近年、ビッグデータの活用に伴い、多くの企業でBIツールが導入されています。BIツールを導入すると、取得したさまざまなデータを自動分析でき、分析結果を表やグラフなどで分かりやすく可視化できます。
このようにBIツールにはさまざまなメリットが存在しますが、BIツールについてまだよく理解できていない方もいるでしょう。そこで本記事では、BIツールの概要、導入目的、セルフサービスBIとの違い、メリット、機能などを詳しく解説します。BIツールのマネジメントへの活かし方も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
ビジネスのデータを可視化する「ビジネスインテリジェンス(BI)ツール」とは
BIツールとは、企業が持っているさまざまなデータを分析・可視化し、日々の業務や経営に活かすためのソフトウェアです。BIとは、「Business Intelligence」の略称です。
近年、ビッグデータを活用した経営が増加しています。ビッグデータを活用することによって顧客の要望を網羅的に分析でき、顧客をより満足させられる商品開発やサービス提供が可能となります。そのようなビッグデータの分析にBIツールは使用されています。
ビジネスインテリジェンス(BI)ツールを導入する目的
BIツールの導入目的は、企業が取得した膨大なデータを分析して経営や業務に活かし、売上を拡大させたり、サービスを向上させたりすることです。近年、情報は企業の資産として扱われ、GoogleやAmazonといった大企業をはじめとする多くの企業で取得した情報をもとに経営改善が行われてきました。
このように企業経営において重要な価値を持つ情報ですが、以前までは手動で集計・分析が行われていました。しかし、Excelなどを活用した手作業での分析は効率が悪く、欲しい情報を即座に取り出せません。そこで、開発されたのが自動でデータを分析・可視化してくれるBIツールです。
BIツールを活用することで、データの分析結果が一目で分かるようになり、膨大な時間を費やしてデータを集計する手間もなくなりました。このようにBIツールは、現代の経営になくてはならないツールです。
セルフサービスBIと通常のBIツールの違い
セルフサービスBIとは、専門知識を持ち合わせていない人でも簡単にデータの分析やレポート作成による可視化が行えるBIツールです。
社内の各所で取得したデータを分析するのは工程が複雑なため、通常のBIツールは専門家によって使用されるのが一般的でした。したがって、実際に改善を行うエンドユーザー自身がBIツールを直接操作することはほとんどありませんでした。
一方、セルフサービスBIは直感的に操作可能なGUIを採用しており、専門知識を持っていない人でも簡単に操作可能です。エンドユーザー自身がツールを操作できるため、今では多くの企業でセルフサービスBIが導入されています。
BIツールを導入するメリット
BIツールを導入すると、以下のようなメリットがあります。
・データの可視化により現状を把握しやすくなる
BIツールを活用すると、データの分析結果を表やグラフなどを用いて分かりやすく表示できます。そのため、売上や個人の営業成績などを瞬時に把握可能です。
・データ分析にかかる手間やレポート作成の時間を短縮できる
BIツールが主流になる以前は、収集したデータを手で分析するのが主流でした。しかし、手作業でのデータ分析は時間がかかり、間違いも起こしやすいです。BIツールを活用すると、簡単にデータ分析が可能となり、以前までデータ分析に使用していた業務時間を別作業に当てられます。また、BIツールの導入により、上司やクライアントに提出するレポートの作成時間も短縮できます。
・素早い経営判断が可能になる
BIツールの導入により、スピーディーなデータ分析が可能になり、リアルタイムで最新情報を確認できます。早く分析結果が確認できる分、素早く経営判断でき、適切なタイミングを逃すことなくマネジメントが可能となります。
BIツールの代表的な機能
本項目では、BIツールの機能を4つご紹介します。
・データ分析機能
データ分析機能は、企業に集約されたデータを分析するための機能です。以前までは、直接データが入っているデータベーステーブルを操作して分析するのが主流でした。しかし、現在はドラック&ドロップで直感的に操作可能なBIツールも多く、専門知識がない人でも簡単にデータ分析が可能です。
・ダッシュボード機能
ダッシュボード機能は、分析したデータを表やグラフなどで表示する機能です。視覚的にデータを確認できるため、問題点や課題点を早期に発見できます。BIツールによっては、PCだけでなくスマートフォンでダッシュボード機能を使えるものもあります。
・レポート出力機能
レポート出力機能は、情報をPDF・CSVなどにしてエクスポートする機能です。レポート機能は印刷する表示画面や帳票をデザインする機能も備えており、分かりやすい形で画面や帳票を上司やクライアントに共有できます。
・データマイニング機能
データマイニング機能は、膨大なデータを統計や人工知能を活用して分析し、有効なデータを取り出す機能です。データマイニング機能を活用すると、売れ筋商品の規則性や法則を見つけられます。
BIツールをビジネスに活かすための3つのポイント
BIツールをビジネスに活かすためには、以下のことが重要です。
・導入目的を明確にする
まず初めに、自社にBIツールを導入する目的を明確にしましょう。どれだけ優れたBIツールでも、導入目的が明確になっていないのでは、効果を発揮しません。BIツールの導入前に、自社の現状を洗い出し、どのような問題を解決したいかを明確にしましょう。
・分析するデータを準備する
BIツールを導入しても分析するデータがなければ意味がありません。分析するデータがある程度準備できてからBIツールを導入しましょう。
PDCAサイクルを回し続ける
BIツールの導入によって、高速でPDCAサイクルを回せるようになります。PDCAサイクルを回し続けることは、売上増加やサービス向上につながります。そのため、根気強くPDCAサイクルを回し続けましょう。
BIツールを導入して売上アップとサービス向上を実現しよう
BIツールの導入は、企業にとって大きなメリットになります。BIツールは、製品によって特色が異なります。ITreviewのサイトにてBIツールを比較し、自社に適したBIツールを見極めてから導入しましょう。