近年、クラウド上にデータを保存するオンラインストレージを利用する企業が増えています。これから、オンラインストレージを利用しようと考えている方も多いでしょう。

そこで本記事では、オンラインストレージのメリットや選び方のポイントを解説します。記事の後半では、おすすめのオンラインストレージを15個紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

また、オンラインストレージの概要については、下記の記事で詳しく説明しているため、こちらも併せてご覧ください。

https://www.itreview.jp/blog/archives/8772

法人向けオンラインストレージのメリット

法人向けオンラインストレージには、下記3つのメリットがあります。

高度なセキュリティ

近年、情報漏洩や不正アクセスなどのセキュリティ事故が後を絶ちません。セキュリティ事故が発生すると、企業の信頼が落ちて大きな損失を出すケースもあります。法人向けオンラインストレージは、高度なセキュリティを誇るため、未然にセキュリティ事故を防げます。具体的には、ウイルス感染の防止や細やかなアクセス権限、バックアップといったことができます。

人件費削減

自社でデータ管理を全て行う場合、サーバーの運用やメンテナンス作業が必要になります。しかし、オンラインストレージの利用であれば、サーバーの運用やメンテナンス作業がない分、人件費を削減できます。

大容量を定額で使える

オンラインストレージは、定額で大容量のデータを保存可能です。また、拡張性にも優れており、容量が少なくなった場合には、追加料金を支払うことで簡単に容量を拡張できます。

無料製品との違いは

個人向け(無料)のオンラインストレージと法人向け(有料)のオンラインストレージの大きな違いは、下記の2点です。

  • セキュリティの高さ
  • ファイル容量

無料版と有料版どちらのオンラインストレージを利用しようか迷っている方は、無料版でもサービス提供していて、後から有料版に切り替えることも可能なオンラインストレージがおすすめです。

なお、個人利用でおすすめのオンラインストレージについては、下記の記事で詳しく解説しています。

https://www.itreview.jp/blog/archives/6933

法人向けオンラインストレージ選び方のポイント

法人向けオンラインストレージを選ぶ際のポイントは、下記の7つです。

高度なセキュリティ

どのようなセキュリティ機能が搭載されているかは、非常に重要です。具体的に、法人向けオンラインストレージには以下のような機能が搭載されています。

認証機能

外部からの不正アクセスを防止するための機能です。「パスワード認証」のほかに「2段階認証」などがあります。

アクセスコントロール機能

ファイルの閲覧者や編集者など、アクセス権限をコントロールする機能です。

ログ管理機能

「いつ・誰が・どこでアクセスしたか」ログを確認できる機能です。不正アクセスの原因特定などに役立ちます。

バージョン管理機能

バージョン管理機能によって、これまでの履歴を管理します。ファイルを誤って上書き保存してしまっても、過去の状態に戻すことが可能です。

ディザスタリカバリー

災害が発生した際に、データを復旧しやすくするための機能です。オンラインストレージサービスによって、ファイルの保管場所は異なります。複数拠点にデータセンターを分散させることで、地震や津波などの自然災害が発生した場合でも、データを守ることができます。

カントリーリスク対策

カントリーリスク対策を重視するのであれば、開発から運用、データセンターまで全てが日本で行っているオンラインストレージが良いでしょう。

PDFセキュリティ機能

PDFにパスワードをかけることで、特定のユーザーのみがアクセスできるようにする機能です。セキュリティの向上につながります。

以上のように、さまざまなセキュリティ対策があるため、自社には、どの機能が必要なのかあらかじめ検討しましょう。

データ容量

規模が大きい企業ほど、巨大なデータ容量が必要になります。会社の規模に合わせてデータ容量を検討しましょう。

転送速度

ビジネスで利用するのであれば、50〜100Mbps程の転送速度は確保しておいたほうが良いでしょう。

料金体系の確認

オンラインストレージには、さまざまな料金体系があります。ユーザー課金型か、容量型かを確認して選びましょう。

クラウドかオンプレミスか

オンラインストレージには、クラウドとオンプレミスの2種類が存在します。オンプレミスは、自社でサーバー構築や運用、メンテナンスを行う必要があり、専門のエンジニアが必要になるため、自社で運用する必要がないクラウドがおすすめです。

サポート体制の有無

サポート体制の有無も重要です。特に、オンラインストレージを初めて利用する方は、使いこなせるか不安も大きいため、サポート体制が充実したオンラインストレージサービスを選ぶと良いでしょう。

スマホ対応しているか

PCでオンラインストレージにアクセスする方が多い傾向にあるものの、スマホからもアクセスできると出先でファイルのチェックができるため便利です。

このように、法人向けのオンラインストレージの選び方は様々です。自社ではどの点が重要なのか、優先順位を決めて選びましょう。

おすすめの法人向けオンラインストレージ15選

Google Drive

価格:680円/月~

データセンターに分散してデータが保持される

保存したファイルのバージョンは100まで保存

Googleが提供するオンラインストレージです。無料版と有料版があり、有料版のBasicプランは、680円で30GBまで利用できます。

OneDrive for Business

価格:540円/月~

Microsoftのクラウドサービスでは、99.9%の稼働保障

・iOS、Androidに対応するモバイルアプリが提供されている

Microsoftが提供するオンラインストレージです。Office365の一部として、利用できるのが特徴です。

Box

価格:1,800円/月~

iOS、Android用の無料モバイルアプリがある

・管理機能が豊富

世界で95,000社が利用するオンラインストレージです。個人向けプランもありますが、ビジネス向けプランがメインで、利用ストレージ容量は無制限となっています。

DirectCloud

価格:30,000円~(ユーザー数無制限)

国内3箇所にデータサーバーを分散

・サーバー稼働率99.95%

株式会社ダイレクトクラウドが提供するオンラインストレージです。高い操作性で、ストレスなく利用できるのが特徴です。

AOSBOX Business

価格:20,000円~

バックアップの世代数を任意に変更可能

・電話・メール・オンラインでサポートを受けられる

AOSデータ株式会社が提供するオンラインストレージです。サポート体制が充実しており、電話、メールで専門家によるサポートが受けられるのが特徴です。

MEGA

価格:605円/月~

・安全にファイルの受け渡しができる

バージョン管理機能を搭載している

ニュージーランドのMega Limitedをメイン企業として運営されているオンラインストレージです。無料で50GB以上のストレージ容量が利用可能です。世界中で1億6000万人以上に利用されています。

Dropbox Business

価格:1,500/月~

・パスワード・期間設定・ユーザー承認といったファイル保護機能が充実

・iOS、Android対応のモバイルアプリがある

世界で30,000社以上に利用されているオンラインストレージです。直感的なUIやマルチデバイス対応と利便性に優れているのが特徴です。

GigaCC ASP

価格:12,000円~

・シングルサインオンに対応

大容量のファイルを安全に送受信

日本ワムネット株式会社が提供するオンラインストレージです。BtoBに特化した機能を搭載しており、20万人を超えるビジネスパーソンに利用されています。

PrimeDrive

価格:初期費用30,000円、12,000円/1GB

管理機能が充実

・ユーザーの操作ログを5年間保証

ソフトバンクが提供するオンラインストレージです。ワークフロー承認やIPアドレス制限など、管理機能が充実しているのが特徴です。

Bizストレージ ファイルシェア

価格:16,500円~

国内・海外に大容量ファイルを送信可能

・ウイルス機能を搭載

エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズが提供するオンラインストレージです。月額16,500円から最大1万人まで使用できます。

Sendy

価格:800円~

・日本語、英語、韓国語の3ヵ国語に対応

最大50GBの転送機能

株式会社センディが提供するクラウドサービスです。ブラウザでファイルをアップロードして、すぐに大容量のファイル転送できます。

コワークストレージ

価格:2,750円/月~

データ転送ツールとしても利用可能

30日間無料トライアルが可能

東日本電信電話株式会社が提供するオンラインストレージです。デスクトップ感覚で利用できる高い操作性が特徴で、30日間無料トライアルも利用できます。

セキュアSAMBA

価格:初期費用15,000円、15,000円/月~

・サポート体制が充実

ユーザー数無制限で利用可能

Chatworkストレージテクノロジー株式会社が提供するオンラインストレージです。月額料金無料で、3ユーザー、5GBまで利用可能な無料プランとビジネス向けの有料プランを用意しています。

FileDragon

価格:要問い合わせ

・ワンタイムパスワードにより安全性を確保

管理機能が充実

博報堂DYグループが提供するオンラインストレージです。大容量の電子書類を安全な状態で保管できます。1人あたり最大2GBのオンラインストレージを利用可能です。

Fileforce

価格:900円~

・シンプルなため、初心者でも使いやすい

・無料トライアルが可能

ファイルフォース株式会社が提供するオンラインストレージです。学習コストや運用負荷を最小限にして利用できるのが特徴です。

無料で利用できるオンラインストレージは、下記の記事でまとめているため、ぜひチェックしてみてください。

https://www.itreview.jp/categories/online-storage/free_product_lists

自社に合った法人向けオンラインストレージを導入しよう

本記事では、オンラインストレージについてご紹介しました。それぞれのオンラインストレージの特徴をしっかりと理解し、自社に最適な製品を選びましょう。

この記事の執筆

慈雨(ジウ)

ライター

エンジニアの経験やアパレルECサイト運営の経験を活かして、ITやファッション、ECサイト関連の記事をメインで執筆しています。シュークリームとスニーカーを愛しています。

この記事の監修

ITreview Labo編集部

ITreviewの記事編集チーム。ITreviewの運用経験を活かし、SaaSやIT製品に関するコンテンツをお届けします。

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