ビジネスの効率化や安定化に欠かせない企業の取り組みとして「ピアボーナス」が話題を集めています。人事担当者や管理職の方のなかには、この仕組みを知っている人もいるでしょう。しかし、具体的にどのような取り組みなのか理解できていない人も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、ピアボーナスが必要とされる理由や導入するメリット・デメリットについて詳しく解説します。従業員エンゲージメントの向上に役立つ取り組みですので、ぜひ参考にしてください。

ピアボーナスとは?

ピアボーナスとは、従業員同士で評価を行い、その評価値に応じて報酬(ボーナス)や特別手当を決定する仕組みのことです。従来の「会社が従業員を評価して報酬を決定する仕組み」とは異なる制度であり、従業員自らが報酬決定に関与できることから、働く側のモチベーションを高められると話題を呼んでいます。

ピアボーナスは、すでにGoogleやメルカリといった大企業で導入されています。たとえば、Googleは1回の評価で175ドルのボーナスを与えるという風に、従業員の評価次第で高額報酬が手に入る仕組みを整えています。

目の前で仲間の活躍を見ている従業員が実施する評価だからこそ、正しい業務評価を通して報酬を決定できます。この取り組みによって従業員エンゲージメントや離職防止につながることから、現在多く企業で導入が進んでいます。

ピアボーナスが求められる理由

今、ピアボーナスが注目される理由として、AIやIoTといった技術発展が関係しています。

従業員は、技術発展に伴う社会環境の変化に対して柔軟な対応が求められています。会社に新たな技術が導入されると、従業員の負担が増加します。しかし多くの会社では評価の見直しが行われることは少なく、給料が低いままであることがほとんどです。

評価が変わらなければ従業員のモチベーションが高まらず、次のようなトラブルが発生する可能性があります。

  • 作業量が報酬に見合わず離職者が出る
  • 従業員の負担に差がついて社内コミュニケーションが悪化する

これに対してピアボーナスは、従業員の頑張りに応じた評価を付けやすい制度です。社会環境の変化に対応するべく努力している人間を評価することによって、従業員のモチベーション維持を期待できることからピアボーナスが求められているのです。

ピアボーナスを導入するメリット

会社にピアボーナスを導入するメリットは次の通りです。

  • 社内コミュニケーションの向上
  • 従業員モチベーションの向上
  • 離職防止

社会環境の変化が著しい現代において、ピアボーナスの導入が企業を長生きさせるポイントです。ひとつずつ見ていきましょう。

社内コミュニケーションの向上

ピアボーナスで評価を受けるためには、効率よく働くことが重要です。情報伝達や周囲へのアドバイスなど、多くの従業員が評価につながる行動を取ろうと活動します。その結果、チームで働く会社では必然的に社内コミュニケーションが向上します。

社内コミュニケーションが向上すると、会社全体の活気が高まるだけでなく、お互いが感謝を伝え合う「風通しのよい職場」が生まれるきっかけとなります。

従業員モチベーションの向上

ピアボーナスは会社全体だけでなく、各個人のモチベーション向上に役立ちます。「周囲の人間よりも評価されたい」という気持ちを生み出せるだけでなく、年齢や経験を問わず報酬に変化が現れるため、会社に所属する全員のモチベーションを高められます。

離職防止

ピアボーナス導入は、優秀な人材の離職防止につながります。

ピアボーナスを導入していない会社の場合、優秀な人材であっても報酬が少ないことが多く、外部から引き抜かれたり、今の報酬に満足できずに離職したりしてしまう人が発生してしまいます。

ピアボーナスを導入すれば、頑張りに応じた報酬を得られるため、優秀な人材の離職防止につながり、会社で長期的に活躍してくれるでしょう。

ピアボーナスを導入するデメリット

会社にピアボーナスを導入するデメリットは次の通りです。

  • システム導入にコストがかかる
  • 従業員にプレッシャーを与えてしまう
  • 従業員の関係性が崩れやすい

ピアボーナスは、従来の評価基準を大きく変化させるため、デメリットが生まれる場合もあります。重要な項目ですので、デメリットについても確認しておきましょう。

システム導入にコストがかかる

ピアボーナスを導入するためには次のアクションが必要です。

  • システム導入
  • 従業員への教育・告知

今までの動き方を大きく変える「新たな報酬制度」なので、評価内容を正しく管理するシステムが必要です。また、従業員に詳しく説明しなければ上手く制度を運用できないため、十分な教育も必要です。

管理システムの導入や従業員への教育・告知には、導入費用や人件費が必要となります。初期導入で大きなコストがかかることを把握しておきましょう。

従業員にプレッシャーを与えてしまう

従業員同士が評価を行うため、なかには評価されない従業員が出てきます。評価されないことが従業員のプレッシャーとなり、それがストレスにつながる場合もあります。

ピアボーナスを導入する場合には、0か100かのように極端な報酬体系を採用するのではなく、特別手当というような形でピアボーナスの制度を組み込んでいくと従業員のプレッシャー緩和につながるでしょう。

従業員のトラブルの要因にもなる

評価される従業員と評価されない従業員が出てしまうと、同年齢でも報酬に大きな差が生まれます。その結果、授業員同士の関係性が崩れやすく、トラブル発生の要因にもなるため、評価ルールの整備が重要です。

ピアボーナス管理のためにシステムを導入して、評価値を管理者だけが閲覧できるようにするなど、他人に見えない対策を取るのがおすすめです。

ピアボーナスについて理解したら製品を比較検討しよう

ピアボーナスの導入によって、従業員エンゲージメントの向上や離職防止につながります。また従業員は頑張った結果が報酬に反映されるようになるため、長生きする会社づくりの基盤を整備したり、社内コミュニケーションの向上に役立てたりできます。

ピアボーナスについて詳しく理解してから導入を検討したいのなら、まずはITreviewが提供するシステム紹介ページを参考に、気になる製品を比較してみてはいかがでしょうか。利用者のレビューや評価も掲載しているので、ぜひ参考にしてください。

この記事の執筆

ももひき

ライター

WEBライター(ライティング、編集、構成、SEO対策)やイラストレーター(キャラクター、WEB画像)として活動するフリーランスライター。現在はグルメ・IT・仮想通貨ジャンルを中心に執筆、福岡県で活動中。

この記事の監修

ITreview Labo編集部

ITreviewの記事編集チーム。ITreviewの運用経験を活かし、SaaSやIT製品に関するコンテンツをお届けします。

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