキシビリティを持たせることで、組織の間接費を節約することができます。もし、従業員にリモートワークを許可したり、オフィスよりも自宅で仕事をすることを許可しているならば、より小さなオフィススペースを借りることができます。その結果、家賃や電気代、水道代が安くなり、オフィスでの食事やスナックなどの備蓄も少なくて済みます。
また、通勤費を経費として認めていた企業では、ライドシェアやバス、電車のチケットの経費計上もぐっと少なくなるはずです。
従業員の定着率向上
組織は常に、最も貴重な従業員を長期的に維持し、定着率を高める方法を探しています。従業員が自分の生活に最適なフレキシビリティのあるスケジュールで働けるようにすることは、その第一歩となる素晴らしい方法です。
オプションをもつことは、各々のニーズに合ったワークライフバランスを実現できるため、多くの従業員にとってありがたい存在です。リモートワークのオプションを提供している企業は、そうでない企業に比べて離職率が25%も低いのです。
よりスマートな採用戦略を提供
あなたの組織では採用活動を行っていますか?
たとえ答えが「ノー」であっても、永遠に「ノー」であることはありません。組織の採用マーケティング戦略で、従業員に提供されるフレキシビリティに付随するあらゆる特典を強調すれば、あなたのチームに加わることに興味を持つ応募者の人材プールがより広く開かれるのです。求職者は、フレキシビリティのある勤務体系や無制限のPTOなどの福利厚生を最重要視しています。
60%の人が、内定を受けるかどうかを検討する際に、福利厚生や特典が主要な要因になると報告しています。(出典 G2.com)
さらに、リモートファーストの文化を推進し始めると、地元の人材だけにこだわらず、採用活動をグローバルに展開することが可能になり、より多様なスタッフを抱えることも可能になります。
モラルと生産性の向上
従業員に信頼されていることを実感してもらうには、フレキシビリティのある働き方を提供するのが効果的です。自分に合った方法で仕事を成し遂げ、仕事以外のニーズも大切にしてくれると信頼されていると感じられれば、士気や ロイヤルティを直接的に向上させることができます。
同様に、フレキシビリティのある職場環境は、部門を超えた生産性の向上にもつながります。従業員が自分の意見を聞き、配慮され、大切にされていると感じれば、感謝やねぎらいの気持ちを表すためにもっと働くようになる可能性は十分にあります。
家族を優先する
「会社は家族だ」と豪語する企業がありますが、実は、従業員にはすでに家族がいます。しかし、フレキシビリティを優先し、家族(ペット、配偶者、子どもなど)を持つことに伴う責任に配慮していることを示すと、社員はそれを高く評価するようになるのです。
一般的な9時から5時までの勤務は家庭生活に必ずしもフィットしませんが、だからといって従業員が日々の責任を怠っているわけではありません。家庭を優先するために、枠にとらわれない働き方をする機会を与えることは、従業員に最高の仕事をさせるための素晴らしい方法です。
働く世界を見直す
フレキシビリティのある職場環境は、どんな組織にも現代の労働環境をもたらすことができます。会社の規模や業種に関係なく、従業員のニーズを最優先し、9時から5時という型にはまった働き方は時代遅れだと理解することが、ビジネスを成功させるための唯一の方法です。
リモートワークやフレキシビリティを導入することは、現代社会であなたのビジネスを成功させるための重要な要素です。リモートワークやフレックスタイム制を導入することで、社員の欠勤をより簡単に管理できるようになります。
執筆:Mara Calvello is a Content Marketing Manager at G2 with a focus on Design, Human Resources, and SaaS Management. She graduated with a Bachelor of Arts from Elmhurst College. In addition to working at G2, Mara is a freelance writer for a handful of small- and medium-sized tech companies. In her spare time, Mara is either at the gym, exploring the great outdoors with her rescue dog Zeke, enjoying Italian food, or right in the middle of a Harry Potter binge.
元記事:Flexibility in the Workplace: How to Rethink the Office(2021.06.03)